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あやし百話  作者: くろたえ


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45話 窓の外

初めて就職した職場は、過酷でサービス残業で終電で帰る。という生活を続けていた。


疲れていたところに、やっと寝れると思っていたところで出会った怪現象には、純粋な怒りしか湧かなかった。

社会人になってからの独り暮らしの部屋で。


終電で帰り、疲れ切って帰宅した。


いつも、朝日が入るように遮光カーテンは開けて、レースのカーテンを閉めて寝ていた。


真っ暗な部屋の入口で立ち尽くす。

外の灯りがレースのカーテン越しに入る。


外からの光で張り付いている人影が浮き上がっていた。


腰窓に、長い足と手を広げ張り付いている。

頭が中央にあるのはカーテンの隙間からコチラを覗こうとしているのか。


部屋の電気を点ける。


人影が消えた。

カーテンを開けても姿は見えない。


窓を開ける気にはなれなかった。


部屋の入り口に戻り、再度電気を消す。


また現れる。


電気を点ける。電気を消す。現れる。

電気を点ける。消す。現れる。



その時、かなり気持ちが荒んでいたのだと思う。


ふつふつと怒りが湧き上がった。


拳を固めて影の頭の辺りの窓を殴りつける。

殴り続ける。


ホント、ガラスが中に針金入っている丈夫なのでヨカッタヨ。


殴って、怒鳴って、怒鳴って、殴って。        


どれくらいたったか。



肩で息しながら、少し我に返って電気を消してみる。





消えた。



最後に電気を消し、あの妙な手足の長い人影が消えた時は、妙な達成感で、その後はよく眠れた。


しかし、気分的に遮光カーテンも閉め、真ん中に隙間が空かないように、洗濯ばさみで閉じることを必要とした。

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