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籠球クインテット♪  作者: 千園参
第1章 Gahare and the beginning of everything.
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第15Q Special training

今のところいいペースで書けているので、このペースを維持できればいいのですが、きっとそれは難しいんだろうなと思いながらも、頑張りますので応援よろしくお願いします。

それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!!

 次の日、俺は体育館で朝練をすることにした。そこですることは変わらない。ジャンプシュートの練習である。最初はエアボールだったシュートも徐々にリングに当たるようになってきていた。


「もう少しで掴めそうなんだけどな……」


 時計を見ながら、時間ギリギリまでシュートを打ち続けた。

 そしてもうすぐ朝礼の時間なので着替えて、体育館を後にした。俺は気づかなかったけれど、俺の様子を玉置先生は影からずっと見ていたようであった。


「築村の覚醒と藤崎のジャンプシュートぉ。とりあえずぅ、うちが地区大会を勝ち上がるにはこの2本の線は濃くしておかないとなぁ。あとは大滝かぁ……」


 そう言って玉置先生も体育館を出た。


 その日の放課後―――大滝の猛特訓が始まり、リバウンドの練習を重点的に行っていた。俺はシュートを打ってリバウンドのシチュエーションになるように手伝っていたが、スパっ!スパっ!放つシュートはどれも綺麗にゴールに決まってしまう。


「藤崎ぃ!てめぇ、ふざけてんのかぁ!?大滝のリバウンド練習って俺言ったよなぁ!?全部決める馬鹿がどこにいるんだよぉ!!お前はダメだぁ。相田お前が打ってくれぇ」


 玉置先生が怒鳴る。


「す、すんません!」


「了解っス」


 大滝と相田が一緒に特訓している間に木山さんが声をかけてきた。


「藤崎、アンタ暇?」


「どうして?」


「練習手伝ってほしいんだけど」


「うん、いいよ」


 こうして俺と木山さんは1on1をすることになった。


「どっちが先に攻める?」


 俺が木山さんに尋ねると―――


「私から攻めるわ」


「オッケー」


 木山さんは即答した。どうやら木山さんはスモールフォワードとして1on1でどんな相手でも倒せる力をつけたいようであった。そして早速1on1が始まった。

 木山さんは鮮やかなフェイクを見せるが、俺はすぐに対応した。


「(抜けない……)」


 俺たちがそれぞれ特訓している頃、野梅大学の体育館では柳さんと築村が凄まじい1on1を展開していた。


「どうした?その程度かい?」


 そう言ってあさっり築村を抜き去ってしまう。そしてレイアップシュートを決めた。あの築村が手も足も出ないなんて正直驚きである。


「はぁ……はぁ……はぁ……くそっ!」


「なになに?もうギブアップ?」


 相変わらず柳さんはニコニコしていた。どことなく雰囲気は玉置先生に似ているのかもしれない。


「まだまだ!」


 次は築村のオフェンスとなるが、簡単に止められてしまう。


「玉置さんが随分買ってたから、どんなやつかと2日間、戦ってるが全然だな。今のところ見所ないよ君」


「んだと!?」


「悔しいならもっと死ぬ気でかかってこいよ!!」


 それからも2人の1on1は続いた。

 場面は戻り、賀晴高校体育館―――外は既に真っ暗になっていたが、そんなことも気にならない程、俺たちは練習に夢中になっていた。


「今日はここまでだなぁ。お前らぁ、モップかけて今日は終わりだぁ」


 玉置先生が俺たちに声をかけ、練習が終了した。しかし、俺は先生が帰ったことを見計らってシュート練習を続けた。練習中は木山さんの1on1に付き合っていて、自分の練習があまりできなかったので、居残りで練習をする。


「こんなんじゃダメだ……」


 ひたすらシュートを打ち続ける。未だジャンプシュートでシュートを決めることはできていない。リングに当たるようにはなってはきたものの、ゴールが決まらない以上、実戦で使えるレベルとは言えない。

 練習を続けて1時間程度が経過した頃―――


「なんかダムダム音が聞こえると思ったらぁ、やっぱりお前かぁ、藤崎ぃ!」


 玉置先生が体育館にやってきてしまった。


「げっ!玉置先生……」


「げっ!じゃねぇよぉ!とっとと帰れオラァ」


「すんません」


 俺は急いでボールを拾って片付けを始めた。


「忘れたくても忘れられねぇだろぉ」


 突然、玉置先生が口を開いた。


「え?」


「成旬高校との試合が頭から離れないぃ。違うかぁ?」


「………はい」


「まぁそうでなきゃここまで練習しねぇわなぁ」


「先生はどうして俺たちを怒らないんですか?」


「なんで俺がお前たちを怒る必要があるんだよぉ?お前たち逆に俺に怒られるようなことしたのかぁ?あぁ、さては窓ガラス割ったのはお前らかぁ!?」


「いや、それは俺たちじゃないです」


「そうかぁ。別に負けたっていいんだよぉ。次勝てばさぁ。お前らに一度も負けるな、なんて期待ははなからしてねぇよぉ。どんなチームだっていつかは負けるしぃ、勝つってのは意外と難しいんだよなこれがぁ。でもぉ、負けすぎると俺も怒るかもなぁ。だからぁ、次は勝とうぜぇ」


 そう言って玉置先生はニコリと笑った。


「親御さんも心配するから早く帰れぇ!」


「はい!」


 俺は荷物をまとめて体育館を後にした。


「俺にも会ったなぁ。悔しくて毎日のように隠れて練習してたっけなぁ……。青春だなぁ」


 玉置先生は思い出に浸りながら、体育館の鍵を閉めた。


 一方、築村は―――


「(全然勝てねぇ……)」


 体育館に横たわりながら、天井を見上げていた。


「(まだまだ俺には及ばないとはいえ、疲れているはずなのに回を増すごとに動きが良くなってきている。今後の成長が楽しみだな!)」


 横たわる築村を見ながら、柳さんは思ったのであった。

今回の大滝のリバウンド練習は私の実体験が元になっています。監督にリバウンド練習をするからお前がシュートを打ってやれと言われたので、シュートを打ったらこれが入る入る。監督も最初はすげぇ入るな!と笑ってくれていたのですが、何本も連続で決めるものだから、お前ふざけてんのか!!ってブチギレられました。そんな話が元になっています(笑)

というわけで、今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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