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救い
世界が傾いている。と、神々が慌ただしく動き出した。
いつもは、のんびりと暮している神々が。
僕は驚いて、「下」の世界を覗き見た。
すると……
そこは、半分程度が母さんに焼き尽くされ、破壊し尽くされた世界になっていた。
僕は必死に「母さん」を探す。
空からでも見える焼け野原。感じる、死の匂い。
母さんは、どこ?
ここにもいない。あるのは命が感じられないものたち。
あそこでもない。
僕は必死に目を動かす。
丸い世界を尖らせているところを探す。
!!
……いた。
少しして、「母さん」を見つけた。
……人をゴミのように……魔獣は羽虫を叩くが如く殺している。
でも、その目には何も映っていなくて。
なのに、体は魔女として綺麗なままで。
母さん!
気がついたときには、羽を広げて降下していた。
−−−「救い」。




