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第8話 姉の行動の問題性

 絡まれていた佐原を明川や近衛たちのもとへ送ったのち、俺たちは姉さんと合流した。遠くから明川が興味津々といった様子で眺めていたのがとても気になったが、姉さんはその手の視線には慣れているらしく、『おねぇちゃんかわいいからぁ』とあっさり受け流していた。

 間延びした喋り方も美人がやるとそれはそれで萌え要素となり得る。近衛風の言い方をすれば。

 にしても。この状況。明らかに俺は周囲の男性から羨望の眼差しで見られることになるだろう。何しろ右には白髪天使系美少女。右には黒髪大和撫子。

 俺からしてみれば二人とも家族のような――うちひとりは本当に家族だが――存在なので他の人が思うほど甘酸っぱい関係ではない。ここばかりは誠に遺憾である。

 姉さんが一度車に荷物を置き、その後俺たちと合流したので荷物は今のところ大きくはないが、ここから買い物をするにつれて俺の荷物持ちとしての実力が試されてくる。姉さんと買い物に行くと毎回そうなっているので多少増えた程度では特に問題はないはずだが。

「んーと、とりあえず何から買おうかなぁ…?お洋服もいいけどかさばっちゃうしとりあえずは下着買っとくぅ?」

「そうですね、下着から買っておきましょうか。流石に小学校の下着だと下は何とかなるにしても上はさすがに無理がありましたから」

「ちょっと待って俺いるってこと忘れてないよね?俺もついて来いとかは流石にないよね?」

 急に下着トークを始めてしまう姉と幼馴染。正直に言って俺のような一般の男子中学生からしたら介入するという行為の難易度は果てしなく高い。

 ましてやそれが同級生のものであるならば、なおのこと。創造してしまいそうになるのを必死にこらえるほかあるまい。

 個人的には下着姿は何もないよりえっちだとおもいます。

「何を言っているんですかアヤくん!前も言ったかもしれませんけど、見せるのはアヤくんだけなんですから、アヤくんの好みに合わせるのは当然ですよね?なので一緒に選んでください!」

「アヤ…。おねぇちゃんはねぇ、女の子にここまで言わせといて逃げるのは男が死んでるようなもんだと思うんだよねぇ」

「男が死ぬ以前に社会的に死ぬんですがそれは。そもそも他のお客さんとかからしたら男が店内にいるのは落ち着かないでしょ?」

 自分が付ける下着を選ぶ場所なのだ。ルールとしては問題がないにしろ、女性の方からしたら落ち着かないと思う。ある種男子禁制みたいな雰囲気あるし。

 入る側も入ってこられた側も困るのだ。こんなに意味のない行為は無い。

 そうやって色々理屈を並べて説得しようとするも…。

「結構男の人連れてきてる女の人とかいるよぉ。変な目で見られることはあんまりないし気にしてないと思うよみんな。まぁおねぇちゃん以外の人はよく分かんないから絶対とは言わないけどねぇ。大丈夫だよ、誰も文句言ったりしないって」

「ロシアでも結構似たようなものでしたよ?…確かにえっちな目で見てくる男の人はいましたけど、アヤくんならうぇるかむです!据え膳食わぬはなんとかかんとか、みたいな言葉もこの国にはありますからね!」

 もう何を言っても聞かないモード再び。今日は頻発する日なのだろうか。

 しかしいつまでもグダグダしているわけにもいかない。時間はあると言っても夕飯の仕込みなども姉さんと一緒にしなければならないのだ。夕飯は何なのかはわからないが、姉さんのことだ。弁当や総菜を購入することはまずありえない以上、何か料理を作るはずである。姉さんの事だからある程度凝った料理をすることは予想がつく。

 よってあまり時間は無い。まぁといっても二時くらいなので三時間程度であればさしたる問題は無いのだが。

 まぁ要するに早いに越したことは無いということ。余裕があるのは何事においても良いことである。

「そういうことだよぉアヤ。大人しく連行されるがよい…」

「逆らっても無駄ってことでしょ…?頼むから早く解放してくれよ」

「いきなりですけど私、胸のサイズが分からないんですよね、見た感じの感覚でどれくらいか教えてくれませんか?

 なんなら触っても…」

「お前マジで昼下がりのショッピングモールで何やらせようとしてんの?」




「夜ならいいってことかぁ…そういうのもあるのねぇ」




 違う

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