コミカライズ39話 公開予告SS
本日18時頃 コミックアース・スターさんにて公開予定です!!
「ジュウハの実力が知りたい?」
ある日の昼下がり、ユンボに呼び出されて仕事場のユルトへと向かうと、ユンボからそんな問い掛けが投げかけられる。
戦争で活躍した自称王国一の兵学者……ではその剣の腕はどの程度のものなのか、戦争で実戦をしたことがあるのか、私とやり合った場合どんな結果になるのか……と、その辺りのことを知りたがっているらしい。
「ふーむ……ジュウハはまぁ、剣の腕なら一流なのだろうな。
技術が凄いというか、剣術に関する造詣も深いし……相手の動きを見極める目も持っている。
剣が苦手な私では全然敵わないし、それなりに使えるクラウスでも勝てるか怪しいし……モントやジョー達でも難しいだろう。
更に言うとあいつは頭が良いからな、戦いながら相手を罠にかけるとか、相手を不利な状況に追い込むとか、そういうことが得意で……実戦をしたことは数える程だったはずだが、それでも結構な活躍をしていたな」
ユンボが用意したクッションに腰を下ろしながら私がそう言うと、ユンボは手に持った紙束にあれこれと書き込みながら、手をすっと動かし「続けて」と言わんばかりの仕草を見せてくる。
「戦争中、次々に策を見破り、奇策を展開してくるジュウハをなんとかしようと、敵軍がジュウハが待機している陣地に突っ込んできたことがあったんだが……その時ジュウハは周囲の味方の動きや敵の動き、全てを把握した上で、そこからどうなるのかを予測し、相手が不利になるよう、味方が有利になるよう戦闘全体の流れを誘導していたらしい。
そうやって倍以上の敵軍を翻弄して、私達が駆けつけるまでの時間を見事に稼いだという訳だ。
私にはそういったことは全然出来ないからなぁ……そういう手を使われたら私が勝つのは難しいだろうな」
ふんふんと唸って紙に書き込み、そのシーンを想像しているのか絵図を書き込み、それからまた続けてとの指示がくる。
「そう聞くと凄く強く聞こえるかもしれないが……ジュウハは根本的に遊び好きの鍛錬嫌いだからなぁ、何もない平地とか闘技場とかでの1対1なら私もクラウスも負けはしないだろうな。
最低限の鍛錬はするがそれ以上はせず、仕事でも座って書き物をしていることが多くて、結果体力も力もそこそこ止まり……罠とか策とか仲間の力が使えないとなると、途端に苦戦することだろう。
そういった状況では主に言葉で戦おうとして……脅して相手を怯ませたり挑発して相手を激昂させたりして、隙を突く感じだな。
……仕事がない時くらい鍛錬をしたら良いのにと思うんだが、そういう暇があるとジュウハはすぐに遊びに行ってしまうからなぁ……。
戦争中、たまたま敵軍が近くにいないって状況が出来上がって一週間くらいだったか、休むことが出来るとなってジュウハは、その一週間をほぼ徹夜で遊び倒して最後にはぶっ倒れていたからな……おかげで進軍に支障が出たことがあって……。
……まぁ、あいつはそういうやつなんだ」
あれこれと思い出し、思うところがあり、私が苦い顔をしているとユンボは口元に手を当ててシシシッと笑ってからまた紙束にあれこれと書き込んでいく。
書き込み描き込み、それきり続けてという指示は出なくなり……そうやって仕事する様子を見るのも悪くないかと考えた私は、それからしばらくの間、ペンを一生懸命に動かすユンボの様子を眺め続けるのだった。
お読みいただきありがとうございました。
ジュウハ大活躍……の予定ですよ!






