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あやし百話  作者: くろたえ


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72話 神様ご不在

引っ越したりすると近所の神社を探して、挨拶するようにしています。

神社には、お願いではなく挨拶だけです。


引っ越して、自転車で30分ほど離れた大神宮にお参りするのが大変だったので、近所の土地神様を探して、家から一番近い神社に行ってきた。



グーグルマップを手にそこまで行くと、前は何度か通ったにも関わらず、記憶にも残らなかった小さな、雑居ビルの間のこじんまりとした神社だった。

「祖霊神社」

お祀りしているのは

天照皇大神

天神地祇八百万神

天祖三神

大国主神

産土大神

皇零神

であるが、これはネットで調べた情報であって、神社には大国主命と産土大神だった。

これらは、オーソドックスな神様の名前である。

しかし、オーソドックスではあるが、別の土地神様に無理やり名前を付け替えてお祀りされている場合も多い。


そして、名前を被せても、その神様が変わらない事がある。

その時に使うのが、天神地祇八百万神てんじんちぎやおろずのかみの名である。


つまりは、ここの神社は地を守り楔とする御柱ではなく、地の荒ぶる何かを鎮めるための神社だったのだ。


知らずに行ってしまった。


まあ、近所の者です。

お見知りおきを。くらいの挨拶で。


参拝したら、真新しく奇麗であるが、まず、手水舎の水が枯れている。

ひしゃくすら置いていない。

そして、社務所は閉まっている。


挨拶だけだから~と自分に言い聞かせ、お参りを続行する。


しかし、社殿が閉まっている。

賽銭箱も、鈴も、ガラスの扉の向こうである。


そこまできて、初めて気づいた。


「あ、10月じゃん」


神無月である。

ここまで、徹底して参拝を断っている神社も少ないと思うけれどな。

まあ、仕方ないので、神様ご不在だとしても、神様にお仕えするモノは存在しているはずなので、住所どこどこの、数え幾つになる〇〇です。

遅くなりましたが、ご挨拶に参りました。

また参ります~。

と軽く参拝して帰った。


翌朝、主人が妙な夢を見たと言ってきた。


なんでも、小さなお地蔵様の様なものがワラワラと出てきて、鬱陶しかったので、蹴散らしたとの事。

ご利益を逃したのか、不運を蹴散らしてくれたのかは不明。


しかし、夢の中でさえ、地蔵様という神様の御姿を蹴散らす夫の暴君ぶりに唖然。


ちなみに主人は神社に行くのが嫌いだ。

なぜなら、祀られている御祀神からケンカを売られるとそうだ。

「出ていけ」と圧をかけられるとの事。


無駄な争いはしたくないから、神社には行かない。

神社好きの私と同行する場合は、気配を消しているそうだ。


私は、今回の参拝では何も起こらなかったが、結構神社から瑞兆をもらっている。

雨がやんだり、逆に雨が降ったり、参道で生き物が傍によって来たり。

参拝中には神風を感じたり、温かい空気に包まれたりと。

まあ、身ぎれいにしてから、参拝には祝詞をあげるしな。


それは、置いておいて、神無月が過ぎた今、そろそろまた挨拶に行った方がいいのかな?と思案中。


また、夫が地蔵さんを蹴散らしたら、怒らしてしまいそうだ。

少し迷っている。


蹴るなよと主人に言っても、夢の中でも根っからの戦闘民族である。

無意識下でも暴挙に出そうである。


荒ぶる神様を内包してそうな神社である。

少し、こことのお付き合いは控えようかとも思っている。



北海道は、開拓地である理由からか飼い慣らせない何かを神様と祭り上げて、鎮められている存在が多いようだ。


それを聞いた友人に、我の夢に出れば良かったのに。とありましたが、アンテナがポンコツなんですよ。

多分、我に接触しようとして主人が拾ってしまったのだと思います。

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