コミカライズ62話 公開告知SS
先読み公開という今までとは少し違う形ですが、公開されました!
普段は行商に出ているセキ・サク・アオイの三兄弟。
行商先である獣人国は彼らにとっての故郷であり、住み慣れた場所であり、行商に出ている方が楽なのでは? と、思ったりもするのだけども、それでもイルク村に帰ってくると心も体も休まるようで、彼らにとっての家はここであるらしい。
そんな三兄弟のユルトは普段は無人というか、ほぼ使われていないのだが、だからと言ってそのままに出来るものではなく、定期的に村の誰かによる掃除が行われている。
三兄弟もそのことは承知していて、特には問題になっていないのだが……思春期である彼らのユルトを無遠慮に扱ってしまうのも問題があるだろうということで、その掃除を担当するのは、三人がOKを出した人物だけとなっている。
まずは婆さん達。
婆さん達になら中に入られても問題ないと考えているのだろう……基本的には婆さん達の誰かが行っている。
婆さん達の手が回らない時は、婦人会の中の数人……婦人会の中でも年上の何人かがやることになっていて……それ以外には三兄弟がOKを出した人物、アルナーやエリー辺りが掃除を行うこともある。
そういった女性達の他にも掃除の許可を得ている者がいて……それがゴルディアだった。
私と一緒に孤児達をまとめ上げていた経験からか、面倒見が良く、年頃の少年達のあれこれにも詳しく、何度も何度も色々な対応をしてきただけあって、色々なことに気が利く。
三兄弟もそんなゴルディアには心を許しているようで……村に帰ってきた時には酒場でゴルディアと仲良く喋っている光景なんかもよく見かける。
私ではなくゴルディアなのは、流石に領主にそういったことをさせるのは……という思いがあるからのようで、まぁそれも仕方のないことなのだろう。
……なんだかんだ村の中の掃除をしたり、厠や井戸なんかも私が掃除していたりするのだけども、まぁ、うん、こういうのは本人達の気持ちが大切だから、仕方のないことなのだろう。
そしてそんな三兄弟は今、村に帰ってきた所を、掃除をしてくれたゴルディアに捕縛されての大説教を食らっている。
その理由は……ユルトの中に金貨を隠していたから。
と、言っても行商の売上を抜いていたとか、そういう話ではない、その金貨は三兄弟に与えられた正当な報酬だ。
正当な報酬なのだけど、無人のユルトに金貨を隠しておくとは何事だと、そういった方向での説教を受けていた。
盗まれたらどうするんだとか、そこにあると知られたらユルトの中が荒らされるだろうとか、貯金をしたいなら私やエリー、ゴルディアに預ければ良いだろうとか、そんな説教だ。
まぁ、イルク村にそんなことをする人はいないとは思うが、だからと言って無防備過ぎるのも問題で、説教されるのも仕方のないことなのだろう。
それに対する言い訳というか、三人の言い分としては誰にも知られずにこっそり大金を溜め込んでおきたかった……とのことだが、流石に分が悪いというか、言い訳にもなっておらず、ゴルディアの説教が加速していく。
そうして説教の果てに、
「どぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁ!」
と、声を上げるゴルディアによる、
三兄弟への鍛錬が開始となる。
組み合って相手を押し返したら勝ち……というものだが、体格と腕力で勝るゴルディアが相手では、三人掛かりでも勝つのは難しく……
「ご、ごめんなさ~~~い!」
「もうしません!!」
「ほんとすいませんっした!!」
なんて声を上げながらセキ、サク、アオイ達は、全力のゴルディアに振り回され続けるのだった。
お読み頂きありがとうございました。
三兄弟初登場回となります!






