94話 天井の黒い川
見ている時は、なぜ「不思議」とか「恐怖」とか感じなかったのだろう。
ただ、その存在を受け入れていた。
中学、高校生と居た家で特に不思議にも思わず見続けていた。
深夜の天井。
暗い天井よりも尚黒い点描で流れる川。
ゆっくりと蛇行している。
まっくろくろすけ?
黒い天井に黒い点々の大群のゆったりとした流れが天井にある。
ナンだったのだろう?
その時はTVの砂嵐のような、耳鳴りのような、気圧が耳にかかるような、音とも圧ともつかないものが鳴っていた。
その部屋では普通に何度も見た。
成人してから職場の休憩時間に一緒に働いていた子が言った。
「そーいえば、夜の部屋の天井にさぁ、黒い点の沢山集まった流れができるんだよね」
ソレを聞き、初めて自分も同じものを見続けていたと思い出した。
その部屋でしか見なかった。
でも、同じものを見ている人がいた。
初めて奇妙なものだったと気づいた。
後に、「自分も見た」と言ってきた人が居た。
つまり、それなりに「たまにはある現象」なのだろう。
ならば、霊感のある人に聞きたい。
「アレは何ですか?」




