コミカライズ42話 公開予告SS
本日18時頃、コミックアース・スターさんにて公開予定です!!
――――過日 キコがやってきていた頃のイルク村で ユンボ
獣人国の参議という、珍客がやってきたのを受けてユンボはこっそりと珍客がいるという竈場に移動し、彼女の姿を手元の紙に描き記していた。
またいつ来るか分からない人物で、将来的にコミックに登場するであろう人物で、今このタイミングを逃せばいつその姿を描くことが出来るか分からなかったからだ。
であるなら正面から描かせてくれとそう言うべきなのかもしれないが……相手がコミックというものを理解してくれるかも、OKしてくれるかも謎であり、今しかない機会を変に接触したことにより失うかもしれないというのも恐ろしく、そうすることが出来ないでいた。
そういう訳でユンボは、竈場に並ぶ竈や、竈場の屋根を支える柱の陰に隠れてコソコソとキコの絵を描き続ける。
そうして少しの時間が経った頃、東の方からまた別の客が来たとの連絡があり、ディアスとアルナーが竈場から去っていき……キコが一人竈場に残されたとなって、何故だか一人になったキコが口を開く。
「正面から堂々とどうぞ」
その言葉は明らかにユンボに向けられたものとなっていて……キコも獣人、聴覚と嗅覚に長けているんだということを思い出したユンボは、なんとも申し訳ない気分になりながら、そそくさと正面に出ていき……堂々と立つキコの姿を描いていく。
ユンボがそうしていると、そんなユンボとキコの様子に気付いたらしい仲間、マスティ氏族の若者が駆け寄って来て、ユンボがこの村でどういう役割を担っているかを説明し始めて……それを受けてコミックがなんであるかを理解してくれたらしいキコは、何も言わずにクイと顎を上げてちょっとしたポーズまで取り始める。
ここを見よ、この毛並みの美しさを見よ、尻尾の力強さを見よ。
言外にそんなことを伝えてくるキコは、よほどに自分の容姿に自信があるのか、あれこれとポーズを決めてきて……ユンボはなんとも渋い顔をしながらペンを走らせていく。
正直もう資料としては十分で、これ以上絵に描き残す必要もないのだが、まさかここまでしてくれている大事な客人にそんなことを言えるはずもなく……それなりに貴重な紙とペンを使っての、接待のような絵を描き続けることになる。
そうしてある程度描き続けていると、ポーズを取るのに飽きたのかキコが近づいてきて……ユンボが描いた絵を一枚だけ受け取り、その礼とばかりに小さな袋を手渡してくる。
それからキコはどこかへと去っていき……それを見送ったユンボは首を傾げながら小さな袋の口を広げて、中身を自らの手のひらへと転がす。
すると砂金かなにかを溶かして固めたような金の塊がコロリと転がり出てきて……結構な大きさのそれを目にしたユンボは、しばしの間、目を丸く大きくしながら硬直してしまうのだった。
お読みいただきありがとうございました。
内容の通りキコ登場回となります!






