コミカライズ63話 先読み公開告知SS
コミックアース・スターさんにてコミカライズ63話の先読み公開です!
この日ユンボはもみくちゃにされていた。
それはもうもみくちゃにされていた。
マーハティ領、メーアバダルから見て隣領であるそこは、かつてユンボが暮らしていた場所でもあり、あえて取材をする必要もなかったのかもしれないが、エルダンが様々な改革を進め、ジュウハも加わってあれこれと手を加えたマーハティはかつてのそれとは別物となっているらしい。
以前とは全く違い賑やかで華やかで……その辺りの確認のためにユンボは、エリーの商隊に交ざる形でマーハティ領にやってきていた。
ユンボがマーハティに向かうことは事前にエルダンに通達されていて……商隊がマーハティの街、メラーンガルに入った瞬間、エルダンによる盛大な……盛大過ぎる歓迎パレードが開催されて、ユンボはあっという間にエルダン達に囲まれてもみくちゃにされたのだった。
エルダンを始めとしたコミックのファンもいれば、以前マーハティ領にいた時に遊んだりしていた友人の姿もある。
黄色いクチバシを構えた青い羽毛の鳥人族を中心としたその友人達は、ただただユンボを構いたいだけだが、エルダンを始めとしたファン達はユンボと触れ合いたい、色々と話したいと興奮気味で……前者は距離が近いがゆえの容赦のなさで、後者は興奮がゆえの遠慮のなさでユンボをもみくちゃにしていく。
そしてその状態のまま、エルダンの屋敷まで続いているパレードをを歩いていくことになり……さっさと避難して大通りの端を歩いているエリー達へと恨みがましい視線を送りながらユンボは、もみくちゃにされながら屋敷へと移動していく。
そうやって屋敷に入って客間へと向かうと、取材ということを理解しているのだろう、ディアス達が食べたと話していた料理と同じものが用意されていて……料理の側に控えていた使用人達がそれぞれどんな料理かを説明してくれる。
それらはとても豪華な料理に見えた、少し話を盛ってしまっているのでは? と、思っていたディアス達の話が大げさではなかったのだとも理解が出来る。
説明を受けながら食べて、とても美味しいと思える味なのだが……少し物足りないように思う自分もいる。
アルナー独自の味が感じられない、薬草多めのスープの味もしない。
苦く渋く、時には味よりも効能を優先することもあるアルナーの料理は、味にあまり頓着しないディアス以外には不評なこともあり、ユンボも苦手としていたのだが、しかしいざ離れてみると妙に懐かしい気分にもなる。
まだメーアバダルを離れて数日しか経っていないのだが……と、メーアバダルに里心がついているということに驚きながらも嬉しく思ったユンボは、鼻を指でこすりながらマーハティの料理を楽しんでいく。
……結果から言ってしまうと、豪勢な歓待が続いた数日後にはマーハティの料理に慣れきってしまい、これこそ故郷の味なんてことを言い出してしまうのだが、それはそれ……ユンボはまだまだ続く歓待の料理とパーティを、思う存分堪能していくのだった。
お読みいただきありがとうございました。
ここからはマーハティ領編となります!






