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領民0人スタートの辺境領主様 外伝集  作者: ふーろう/風楼


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29/121

コミカライズ13話 公開予告SS

本日18時頃、コミックアース・スターにて最新13話更新予定です。



 ――――ディアス



 最近ユンボが妙に大人しい。

 畑に関連する話をいくつか聞いてきて、それに関するコミックを描き上げて以来……以前のように村中を駆け回って取材をしている姿を見せなくなったのだ。


 その上、諸事情とかで当分の間コミックを見せられないと、そんな連絡までよこして来て……一体ユンボに何があったのだろうか。


 心配になって声をかけてみたのだが、何かがあったという訳でも、病気だとかいう訳でも無いようで……兎にも角にも『諸事情で仕方なく』『当分の間、待って欲しい』との言葉に尽きるらしい。


 諸事情とは一体何なのか……。

 何故当分の間、待つ必要があるのか……。


 そういった疑問を抱えつつも、本人がどうしてもそうしてくれと言うのであれば、私としては、出来ることはなく、ただただ見守ることしか出来ないのだった。



 ――――自らのユルトで、セナイとアイハンに絡まれながら ユンボ



「だーかーらー、ここから先は私達だけの秘密なの!」

「ディアスにはひみつ! みんなにもひみつ! みせていいのは、エイマだけ!!」


 イルク村のあの畑には何か秘密があるに違いない。

 そう考えて、事情を知っていそうなセナイとアイハンに取材に協力して欲しいと、声をかけた結果……待っていたのは二人による検閲だった。


 ユンボになら事情を話しても良い。

 その事情をコミックに描いても良い。


 でもまだ、ディアス達には見せてはいけない。

 見せても良いとセナイ達が思う、その時が来るまでは秘密にしてもらう。


 もしユンボが秘密を守れないのであれば……。


 子供とは思えない迫力で凄む二人に、ユンボはすっかりと負けてしまっていた。


 どういう訳だか二人の背後に、二人によく似た大人の影まで見えてしまって……その影がありとあらゆる手段でその毛を引き抜くぞと、そんなことを言っているような幻聴まで聞こえてしまって……そのあまりの迫力にユンボとしては従わざるを得なかったのだ。


 事情を話さないという訳でも、コミックを描くなという訳でも、皆に見せるなという訳でもない。


 ただ時期を待って欲しい。


 セナイとアイハンが必死な様子で頼み込んで来た、たったそれだけのお願い。

 それだけのことならばと、ユンボとしても協力したいという気持ちは何処かにあり……その気持が二人に従うとの決断を後押ししたのかもしれない。


「この時は確か遊んでてー、こんな感じで声がきこえてー……エイマが可愛かった!」

「はじめてのエイマは、いまよりちょっと、やせてた? たぶん?

 いちばんおぼえてるのは、にもつがおおくて、たいへんだったこと!」


 それはそれとして、嫌々ながらとはいえこちらも協力しているのだから、もうちょっと分かりやすい形での、はっきりとした情報が欲しいと、二人の話を聞きながらペンを走らせるユンボは、そんなことを思うのだった。



お読み頂きありがとうございました。


13話からセナイとアイハンの活躍が始まります。

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