コミカライズ54話 公開予告SS
本日18時ころ、コミックアース・スターさんにて公開予定です
それはある日の夢。
何台もの風車がくるくると回り、見たことのない建物がいくつもあり……広い畑や牧草地があって、木々も生えていて。
それだけでイルク村では……この草原ではないなと分かるのだけども、地形や北に見える山はいつも見ているもので……見覚えのある川も流れている。
そんな不思議な場所には、たくさんのメーアや白ギー、馬達がいて、不思議な馬車が何台も何台も行き交っていて……とても穏やかな時間が流れている。
そこに住まう人々は犬人族や人間族で……誰もがなんとも幸せそうな顔をしている。
平和で豊かで……時たま武器なのか、おかしな筒を背負っている者もいるが、それを使うことはなさそうだ。
まさに夢といった感じのその世界には、どこかで見たことあるような2人の女性がいて……その世界の人々は、その女性達のことを特別視しているようで、見かければ誰でも声をかけるし、その女性達が何かお願いをしたなら、誰もがそれを聞き入れ、そのために動き始める。
指導者……なのだろうか。
何か特別な存在であることは確からしく、周囲の人々は敬意を持って接し……女性達は柔らかな笑みを返している。
そんな女性達はどこかを目指して歩いているようで……数え切れない程のメーアを連れながら向かった先は……不思議な横長な建物だった。
それほど高くなく大きくなく……人が中に入ったり住んだりするには不向きな大きさをしているような気がするが、それでも人が次々に出入りをしている。
一体何人そこのいるのかと思う程だが……よく見てみるとその建物は入口は立派だが、その先は作りが雑というか何というか……壁がなかったり、変に地面が区切られていたりと、おかしな作りをしている。
おかしな作りをしている上にその建物から左右に、鉄のはしごのようなものが長く……長く長く、どこまでも伸びていて……いや、あれは確か見たことがあるな、鉱山で使われているトロッコのための道だったか。
そうするとここはトロッコが移動するための場所なのかと、そんなことを考えていると凄まじい音と振動が近付いてきて……そして馬に引かれていない鉄の大きな馬車……のようなものがやってくる。
トロッコと同じ仕組みで動いているのか、それとも別の仕組みで動いているのか、その馬車にはいくつもの荷台が連結されていて……人が乗るための場所や、メーアが乗るための場所なんかも用意されていて、何十何百という人が乗れるようになっているようだ。
それに女性達が乗り込むと、少ししてから動き出し……凄まじい速さで移動し、あっという間に遠方……マーハティ領に良く似た場所や、獣人国を思わせる場所なんかに到着する。
なんとも凄まじい乗り物があったものだと感心していると、どこかで止まったそれから女性達が下りて……その際、モヤのようにぼやけていた女性の顔がはっきり見えて、その顔はセナイとアイハンにそっくりで、一体これはと、そう考えた瞬間。
目が覚め……眩しい朝日が一気に視界を埋め尽くす。
「もう朝か……」
なんてことを呟きながら起き上がり、体を動かした私は、何か不思議な夢を見たな……なんてことを思うものの、その内容を思い出すことが出来ず……それ以上深く考えることなく、日課の方へと意識を向けて……ユルトからのそのそと出ていくのだった。
お読みいただきありがとうございました。
54話ではオリキャラも出てきますよ!






