コミカライズ16話 公開予告SS
本日18時頃、コミックアース・スターにて公開予定です!!
ユンボが完成させたコミック最新話。
ユンボのユルトの中に腰を下ろし、それを読みながら私は……首を右に傾げ左に傾げ「うぅん」との唸り声を上げていた。
まさかこの頃からだなんて……この時からそうだったなんて、それに気付いていなかったなんて……と、その内容がとても信じられず、再度「うぅん」と唸る。
するとユンボが不安そうな表情を浮かべながら、コミックの内容に何か問題でもあったのかと、面白くなかったのかとそんなことを聞いてくるので、私は慌ててそうではないとの言葉を返す。
「いやいや、違う違う。何も問題は無かったし、今回はいつも以上に面白かった。
……私が唸っていたのは内容どうこうではなくて……この最後の、彼らのシーンに驚いてしまってな、それで唸っていたんだよ」
と、そう言って私はその部分を指し示す。
するとユンボが、ここは自分も目にしていた間違いのないシーンだとそう言ってきて……私は「うぅん」と唸ってから言葉を返す。
「そう……だよな、ユンボもこのシーンを見ていたんだよな。
この場にいたアルナーも当然見ていたし……私も見ていた、はず……なんだがなぁ……」
一体どうして見逃したのか、何故気付かなかったのか。
そこのことが分からず、私が再度「うぅん」と唸っていると、ユンボがなんとも言えない、生暖かい視線を送ってくる。
そうしてからユンボは私の肩にぽんとその手を置いてきて……何を思ったのか、ふるふるとその顔を左右に振る。
意味ありげなため息を吐き出し、生暖かい視線を更に生暖かくして……じぃっと見やってくるユンボに、どう言葉を返したものかと悩んでいると、激しい足音と、足音の主の声がこちらへと迫ってくる。
「もーー!! ここらへんのことは書かないで欲しいって言ったじゃないですかー!
このコミック、エルダン様の下にも届くということは、当然父も目を通すんですよー!!」
その声の主はまさに私が唸り声を上げていたシーンに登場していた人物であり……そこら辺の苦情を言いたいのだろう、声を強めながら凄まじい勢いでもってすぐ側までやってくる。
するとユンボは、すっと立ち上がり、そう来るのは読んでいたとばかりに天井から垂れている紐をすっと握り……なんとも器用にするすると、紐を昇っていく。
「……なるほど、そこが新しい逃走経路か」
と、私がそんなことを呟く中ユンボは、ユルトの天井から外へと出て……そのまま声の主に気付かれることなく、逃走してしまうのだった。
お読み頂きありがとうございました。
ネタバレを避けるためにこんな形となりましたが、16話を読んでいただければきっと納得してもらえる内容に……なったはずです。






