コミカライズ最新話更新告知SS
72-1話 72-2話(先読み)公開です!
この日ユンボは特に深い考えがある訳でもなく、ただなんとなしに酒場に足を運んでいた。
特に用事がなくても歓迎してくれて、酒や料理を楽しむことが出来て、仕事をしても怒られない空間、それがユンボにとっての酒場で、とても快適な場所となっていた。
「おう、ちょうど今新メニューの研究していた所だよ」
入店し、いつもの席につくとすぐに店主であるゴルディアが、カウンターの向こうからそう声をかけてきて……ユンボは新メニューが気になって視線をそちらに向ける。
「海の幸が最近になって色々と入ってきたからな、そこら辺の研究をしてんだよ。
上手く工夫したら良い酒のアテになると思うんだよな」
更にそうゴルディアが続けてきて、海の幸が嫌いではなかったユンボは更に興味津々、体を伸ばしてキッチンを覗き込もうとする。
するとゴルディアは何も言わずに今作っていた料理を盛り付けて持ってきてくれる。
「貝と豆の香辛料炒めだな。
貝はゴブリン達も好んで食べるカキってやつを使ってみた、それと豆たっぷり、濃いめの味付けかつ辛くもして酒が進むようにしてあるぞ」
そう言って出された料理にはふかし芋も添えられていて、まだまだ昼の時間、酒は出せないからふかし芋で辛さを楽しめと、そう言いたいらしい。
タダで食えるのだから文句無し、ユンボは何も言わずに食器を操り、ふかし芋に赤く炒められた貝と豆を盛り付けてから大口でかぶりつく。
辛しょっぱく、しかし滋味深く、貝の味がしっかり出ながらも香辛料や豆の味も感じられて、上手く組み合ったそれをふかし芋がしっかり受け止めていて……確かにこれは酒に合うだろうと頷くユンボ。
「他にも揚げたり、衣つけて焼いたり、海の幸は色々と使い道があると思うんだよな。
そこら辺の調理法は港町では普通だからなぁ、今度資料を取り寄せないとな」
それを聞いてユンボは珍しく尻尾を振る、中々そうすることはないのだが、この味以上のものを楽しめるかもしれないとなったら、期待してしまうのも当然のことだった。
そんなユンボの様子を見てゴルディアは、また自分の料理の腕で客の舌に勝利することが出来たとそんな気分となって……そうしていつになくごきげんとなったゴルディアは、ユンボが腹いっぱいになるまで、山程の貝料理を振る舞ってくれるのだった。
お読みいただきありがとうございました
ゴルディア初登場!!






