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籠球クインテット♪  作者: 千園参
第1章 Gahare and the beginning of everything.
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第3Q Dunk shoot

今まで書いたことのないジャンルに手こずりながらも、模索して書いていく感じがあって、「やったれ魔法少女」にはあったが、最近それなりに投稿していた他作品にはない感覚のような気がしますね。何が言いたいかわからなくてすいません。わかりやすく言うと、書いていて楽しいという感覚ですね。

それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!!

「築村溱だ」


 そう名乗る男が体育館前に立っていた。


「生ぬるい練習って思うってことは、お前もバスケ経験者ってことなんだよな。じゃあ、一緒にやらないか?もっと色んな技を身につけたいからさ、教えてほしいんだけど」


「悪いがお断りだ」


 築村は即答した。


「なんで!?」


「俺は遊びでバスケやるつもりはない。俺に声かけるなら、せめて後2人揃えてからにしろ」


「わかった。2人揃えてみせる」


 そう言って築村は帰って行った。


「知り合いスか?」


 相田が後ろから声をかけてきた。


「いや、知らない」


 しかし、その男から感じるオーラはとても凄いもののような気がした。

 次の日―――俺はどうやって後2人を同好会に入れようか悩んでいた。


「あと2人か……。言ってみたもののどうしたらいいんだー」


 全く打開策が見つからないので、玉置先生に相談してみることにした。


「なるほどぉ、そんなことがあったのかぁ。まぁ確かになぁ。試合をするには最低でもあと3人は必須だしなぁ。仕方ねぇ。奥の手を使うかぁ」


 そう言って玉置先生は何処かへ行ってしまった。奥の手とは一体何なのだろうか。しばらく経って玉置先生が戻ってきた。


「待たせたなぁ!これを見ろぉ!中学時代にどの部活に入っていたかをリストアップしたものだぁ!こんなものを生徒に見せたなんてことがバレたら俺の首は間違いなく飛ぶぅ。絶対に黙っとけよなぁ!」


 結論からしてリストにバスケ部と書かれている人はあまりいなかった。しかし、全くいないわけではなかったので、その人に会うことにした。


 昼休み―――身長185cm以上はあるかもしれない、いかにもセンターポジション向きの同じ1年生に声をかけることにした。同じ1年生で180cm台は羨ましすぎる。


「大滝慎太郎君だよな?バスケ同好会創ったんだけど、一緒にバスケやらないか?」


「何で俺に?」


「いや、なんかバスケやってそうな体格だなって思ってさ」


 リストで見たとは言えない。口が裂けても。


「確かに君の言う通り、この身長のこともあったからバスケをやってたけど、もう辞めたんだ。だから、他を当たってくれないか?」


 そう言いながら大滝は眼鏡をクイッと上げた。


「そう言わずにさ」


「しつこいな。俺はやらない」


「やらなきゃ損するっスよ?いいんスか?何もない3年間で。本当にいいんスか?」


 相田も勧誘に加わり、大滝を畳めかける。放課後にまで勧誘は縺れ込み、粘ること数時間―――


「そこまで言うならやる!仕方ないからやるよ!やればいいんだろ!!」


 半ばキレ気味に大滝が入部した。そして3人目の部員を交えての練習が始まった。

 ランニング中に話をする。


「はぁ、はぁ、大滝はやっぱりセンターなんだよな?」


「ふー、そうだ」


「センターを確保できたのはデカいっスね!」


 俺たちが話しながら走っているのを見て、玉置先生は―――


「てめぇらぁ!喋りながら走ったんじゃねぇ!周回増やすぞこの野郎ぉ!!」


「「「す、すいません!」」」


 そんな様子を教室の窓から見ていた築村は―――


「早速、1人増やしたのか。こりゃちょっと期待できるか」


 体育館練習では3人で行うスリーメンが新しく練習メニューに加わった。スリーメンとはなんぞやと言う話。どこかで聞いたことあるニュアンスではないかな?そう。ツーメンである。スリーメンも大まかに説明すればツーメンの進化系のようなものであり、走りながら行うパス回しが3人に増えたというもの。ツーメンの時よりも1人増えているため、3人のタイミングを合わせることが難しくなる。


「このスリーメン、俺は苦手なんだよ…………」


 大滝が今にもぶっ倒れそうな危なげな声で言う。


「お前らぁ、このぐらいでへばっててどうするんだよぉ。全国の壁はまだまだ遠いなぁ」


 玉置先生は呆れながら言う。そして一通りの練習メニューをこなした後はフリーメニューとなる。そこでは自分が鍛えたいプレーを練習する。俺はスリー(3Pシュートの略)の練習を行う。


「その身体でよく打てるな」


 大滝が俺に驚く。


「身長が小さいとインサイドでのプレーは難しい。だから、せめてもの切り札としスリーは持っておこうと思ってさ」


「なるほどな」


「大滝はやっぱりダンク出来たりするのか?」


 ダンクとはダンクシュートのことであり、バスケと言えばの代名詞的なシュートであり、ボールを直接ゴールに叩き込むシュートである。


「見てろ」


 大滝はそう言ってドリブルを始めた。そして勢いをつけ、レイアップのように1、2と踏み込み飛び上がった。そのジャンプ力には目を見張るものがある。とても高い。俺の身長ぐらいは飛んだんじゃないかと思えるほどに高い。そしてボールをゴールに向かって叩き込む!のかと思いきや大滝は思いっきりボールをすかし、見事にダンクを失敗させた。そしてその勢いでゴロゴロと転がっていった。


「大丈夫っスか!?」


「ああ、問題ない………。見ての通り身長があってもダンクはなかなか出来ないもんだ」


「「「おっふ」」」


 俺、相田、玉置先生は同じ反応をした。そして体育館に寒い空気が流れ込んできた。人生初の生ダンクが見れるかと期待したが、それはお預けのようである。

 何はともあれ、頼もしい。少し不安は残ってしまったが、センターがメンバーに加わり、残り1人を加えれば築村との約束に到達できる。


「待ってろ築村」


大滝のダンクシュート失敗は作者の実体験が元になっています。そもそも今作の主役である藤崎綾二の身長163cmというのは、恥ずかしながら作者の本当の身長です。私が高校時代、身長180cmぐらいの元バスケ部の友達がいたのですが、当時163cmもなかった私でもバスケットゴールのネットに触る程度の跳躍力がありました。そこで素朴な疑問として私でもそこまでの跳躍力があるのなら、180cmの男ならもうダンクシュートできるんじゃないかと思ったんです。それでお願いしたらそもそもジャンプ力がなさ過ぎてダンクシュートどころではなかったというエピソードが元になっています。

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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