脅しとプレゼント 1
遅れました!!
すいません!!!
「・・か、神様ぁ!?」
凍馬は一瞬何を言われたのか理解できなかった。目の前でいきなり神様宣言されれば誰だってそうなるだろう。その存在に見惚れ、惚けていた者たちも正気に戻り反感の声を上げ始めていた。
「神様?ふざけんな!お前がここに連れてきたってんなら帰せよ!!「今いいところだったのに・・」「授業があるんだから早くしてくれ!」
授業をサボっていたもの、授業をしていたもの、受けていたもの。立場は様々であれ皆がその存在に元の場所に帰せと訴えかけていた。その声は周囲に伝播ししだいに大きくなっていく。
「あー、もー、うるさいなあ。もともと君たちに拒否権なんてものはないんだから静かにしていてよ、でないと・・こうなっちゃうよ?」
そう言って自称神は最初に声を上げた男子生徒に目を向けた。
「あ?なん」
その男子生徒は最後まで言葉を続けることができなかった・・・続きを話すための口のついている頭部がいつの間にか消滅していたからだ。突然起きたその現象に周囲の人たちは時が止まったかのように無反応だった。そしてその生徒だったモノがグシャリと床に崩れ落ちた時、再び時が動き出したかのように大混乱が起こった。人々が濁流のように動き回り中にはその動きに飲まれ転ぶものも出始めた。
「スト――――ップ!!!!」
その混乱を沈めたのは原因を作り出した自称神であった。まるで心の芯まで貫かれるような大声を出すと周囲の人間は不自然なまでに動きを止めた。
「やれやれ、落ち着きたまえよ諸君。さっき言ったでしょ・・静かにしろって」
わずかな沈黙の後に凍えるような声が出され萎縮した人々は圧し潰されそうな感覚を味わいながらわずかな布切れの音すら出さないように身を固まらせる。
「・・極端だねえ、まあいいや。ええとそれじゃざっくりとあなた達の身に何が起きて、これからどうなるのか説明したいと思いまーす。まあ結論からいえば私個人の都合で君たちには元いた世界と別の所に行ってもらいます」
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「何言ってんだ、あいつは・・」
自称神が説明を続ける中、目まぐるしく入り過ぎる情報に凍馬は頭がパンクしかかっていた。
「なあ、今何が起こってんの?色々起こりすぎて訳分かんなくなっちまって」
「あ、あんたは・・・・はあ、なんか逆に落ち着いてきたわ」
「まあ、いつものことだな。簡単に言うとあの神様が俺らを違う場所に連れていくってことだよ。・・てか萌奈さん大丈夫ですか、立てますか?」
大河はそう凍馬に説明した後近くで座り込んでいた眼鏡をかけた先輩である女子に声をかけた。彼女の名は凛桐萌奈、凛桐朔良の姉で活発な妹と正反対で臆病とまではいかないものの大変おとなしい性格をしておりクラスでもあまり目立たないらしい。その性格ゆえか先ほど凍馬たちに気付き声をかけようとした時も自称神に遮られ押し黙り、先ほどの凄惨な現場を見た結果腰が抜けて立てなくなってしまった。
「あ、ありがとう大河君・・」
「いえいえ、大丈夫そうで良かったです」。
「はい、そこのグループ!うるさいよ、静かにして」
そう言って自称神に指摘された凍馬たちが萎縮し動きを止める。強烈な威圧を感じ凍馬は再び放たれるであろう圧し潰されそうな感覚に身構えるが・・
(!?なんでさっきよりも威圧が弱い、というか脅威に感じない・・)
突然変わった感覚に驚いていると、自称神はいたずらに成功した子どものようにニヤア、と笑った。
「驚いた?別にあなたたちに対しての威圧を弱めたわけじゃないよ、ただ単に君たちの精神が(・)強く(・・)なった(・・・)だけさ」
「精神って・・そんなにすぐ強くなるっけ・・・」
「なるわけないじゃーん、私がそこらへんを弄ったからこそ強くなったんだよ。脅威に対して何も抵抗する術のない君たちのために優しい私がいくつかのプレゼントをあげたのさ、そのうちの一つが今君たちが実感している精神力強化だ」
凍馬が辺りを見渡すと周囲からも似たような反応が見て取れた。
「さてさてまだまだプレゼントはあるけどあんまり知れ渡ると困る人も出てくるかも知れないから、ここからは個人面談と行こう」
放たれた言葉に人々が反応する前に自称神は一度指を鳴らした、その音と同調するように自称神の手から光が溢れ出していきその光に飲み込まれ凍馬は再び意識を手放した。
(神)<なぜ殺したかだって?リメイク前みたいに脅すくらいでいいだろだって?
(神)<だって神様らしいわがままを見せたいじゃん!
(神)<というわけで変えました
(神)<あ、あとタイトル変えます




