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44話 窓辺で
その部屋の窓は一間あり、部屋を明るく広く感じさせてくれていた。
そして、不用心ではあったが、そのベランダの窓は、いつも開けっ放しだった。
夏で、窓もカーテンも開けて寝ていた。
ベランダの大きな窓の外に男の子が立っていた。
窓の開けている上下半分のところに頭があって、へりに手をかけてコチラを覗き込んでいる。
夢だろうしと、眠かったので放っておいた。
数日後の夜。
部屋の隅に男の子が立っていた。
布団から飛び起きて
「こらっ!勝手に入るな!!!」
と怒鳴ると、一瞬で消え、バタバタと足音がして、バン!と大きな音をさせ、壁にぶつかって?出ていった。
布団から上半身を起こし、幽霊も、壁という物理的なものにぶつかるのか?
と不思議に思った。
後々思い返すと、ベランダを男の子が、開いているほうの窓に近づいている夢を見た気がした。
覗き込んでいる時少し屈むように覗いて、窓の半分くらいだったので身長は120センチ位かな。




