コミカライズ8巻 発売記念SS
本日発売です!!
ユンボがいつものようにユルトで作業をしていると、戸がコンコンとノックされてエイマがトトトッとユルトの中に入ってくる。
様々な作業を手伝ってくれているエイマがそうやってユルトに入ってくること自体は珍しいことではないのだが、エイマの小さな体でしっかりとしたノックをすることはまず無いことで、ユンボが首を傾げてそのことを訝しがっていると……エイマに続く形でナルバントを始めとした数人の洞人族達がのっしのっしとユルトの中に入ってきて、何事だろうかと困惑するユンボをよそに作業を始めてしまう。
まずはユルトの中の棚に手を伸ばし、次にユンボを立たせて体の大きさを計測し始め、座椅子や作業机を勝手にユルトの外へと持っていって……ユンボ愛用の道具さえも持っていってしまう。
「ああ、安心してください、泥棒とかじゃないですから。
洞人族さん達に頼んで、作業をしやすい環境にしてもらおうというか、この作業場の品々をコミック制作用のものに改良してもらおうかと思いまして……。
何か要望があれば遠慮なく言ってください、可能な限り対応してくださるそうですよ」
するとエイマがポカンとして棒立ちになっているユンボへとそう説明してくれて……ユンボがそれならそうと最初から説明してくれとプリプリと怒ると、エイマは小さく笑って受け流して……あれこれと洞人族達に要望を出していく。
そうしてまず座卓が出来上がる、量産品ではなく、ユンボの背丈や体の形状にしっかり合わせたものに。
作業机は高さや角度が調節出来るものとなって各種道具も、調整がされて使いやすくなり……インク壺までが倒れにくい仕組みのものとなっている。
「最近のイルク村は色々と余裕が出来てきましたからねぇ……こういう細かい部分にもお金と手間をかけていって、生活しやすく、仕事しやすくしていきたいですね。
ユンボさんも何か要望はありますか?」
ユルトの中の品々が次々と改造されて、すっかりと様変わりした光景となっていって……そんな折にそう言われてユンボは、新しくなった道具を手に取りながら首を傾げて頭を悩ませて……そして山ほどの肉と酒と、金銀財宝と素直過ぎる程素直に欲望を口にしていく。
「はい、撤収! 撤収でーす!
作業終わった方から撤収してくださーい! 次は家畜小屋の改良いきますよー!!」
するとエイマはそう言って洞人族達に指示を出してユルトから出ていって……ユンボはまたプリプリと怒りながら一行を見送るのだった。






