コミカライズ更新告知SS
本日71-1話 71-2話先読み 公開です!
ある日のこと、誰が言い出したのか、ユンボにも武器なり防具なりを作ってはどうか? という話が浮上した。
戦場に出るようなことはまずないだろうが、突然モンスターに襲われるなんてことはあり得る訳で、そういうことならといくらかのドラゴン素材を使っても良いだろうとなった。
エルダンとか応援している人は多いからなぁ……その身の安全を確保することも大事だろう。
そういう訳でユンボに色々と話を聞いてみたのだが、あまりしっくり来る話ではなかったようで、特に希望などはないとのことだった。
そもそも戦闘経験などがないからこれが良いあれが良いとも言えず、どんな武器防具が世の中にあるかをよく知らず……ハッキリした答えが出せないというのも納得ではあった。
という訳で私達が考えてやることになって、とりあえず思いついた武具を持たせてみることになった。
武器は他のマスティ氏族のように牙で良いだろうという意見もあったのだけど、本人がそれ以外も使ってみたいとのことだったので、色々と試すことになり……剣、短剣、槍、斧、弓などなど、思いつく限りの武器を使わせてみることになった。
結果は……、
「どれも合ってないですねぇ、そもそも武器自体が苦手なのでは?」
と、クラウスがそんな感想を抱くようなものだった。
広場で私、クラウス、ナルバント他、見学したいという者で集まり、色々とやらせてみたのだけども、うーむ、本当に適性がない。
犬人族だからある程度は仕方ないのかもしれないけども、面白そうだからと参加した同じマスティ氏族のマーフは短剣なんかをそれなりに使いこなしていて、これはもう本人の適正の問題なのだろうなぁ。
そんな中でずっと黙っていたモントが声を上げる。
「盾だ、盾だなこりゃ」
盾? 確かに身を守るのなら悪くないのかもしれない。
という訳で木盾を持たせてみる、その体が隠れるくらいの大きさの大盾を。
するとユンボは見事にその姿を隠し……的確に攻撃を受けていなしてみせる。
盾も使うには色々と工夫がいる代物だ、ただ受けるのではなく受け流す必要もあるし、弾く必要もある。
受け方の角度一つで相手の武器がどう動くかが変わるわけで、瞬時にその辺りの判断をし対応をする必要がある。
ユンボはそれを本能的にできているようで、更には盾を構えながらの移動もしっかり出来ている。
サササッと動き、言い方は悪いが小賢しく逃げ回り、身の安全の確保という意味では完璧だった。
「……王国兵にもここまでの使い手はいないんじゃないですか?」
と、クラウスがそんな感想を口にする程で、そういう訳でユンボに持たせる武器は盾と決まった。
アースドラゴンとウィンドドラゴン素材を組み合わせて頑丈さと軽さを両立させて、ウィンドドラゴンの甲殻の薄い部分を更に削って作った、少しだけ透き通る素材でもってのぞき窓? とやらを作って盾の向こうを見ることまで可能にした盾が。
それからナルバント達が仕上げるとユンボはそれを気に入って常に持つなり背負うようになり……同時にそれを使って上手く逃げ隠れをするようにもなったりしたのだが、それはまた別の話となる。
「……イタズラには使うなよ」
というアルナーの忠告もどこまで届いていたのか……とにかくそうしてユンボ愛用の武器が出来上がることになるのだった。
お読みいただきありがとうございました。
次回からバトルに巻き込まれたりするのかもしれない






