コミカライズ50話 公開予告SS
本日18時ころ、コミックアース・スターさんにて公開予定です
「……あの時、こんな顔していたか? 私は全く覚えがないんだが……」
ある日の昼下がり、自分のユルトでユンボが仕上げたコミックを読みながらそんな声を上げると……編み物をしていたアルナーがすっと視線をそらす。
「……いや、本当に覚えがないんだが……」
更に言葉を続けると、同じく編み物をしていたセナイとアイハンが視線をそらす。
私としては本当に身に覚えがないんだが、フレイムドラゴンと戦った後に私はこんな顔をしてしまっていたのか……。
あの場にユンボはいなかったはずで、そうなるとアルナー達から話を聞いて描いたに違いなく……うん、アルナー達がそうだと言うのならその通りなのだろう。
「うーむ……しまらないと言うかなんと言うか……せっかく格好良いシーンだったんだがなぁ。
ユンボに言って描き直してもらうとか……」
「いや、そのままでいいんじゃないか、ディアスらしいし」
「うん、そう思う」
「らしいらしい」
私がそんなことを言うと、アルナーとセナイ達がそう返してきて……私はなんとも言えない気分になりながらも頷き、その内容を受け入れる。
受け入れもう一度頷き、立ち上がり……とりあえず読み終えたのでコミックの原稿をユンボに返すかとユルトを後にし、ユンボのユルトに向かう。
ユルトに入ると鬼気迫る表情で次の原稿を描いているユンボの姿があり……それを覗き込むと、更に物凄い顔をしている私が描かれていた。
「いや、絶対こんな表情してないだろ!? これは違うだろう!?」
思わずそう声を上げるとユンボは、なんだよ煩いなぁとそんなことを言いたげな顔をし……何も言わずに作業を再開させて、描き進めていく。
「いやいやいや、絶対こんな顔はしてなかったぞ!? 流石にこれはないはずだ!!」
と、そんな声を上げるがユンボは聞く耳を持たず……いつのまにそんなものを用意していたのか、メーア布で作った輪っかのようなものを自らの頭に被せて……その輪っかでもって垂れた両耳を押さえつける。
その輪っかはそうやって外の音を遮断するためのものらしく……本気で聞く耳を持つ気がないようだ。
「……まぁ、うん……皆は楽しんでくれているようだし、構わないんだがな……。
程々にしてくれよ」
ユンボのそんな態度に諦めた私がそう言うと、ユンボは作業を進めながらぐっと握りこぶしを突き出し親指を立ててくる。
「やっぱり聞こえているだろ!? それ!?」
それを受けて私がそんな声を上げるが、ユンボがそれに反応することはなく、黙々と作業を進めていくのだった。
お読みいただきありがとうございました。
フレイムドラゴン戦の事後処理やら何やらの内容となってます






