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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

輝きのそばに影はある

作者: 杵島 鵜月

 カップ麺が焼きそばだった場合、お湯を切ってる間に20秒くらい経過するよね。

 拝啓神様、自分は前世で何かこう、ヤバい事をしでかしたか?

原稿用紙3枚分の理由(いい訳)を聞かせてくれ。

目前の光景・・・勇者の魅了効果(ハーレム)を見てそう思わずには居られない。

女性だけかと思ったら男性もだった・・・なんてこった。

 自ら打倒魔王のパーティ組むとかで冒険者ギルドの扉を開けた瞬間に黄色い悲鳴に混じって野太い悲鳴があがったんだぞ怖い。恐怖でしかない。

目眩がしたあげく、ついでに喪女で腐女子だった前世を思い出した。腐女子は余計だ。純粋さを返せ。ある意味純粋だったけどな!じゃかしぃわ。

 勇者の名前はヴェンルッツ・ハヴェスティ。末の王子だったりする。

どういうわけか存在が薄く、神託が降りた瞬間に存在感が一気に増した。なんで。

年齢は16歳。ウルフカットの金髪がキラッキラッ輝いてらぁ。

装備はここら辺だとまぁまぁ良いやつ。他の都市に行ったら新調するようにしたんだろうなぁ。

ちゃんとわかってる辺り偉いぞ王子。いや、周りから言われてそうだけど。最初から強いもの身につけると逆に振り回されて早死にしそうだもんね。


 まぁ、初期勇者のパーティと言えば本人(近戦)と魔法使い(後援)と弓使い(遠戦)あたりかな。

冒険していく中で絆と強さを深めていくし、それなりに見目が良い子とかが選ばれるだろうな。見映えがいいと力も増して見えるから。

 頑張って世界を救ってくれよ!

 って思ったのが小一時間前さ。

今、遠い目をしていると思う。

だってさ、勇者が目の前に来て「どうか、一緒に魔王を倒してほしい」とか某櫻とか某緑系の爽やかボイスで言い放ちやがりましたのよ。


 「……どうして俺に言うんだ。」


 どう聞いても不機嫌な低音ボイスと目を合せないように深く被った黒いフードにちょっぴりごつめなアサルト装備。

身長は勇者よりも高め。まぁ、とどのつまり喪女は今世、男だったりする。

 そんでもって職業は一族特有職業(ユニークジョブ)暗殺者(アサシン)

まぁ、見せなきゃわからないから見せないし口でも教えない。

けど、職業特有の【魅了耐性《強》】のスキルがあって良かったと思う。

潜入先で相手に魅了されたらもとの子もない。

だから魅了持ちのモンスターを飼って小さい頃から耐えられるようにする。

毒にも多少なりとも耐性があるのは毒を食事に混ぜて耐性を物理で上げているからで、とまぁめんどくさい家に生まれたなぁ。


 「ざっと見渡した限り、貴方が一番冷静だったからです。」


 まぁね?伊達に遠目から見てませんよ。

生まれたときから今日までずっと見てましたよ。実は専属の護衛ですし。慣れってやつです。

いやー慣れって恐ろしいって言うけど今はありがたみが強い。


 「生憎だが、俺はパーティだの組むのは苦手なんだ。誘いは断らせてもらう。」


 ソロの方が気楽だし。と内心で本音を呟いてクエストカウンターに向かう。

受注しに来たのをうっかり忘れるところだった。

忘れてたら報償とか道中の宿代とかこっち持ちになる所だったわ。

王様もめんどくさいことをするなぁ、あぁ、でもこれ受注すると怪しまれずに行けるのか。


【勇者の道中補助】のクエスト用紙を懐から取り出してカウンターに置く。


 「若いのに大変じゃのう」


 初老の男性がそう声をかけてきた。

こんなところでなにしてるんですか、機密クエストだからですか。そうですか。


 「まぁ、俺は見守るだけですからね。いやー成長を丁寧に書いて送りますよ」


 後ろから真っ直ぐこちらを見てくる視線は総無視で。

でもあれだ、なんか嬉しそうな雰囲気流れてきてるからこの事バレてんじゃねぇの?

……支障なけりゃ良いなぁとずぅっと昔、ミスって王子の前に姿を晒した過去を思い出した。

約束は所詮、子供の約束だったし忘れてて欲しいなぁ。

読んでくださりありがとうございました!!


前はプラスチックの蓋に穴が開いてて底からお湯切りしてシンクにぶちまけたけど最近のはラベル蓋だからぶちまける心配が無くて、SNSでよく見るぶちまけ画像が「最近の中高生は知らない」に分類されていくのがほんのちょっぴり歳を実感させて胸に刺さります。

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