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14話 通りすがりの人 1
人混みが交差するような場所で、たまたま隣をすれ違う人が何か背負っているのが見えることがある。
ある日の夕方、前から小柄のおじいさん。
どこかで小さな、ガシャンガシャンと工事?工場?の音?
音が大きくなる。
我と同じくらいの背しかない、おじいさんが通り過ぎる一瞬。
おじいさんの肩から上に大きな機械が回っていた。
歯車がつながり上下に動き、ガシャンガシャンと大きな四角をついている。
…何かをプレスする機械だろうか?
機械の回る音はおじいさんと通り過ぎた時、小さくならずにプツリと消えた。
重くないかしら?
うるさくないかしら?
たとえ、物質的に在る物ではないとしても。
何かを背負ったのもを見るとは、実際の人生で、その人物が背負っているものなのだろう。
と、勝手に解釈している。