詩人の眠る海
何もない日
人魚を愛した詩人は砂浜に足跡ひとつ残して消えた
追いかけた私の足ごと波はさらっていって
平坦な灰色とじぐざぐの藍色にオレンジ色の光が降り注いだら
凪ぐ世界に涙を落としていたあの子はもう
真珠貝に耳を当てて
羽ばたかない鴎は言う
『人魚の声は聞こえましたか』
光沢の滑らかな旋律は一瞬だけキン、とはじけて
不在の主を静かに弔う
何もなくなった私はまた歩き出せるでしょうか
痕跡を探し続ける旅に疲れたら
何もない日をまた思い出す
何もない日
人魚を愛した詩人は砂浜に足跡ひとつ残して消えた
追いかけた私の足ごと波はさらっていって
平坦な灰色とじぐざぐの藍色にオレンジ色の光が降り注いだら
凪ぐ世界に涙を落としていたあの子はもう
真珠貝に耳を当てて
羽ばたかない鴎は言う
『人魚の声は聞こえましたか』
光沢の滑らかな旋律は一瞬だけキン、とはじけて
不在の主を静かに弔う
何もなくなった私はまた歩き出せるでしょうか
痕跡を探し続ける旅に疲れたら
何もない日をまた思い出す
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