第15Q Special training
今のところいいペースで書けているので、このペースを維持できればいいのですが、きっとそれは難しいんだろうなと思いながらも、頑張りますので応援よろしくお願いします。
それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!!
次の日、俺は体育館で朝練をすることにした。そこですることは変わらない。ジャンプシュートの練習である。最初はエアボールだったシュートも徐々にリングに当たるようになってきていた。
「もう少しで掴めそうなんだけどな……」
時計を見ながら、時間ギリギリまでシュートを打ち続けた。
そしてもうすぐ朝礼の時間なので着替えて、体育館を後にした。俺は気づかなかったけれど、俺の様子を玉置先生は影からずっと見ていたようであった。
「築村の覚醒と藤崎のジャンプシュートぉ。とりあえずぅ、うちが地区大会を勝ち上がるにはこの2本の線は濃くしておかないとなぁ。あとは大滝かぁ……」
そう言って玉置先生も体育館を出た。
その日の放課後―――大滝の猛特訓が始まり、リバウンドの練習を重点的に行っていた。俺はシュートを打ってリバウンドのシチュエーションになるように手伝っていたが、スパっ!スパっ!放つシュートはどれも綺麗にゴールに決まってしまう。
「藤崎ぃ!てめぇ、ふざけてんのかぁ!?大滝のリバウンド練習って俺言ったよなぁ!?全部決める馬鹿がどこにいるんだよぉ!!お前はダメだぁ。相田お前が打ってくれぇ」
玉置先生が怒鳴る。
「す、すんません!」
「了解っス」
大滝と相田が一緒に特訓している間に木山さんが声をかけてきた。
「藤崎、アンタ暇?」
「どうして?」
「練習手伝ってほしいんだけど」
「うん、いいよ」
こうして俺と木山さんは1on1をすることになった。
「どっちが先に攻める?」
俺が木山さんに尋ねると―――
「私から攻めるわ」
「オッケー」
木山さんは即答した。どうやら木山さんはスモールフォワードとして1on1でどんな相手でも倒せる力をつけたいようであった。そして早速1on1が始まった。
木山さんは鮮やかなフェイクを見せるが、俺はすぐに対応した。
「(抜けない……)」
俺たちがそれぞれ特訓している頃、野梅大学の体育館では柳さんと築村が凄まじい1on1を展開していた。
「どうした?その程度かい?」
そう言ってあさっり築村を抜き去ってしまう。そしてレイアップシュートを決めた。あの築村が手も足も出ないなんて正直驚きである。
「はぁ……はぁ……はぁ……くそっ!」
「なになに?もうギブアップ?」
相変わらず柳さんはニコニコしていた。どことなく雰囲気は玉置先生に似ているのかもしれない。
「まだまだ!」
次は築村のオフェンスとなるが、簡単に止められてしまう。
「玉置さんが随分買ってたから、どんなやつかと2日間、戦ってるが全然だな。今のところ見所ないよ君」
「んだと!?」
「悔しいならもっと死ぬ気でかかってこいよ!!」
それからも2人の1on1は続いた。
場面は戻り、賀晴高校体育館―――外は既に真っ暗になっていたが、そんなことも気にならない程、俺たちは練習に夢中になっていた。
「今日はここまでだなぁ。お前らぁ、モップかけて今日は終わりだぁ」
玉置先生が俺たちに声をかけ、練習が終了した。しかし、俺は先生が帰ったことを見計らってシュート練習を続けた。練習中は木山さんの1on1に付き合っていて、自分の練習があまりできなかったので、居残りで練習をする。
「こんなんじゃダメだ……」
ひたすらシュートを打ち続ける。未だジャンプシュートでシュートを決めることはできていない。リングに当たるようにはなってはきたものの、ゴールが決まらない以上、実戦で使えるレベルとは言えない。
練習を続けて1時間程度が経過した頃―――
「なんかダムダム音が聞こえると思ったらぁ、やっぱりお前かぁ、藤崎ぃ!」
玉置先生が体育館にやってきてしまった。
「げっ!玉置先生……」
「げっ!じゃねぇよぉ!とっとと帰れオラァ」
「すんません」
俺は急いでボールを拾って片付けを始めた。
「忘れたくても忘れられねぇだろぉ」
突然、玉置先生が口を開いた。
「え?」
「成旬高校との試合が頭から離れないぃ。違うかぁ?」
「………はい」
「まぁそうでなきゃここまで練習しねぇわなぁ」
「先生はどうして俺たちを怒らないんですか?」
「なんで俺がお前たちを怒る必要があるんだよぉ?お前たち逆に俺に怒られるようなことしたのかぁ?あぁ、さては窓ガラス割ったのはお前らかぁ!?」
「いや、それは俺たちじゃないです」
「そうかぁ。別に負けたっていいんだよぉ。次勝てばさぁ。お前らに一度も負けるな、なんて期待ははなからしてねぇよぉ。どんなチームだっていつかは負けるしぃ、勝つってのは意外と難しいんだよなこれがぁ。でもぉ、負けすぎると俺も怒るかもなぁ。だからぁ、次は勝とうぜぇ」
そう言って玉置先生はニコリと笑った。
「親御さんも心配するから早く帰れぇ!」
「はい!」
俺は荷物をまとめて体育館を後にした。
「俺にも会ったなぁ。悔しくて毎日のように隠れて練習してたっけなぁ……。青春だなぁ」
玉置先生は思い出に浸りながら、体育館の鍵を閉めた。
一方、築村は―――
「(全然勝てねぇ……)」
体育館に横たわりながら、天井を見上げていた。
「(まだまだ俺には及ばないとはいえ、疲れているはずなのに回を増すごとに動きが良くなってきている。今後の成長が楽しみだな!)」
横たわる築村を見ながら、柳さんは思ったのであった。
今回の大滝のリバウンド練習は私の実体験が元になっています。監督にリバウンド練習をするからお前がシュートを打ってやれと言われたので、シュートを打ったらこれが入る入る。監督も最初はすげぇ入るな!と笑ってくれていたのですが、何本も連続で決めるものだから、お前ふざけてんのか!!ってブチギレられました。そんな話が元になっています(笑)
というわけで、今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!




