コミカライズ15話 公開告知SS
本日18時頃、コミックアース・スターにて最新15話が公開予定です
最近のユンボは取材の回数を減らし、コミック作成の作業に専念することが多くなっている。
それもそのはず、コミックに描かれる話がだんだんと、ユンボ達犬人族達がイルク村へとやってきたあの日へと近付いているのだ。
最新話で登場することになるゲラントを始めとした隣領の人物が犬人族に関しては取材するまでもなくユンボにとっての身近な存在であり……そしてイルク村にやってきてからの日々はユンボがその目でみた、自らの日常でもある。
この時どう思ったか、この時何を考えていたか、なんて質問を皆にすることはあるものの、一体何が起きたのかという取材の回数、それ自体は減りつつあった。
そしてそうやってユンボの姿が見えなくなると、取材攻勢にうんざりとしていた村の皆も、それなりに思うところというか、心配する思いもあるようで、定期的に様子見を兼ねた差し入れなどがユンボの作業用ユルトへと運び込まれていたりもする。
これからはこんな感じに、静かに作業を進めていくのが当たり前になるのだろうな……と、倉庫の側で薪割りをしながらそんなことを考えていると、ペンと紙を持ったユンボが、ユルトの中から凄まじい勢いで飛び出してくる。
その様子を見て、作業の中で何かあったのだろうか、それとも取材で何か不足があったのだろうかと心配していると、ユンボは猛然と、凄まじい表情でもって村の中を駆け回り始める。
「……一体どうしたんだ、ユンボは」
と、薪割りの手を休めながらぽつりと呟くと、近くをたまたま通りかかったエイマが答えを返してくれる。
「ユンボさんも犬人族ですからねぇ、犬人族の本能としてああして駆け回りたいというか、お散歩をしたいという欲求は抑えきれないのでしょう」
「……ただ散歩をしたいという割にはペンと紙を持っているようだが」
「……コミック作りもまた彼の本能で手放せないものといいますか、どうせ散歩するならついでに取材してやろうという職人根性と言いますか、そういう感じなのではないでしょうか」
エイマがそう返してきた直後、何処からか凄まじい音が響いてきて、また何かをやってしまったらしいユンボを叱りつけるアルナーの声が響き聞こえてくる。
「……また何かやらかしたようだが、あれも本能なの、か?」
その声を耳にして私がそう言うとエイマは、
「本能と言いますか、性分と言いますか……それもまた彼らしい良いところではないですか」
と、そう言ってそのままスタスタと立ち去ってしまう。
そうして響き聞こえてくるアルナーの声に耳を傾けながら私は、これもまたイルク村にすっかりと馴染んだ、当たり前の日常の一コマなのだなぁと、そんなことを考えながら薪割りを再開させるのだった。
お読み頂きありがとうございました。
最新15話では原作にないシーンとかもあり、凄く見どころのある一話となっています。
畑のあのシーンとか、本編に取り入れたくなりましたぞ!!






