コミカライズ57話 公開予告SS
本日18時頃、コミックアース・スターさんで公開予定です
この日ユンボは、机を前にして頭を抱えていた。
その理由はこれから描くコミックにあり……若い頃のディアスが上手く描けなかったのだ。
何しろ若い頃のディアスがどんな様子だったのか、当人が全く覚えていない。
自分の容姿に無頓着で、鏡などを見ることなく、10年前でも20年前でも同じ容姿をしていた、なんてことを言ってしまう始末だ。
ならばとモントやジョー、ロルカやリヤンなど戦争の際に長く一緒に過ごした者達に話を聞いてみたのだが、彼らもまたディアスの容姿にそこまで頓着しておらず……今と変わらないと答えるものが多かった。
もちろんそうではない者もいて、かなり違ったとか、若々しかったとか、そんなことを言う者もいたが……では具体的にどうだったかと言われると覚えていない様子で、なんとか証言を引き出してみても、明らかに最近のディアスに引っ張られた特徴しか出てこず……何の参考にもならなかった。
他にも無駄に理想化して、美男子過ぎる特徴を上げてみたり、しっかりと覚えてはいるが、それをどう表現したら良いのか分からない者がいてみたり……参考になる意見が出てくることはなかった。
ならばと想像でもって描いてみるが……何故だか美男子が出来上がってしまう。
いや、実際ディアスはそれなりに整った顔立ちをしていて、美男子になり得る存在ではあるのだが、どうにもおかしな具合に出来上がってしまう。
そもそも今のディアスはサンジーバニーの効果で少し若返ってしまっている。
はっきりとではないが、なんらかの病気が影響していたらしい、ちょっとした肌の荒れやたるみ、シワなどがなくなっていて……とても健康的な顔をしている。
そんな状態のディアスから過去のディアスを想像しろと言うのも困ったもので……結果、どうするのがベストなのか分からず、ユンボは頭を抱えてしまっていた。
挙句の果てに、
「うーん、もう少し目がキリッとしていたような……いや、今でもキリッとしてますけど、昔はもうちょっと違った気がするんですよ。
やっぱり戦場っていう特殊な環境が影響していたっていうか、あの空気がディアス様を特別な存在に仕上げていたっていうか……。
……顎かな? 顎がもっとスラッとしてたのかな、多分……いや、頬かもしれないなぁ」
顎骨や頬骨が十数年やそこらで変形してたまるか!
なんてことを思いながらもユンボは何も言わず頭を抱える。
何故クラウスがここにいるのか、関所には話が行かないよう気をつけていたのに、何故ここまで来てしまったのか……そもそも関所の仕事はどうしたというのか。
全く面倒くさい野郎に絡まれてしまったぞと、そんなことを内心で吐き捨てたユンボは、仕方無しにクラウスが言う所の昔のディアスを、かなり適当な形で……クラウスが満足するまで描き続けるのだった。
お読み頂きありがとうございました。
今回から過去編、あのお話が始まります!
ちなみにですが、ニコニコでの公開予定がどうなってるかは謎で、追々なんらかの告知か更新がある……はずです?






