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籠球クインテット♪  作者: 千園参
第1章 Gahare and the beginning of everything.
14/58

第14Q Next Level

またしてもタイトルを変更してしまいました。

何度も何度も変えてしまってすいません。今度こそ三度目の正直で行かせてください!

よろしくお願いします!

それでは楽しんでいってください!!

 試合から2日後の月曜日―――いつもと変わらぬ日常が戻ってきた。俺が学校に向かっていると、後ろから声が聞こえてきた。


「藤崎君、おはよう」


 川端さんだった。


「おはよう」


「昨日の試合どうだったの?」


 川端さんは無邪気に聞いてきた。そのことを聞かれた俺は見てわかるほど、とてもテンションを落としたのだろう。俺が何も話さずとも川端さんは察してくれた。


「そっか。そういうこともあるよね……」


「なんか気を使わせちゃったみたいで、ごめん……」


「藤崎君が謝ることじゃないってば!悔しいのは頑張った証拠だね。その気持ち忘れちゃダメだよ?」


 俺は試合が終わってから悔しい気持ちをどうにか忘れて、次に備えようとしていた。しかし、彼女の考え方は俺とは違っていて、次に進むために決して忘れてはならないものだということを教えてくれた。


「ありがとう」


「いえいえ、どういたしまして」


 川端さんの言葉に説得力を感じるのは何故なのだろうか。彼女もそういう経験があるということなのだろうか。俺は少しだけ川端さんのことが気になり始めた。

 川端さんと分かれてからはいつも通り、授業を受けて、放課後になったら部活に行くといういつもの流れである。

 バスケット同好会には部室と呼べる部屋が存在しないため、体育館の横にある更衣室で着替えを済ませてから練習に入る。今日からはしばらく試合はないため、グラウンドの外周から始まるのだが、練習時間になっても築村は現れなかった。いつまで待っていても仕方ないので俺たちは4人で練習を始めることにした。

 来月にはインターハイ予選として地区大会が行われる。そこでは必ず勝ちたい。そのためにはこの間のような試合内容では全然ダメだ。俺たちは目標を地区大会に向けて、練習に励んだ。

 一方この頃、築村はというと、いつも練習している公園で自主練を行っていた。


「(俺はこんなところで止まってられない!どんな奴が相手でも負けるわけにはいかないんだ!)」


 築村は仲本さんを想像しながら、ドライブやシュートの練習を続けた。しかし、それでも1人の練習には限界があり、築村は行き詰まっていた。


「くそ!」


 勝つことができなかった怒りが、こみ上げていた。


 体力強化の練習を終え、体育館に入ると、この間の試合で感じた欠点をそれぞれ克服するための練習が行われた。

 俺はジャンプシュートの練習をしていた。成旬との試合でいくつかの失点の中には俺のシュートブロックが含まれている。背が低いため、シュートを打つとその上から、はたき落とされてしまう。低身長のプレーヤーが放つジャンピングシュートではやはり限界があり、ブロックされにくいシュートを打てるようにならなければならない。そのためには最高打点から放てるジャンプシュートの習得は必須と言える。しかし、なかなか上達はしない。スマホにアップされている動画などからも情報を得て、練習を繰り返した。

 練習をしていると玉置先生が遅れて体育館に入ってきた。


「悪いぃ悪いぃ、遅くなったなぁ。築村は来てないのかぁ?」


「来てないっス。どうしちゃったんスかね?」


「あぁ、アイツはアイツで練習してんだろうぅ」


 玉置先生はそう言いながら、今日の昼休みに築村に話したことを思い出していた。


「築村ぁ!おいぃ!無視すんなよぉ」


 玉置先生は築村の肩を掴む。


「なんだよ」


「この前の試合で思ったことがあってなぁ。俺ではお前にバスケを教えるほどの技量がねぇからなぁ、だから、代わりにお前の練習相手を用意しておいたんだぁ」


「なんだと?余計なお世話だ!」


「まぁまぁそう言うなってぇ。気が向いたらここに行けぇ」


 玉置先生はそう言って築村にとある場所の住所が書かれた紙を渡した。


「この先ぃ、このチームが勝ち上がっていくにはお前の覚醒は必要不可欠だぁ。頼んだぜぇ」


 玉置先生は我に返った。


「ようしぃ!練習を続けろぉ!」


「「「「はい」」」」


 俺たちは練習を再開した。

 その頃、築村は住所の書かれた紙を頼りに、野梅大学へと足を運んでいた。紙には大学の体育館に行けと書かれていたので、そこへと向かう。体育館の扉を開けると、そこには1人の男が立っていた。


「おっ!来たなー!君が築村溱くんだね?」


「そうだけど、アンタは?」


「俺は柳大吾だ。これからお前の特訓相手を務める。よろしくな。それにしてもお前、玉置さんが言ってた通り目が血走ってんなー。力に飢えた獣ってのはマジだなー」


 柳さんは笑いながら言った。


「(力に飢えた獣ってあのおっさん俺のことなんだと思ってんだよ)」


 築村は心の中でそう思った。


「ハクション!!さてはぁ、誰か可愛い女の子が俺の噂をしているなぁ?」


 玉置先生がキリッとした顔で体育館の外に目を向ける。


「前置きはこれぐらいにして、そろそろ早速始めるか」


 柳さんはバッシュ(バスケットシューズの略)の紐を締め直して言う。さっきまでニコニコと笑っていた柳さんの顔が真剣なものとなり、体育館に緊張が走り抜けた。


「(なんて圧力だ……。直感的にわかる。この人は相当強い!!)」


 築村も練習着に着替え、バッシュを履いて体勢を整えた。


「いい面構えだな!んじゃいくぞ!!」


 柳さんは築村に1on1を仕掛けた。

 この日、地区大会に向けて俺たちは気持ちを新たに走り始めた。

試合ってどんな気持ちで挑んでも負けると不思議と悔しいものなんですよね。負けた後の描写をリアルに描きたいなと思ったのですが、なんか微妙なような気もしますね。これから5人がどうやって全国を制覇するのか乞うご期待!

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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