コミカライズ64話 公開予告SS
本日18時頃、コミックアース・スターさんにて公開予定です!
この日ユンボは、家畜達のスケッチをするため、厩舎へとやってきていた。
そこで馬や白ギー、ロバなどの姿を何度も書き取り、コミックのための練習としている中、家畜達への餌やりが始まる。
この時期は草原に放牧し、そこでたっぷりと食事させているのだけど、それだけでは栄養が足りないこともあるとかで、砂糖や岩塩、果物を飼い葉に混ぜたものが餌として出されることがある。
全くなんて贅沢な話だと思う部分もあったが、家畜達の働きやチーズなどの産物を思うと当然の対価のようでもあり……ユンボはそんな餌やりの様子も手元の紙束に書き溜めていく。
その中でふと思い出したのは、ある日にセナイ達が言っていた、森の中には家畜達に食べさせてはいけない草や葉があるという話。
具体的にどんな草や葉がダメなのだろうか? と、首を傾げていると、餌やりをしていた犬人族……アイセター氏族の若者がその様子に気付き、
「どうかしたんですか?」
と、声をかけてくる。
それを受けてユンボが抱いていた疑問を言葉にすると、若者は「なるほど」とそう言ってから厩舎の奥へ行き、そこから紙束を持ってくる。
その紙束には葉っぱや草を押し花のようにして潰し、乾燥させたものが貼り付けられていて……それだけでなくその草葉の名前や、どんなものなのか……どんな毒性があるかの説明が書かれている。
「これらが食べさせてはいけないやつですよ。
家畜の世話担当とかは、こういう感じで植物にも詳しくないといけないんです。
動物にも植物にも詳しいから、昔の羊飼いっていうのはいざという時に頼りになる、人々を導く指導者みたいな存在って扱いを受けてたそうですよ。
迷える子羊と羊飼い……みたいな言い方したそうです」
なるほどねー、なんてことを思いながらその紙束に目を通していくユンボ。
すると森の中でたまに見かける木の葉もあって……それは絶対に家畜に食べさせてはいけない要注意植物だと書かれている。
なんでも馬がそれを食べると酔ったようにふらついてしまうんだとか。
酒と違ってこれはかなりの毒で、それだけでは済まないことがあり……なるほどなぁと思いながらユンボは、それを読み進めていく。
時たま紙束に押し付けられた葉などを触り、匂いを嗅いだりしながら読み進め……そして最後に実物がなく絵だけの『超要注意植物、見かけても絶対に触れるな』なんて文字が書かれた紙へと目を通す。
それはかなりの毒性があり、触れるだけでも被害が出てしまうらしい。
匂いを嗅ぐのも厳禁で……発見したなら即座に処分されているとかで、かなりの危険度であることが伝わってくる。
そんな説明の中には、他の植物も触れるのは好ましくなく、迂闊に匂いを嗅いだりしないように、なんて文章もあって……それを読んだユンボは、全身にこれでもかと冷や汗をかきながら、そういうことは一番最初に書いておいてくれよと、そんなことを強く強く思い……そしてその紙束をそっと若者に返却し、それから手と鼻の中を洗うべく小川の方へと駆けていくのだった。
お読みいただきありがとうございました。
64話はついにあの母が登場!!






