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あやし百話  作者: くろたえ


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74話 アンテナ

霊感があると言っても、得意なものとそうでないものがあるようだ。

友人の霊感のある人を比較してみた。


一人目。

家電を止めたり、風の人(精霊なのかな)とお話できちゃう人。

サイコトメリーの力もありそう。物の気持ちや過去の物語を垣間見れる。

予言もしちゃいます。

でも力が不安定なのか、状況が不安定なのか不明だが、時折


「今が、どの時代で、私は誰だか判らない!」


と混乱することもあった。

今は占いを勉強中。


二人目

霊感はあるけれど、後ろの人に幽霊を見ないようにさせられている人。

この人は、妖怪とも親しいかも?

まっくろくろすけに似たものが、首に輪に連なって「ジシン ジシン」と予言したらしいが、場所も時間も分からないと言っていた。

結局、外国の地震の事だったらしい。

他にも、ボタンを上から落としてくる妖怪が居るそうだ。

部屋に入る。部屋の中央にボタンが落ちる。それが何度もあると。



三人目

昔、親しくさせてもらっていた人は幽霊へのアンテナが超敏感。

疫病神のような物や生霊も見えていたので「念」に対してなのだろうか。


その人に昔からの疑問をぶつける。


「幽霊って、良いのと悪いの分かるもの?」


答えは意外だった。


悪いのは分かる。

人としての姿から離れれば離れるほど、自分の事しか考えてない。

「悪意」はなくても、苦しくて、誰かに助けてほしいと縋りつく。

水で溺れた人が救助の人に無我夢中にしがみ付いて、一緒に溺れちゃう感じ。


でも、良いのは分からない。


よく先祖が守護霊になっていると聞くが、先祖の方が平気で子孫を殺す。

例えば、墓が痛んでいたとする。

すると、家長の家族を殺し、墓を綺麗にさせたのを知っている。

父親の酒乱を諌めるために娘を事故で植物状態にした。


死んでしまうと血の流れとしか見ずに、個々を大事にしなくなる。


よく穏やかな顔をして張り付いていれば守護霊というが、幽霊は自分の主張を通すためなら嘘もつくし、ちょっと見えるくらいの人なら逆に騙される。


守護霊とされていても、簡単に姿を現すのは本当は自分が与える影響が面白くて、結局は人を支配しようとしている。


かなりショックで


「なら守護霊っていないの?」


と聞くと

本当に守ろうとしているのなら、人としての考えも姿も無く純粋な光のようで、見えない場所に居ると思う。

見える守護霊は、純粋な善でなく人としての我が残っているから間違ったり自分の意見を通そうとしたりする場合もある。


だ、そう。



その人に、とっておきの悪意の幽霊を教えてもらった。


後ろに憑いていても、前に憑いていても同じ。






純粋な悪霊は顔を覗き込んでいる。 


確かに目を合わせちゃダメとか聞いたことがある。


しかし、良い話し方だった。


鳥肌が立ったよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 家で一人で読んでいました。 仕事の休憩に読んでいたんですよ。 無言で。音読はしていません(そりゃそうか) で、最後の一行を読んだ途端 「ぎゃーーーーーー!!」 とおそらくこの連載で初めて…
[良い点] 今回の話は超こわいですね……! 中盤からゾクゾクきっぱなしでした。 夜中に読むんじゃなかった……orz
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