腰痛
その痛みは、不意に襲ってきた。
バキッという音が頭の中で響いた途端、腰に激痛が走る。
その場に倒れこむと、うめくことしかできない俺に、職場の周りの人らは大慌てだ。
救急車を呼んでもらい、病院へと救急搬送される。
「ぎっくり腰ですね。1週間は安静にしてください」
病院で診断を受けると、あっさりと医者は言った。
「1週間ですか」
それだけあれば、どれだけの仕事が片付くだろう。
考えただけでも、心配になる。
「ええ。1週間は自宅での勤務にするか、あるいは入院してください。どちらを選ばれるかはあなた次第ではありますが」
「家に戻って安静にしておきます」
決めるのはそちらだけだ。
ここからだと仕事ができないだろう。
でも、家からならどうにかなるかもしれない。
そう思ったからだ。
「では、コルセットをお渡しします。看護師から使い方のレクチャーを受けてください」
医者はそれだけいうと、すぐに別のところへと向かう。
流れ作業みたいだな、と思いながらも、俺はそのコルセットの使い方を教えてもらった。