43話 枕元での安眠妨害
金縛りというのは身体は寝ていて、脳が誤作動で起きてしまった時だと聞いたことがある。
でも、どちらにせよ、身体が動かないなかで、何かが存在を示しているのが怖いのである。
安眠妨害をいくつか。
眠っている頭の上に男の子が正座をしている。
頭頂部に男の子の膝を感じる。
男の子は、顔を覗き込みながら
「あのね・・・なんだよ。それでね~~で、・・・・っていうんだ~」
と結構長い時間、一方的に話される。
その時我は、金縛りに匹敵する睡眠欲求に身を委ねて動けなかった。
動けないというか、動きたくないほど眠いって感じ。
子供の頃いた親戚の家で。
広縁に布団を敷いて寝ていた。
頭をいじられて目が覚めた。
細い棒で頭に字を書かれているよう。
起きて見ると、少し離れたところに座り込んでいる、ツルが首をいっぱいに伸ばしていた。
どうやら嘴で頭をまさぐっていたようだ。
ツルも驚いたようで、
「クッ!」
と鳴いて消えた。
なんで鶴?
引っ越したばかりのアパートで、夜に金縛りに逢った。
動けない顔に風が当たる。
緩急つけてパサ。パサ。と。
想像してみた。
①幽霊が顔を覗き込んで、手で扇いでいる
②風をおこせる生き物が、顔の傍にいる(コウモリ?巨大なゴキブリ?)
③金縛りで苦しんでいる自分の手が、ぱさりぱさりと扇いでいる
イチバン怖いのは断然③!
「エイリアンハンドはジム・キャリー!!!」
心の中で悲鳴をあげてました。
ふとした瞬間に金縛りが解け、
「うおりゃーー!」
気合を入れて起き上がり電気を点けて、周囲の確認するが何もなし。
白黒がそんなに、はっきりコントラストがなかったのと目の上が少しだけ赤かったので、鶴はたぶんナベヅルだ。




