コミカライズ53話 更新告知SS
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「……魚、うんまいな!!」
そう声を上げたのは食事中のサーヒィだ。
サーヒィ達のために用意した、食事用テーブル……というか板のついた止まり木で、板の上に置かれた皿の中の魚を堪能し、なんともご機嫌な様子だ。
その止まり木はリーエス、ビーアンネ、ヘイレセの分も作ってあり……鷹人族の小屋の近くに並んで立てられたそれらには全て焼き立ての魚が用意されている。
ゴブリン達が持ってきてくれた塩魚、それを塩抜きした上で焼いた魚はなんと表現したら良いのか分からないが、塩味だけなのに妙に美味しく、村の皆に大人気となっているが、特にサーヒィ達の好みに合ったらしく、彼らが村一番の愛好家となっている。
「いや、本当に美味しいです……」
「これならいくらでも食べられるな! な!」
「は~~~、海の近くに巣を作りたくなりますねぇ」
と、リーエス達もそんな感想を口にしていて、本当に気に入っているようだ。
「そこまで喜んでもらえると、海に住まう者として、とても誇らしく喜ばしい。
海魚の美味さは海が豊かであればこそ……豊かで雄大な海の幸を存分に楽しんで欲しい」
止まり木の側にはなんとも誇らしげなイービリスの姿もあり、なんとも嬉しそうに牙を剥いて微笑み、うんうんと頷いている。
「いや、本当に海ってすげぇんだな。
この魚がいくら獲っても獲りきれないくらいいるんだろ? 川とか湖とかとは全くの別世界なんだなぁ」
そうサーヒィが返すと、イービリスは少しだけ表情を引き締め、何本もの牙を剥き出しにしながら言葉を返す。
「言う通り川や湖とは別世界で……その分だけ危険も存在している。
陸地では大した風とならない天気でも海では大風となって荒れることがあるし……豊かで広いからこそ、様々な生物が暮らしていて……危険な生物も多い。
たとえばシャチだな、あれは賢く力強く、群れとなったらモンスターでさえ狩ってしまう程の力を持っていてなぁ……変に賢いがゆえに海ではちょっとした厄介者でもあるのだ。
戯れに狩りをして命を無駄に奪ってみたり、食のために狩りをしたとしても、美味しく滋養のある部分だけ食べて他を捨てるなんてこともする。
そういった態度は我々の文化とは相容れんのでな……見かけたら縄張りから追い出すようにしているが、我らが寝ている隙などを突いて入り込んで……酷い時には我らの住まいを襲ってくるのだから本当に手に負えん。
……海の近くに巣を作る際には、重々気をつけることだ」
その言葉を受けてサーヒィはごくりと喉を慣らし……リーエス達はクチバシを開けて唖然としてから、そんなのがいるのでは海での狩りは簡単ではなさそうだとため息を吐き出す。
……モンスターを倒す程に強く、残忍なところがあるシャチ……かぁ。
一体どんな姿をしているのやら……ゴブリン族に似ているのか、それとも魚のような姿なのか……もしかしたらザリガニのような見た目なのかもしれない。
そう考えた私が、靴で地面を削ってなんとなくこんな感じだろうかとシャチの想像図を描いていると……それを覗き込んだイービリスとサーヒィ達は目を丸くし、これでもかと口とクチバシを大きく開けて……いくらなんでもそんな化け物は存在しないと、そんな言葉を口にしながら懸命に私の渾身の落書きを止めてくるのだった。
お読みいただきありがとうございました。
本編でもまだ出ていない何かがちらっと見えるとかなんとか?






