横川輝明は、元来た道を引き返しリセットする。
速攻で作り上げたので違和感ありまくりだと思います。でも、これ以外に思いつかなかったんです!ごめんなさい!
ネタをメモった紙もいつの間にか消えてるし……
超展開でほんとすいません!
──僕を楽しませてくれヨ?
そんな一言で戦いの……いや、そんな生易しいものではない。戦争とも呼べるそれの火蓋は切って落とされた。
いつの間にか駆けつけてきた速水と風見、そして藤井も参戦している。神崎は戦闘員ではないため、街で待機だ。質より量なこの状況では心強い味方だ。
迫り来るモンスターを建築で作った壁で防いで、その間にゴウイさんや、ケモミミ、速水が攻撃してくれている。
壁を作ることしかできない自分に腹が立ったが、集中していないとこれだけの量の魔物ならすぐに壁は崩壊してしまう。
いや、集中していてもこのままではジリ貧だ。いつか突破されてしまうだろう。
「ケモミミ!」
「わかって、ますっ!」
壁を壊して出てきた数匹の魔物をケモミミが魔物から奪ったした剣で次々となぎ払っていく。壁を何度も何度も修復と強化を繰り返しているが、そろそろ魔力の限界だ。
しかし、魔物の数は一向に減る気配はない。
「────あ」
かすかな声が耳に届いた。誰かがつぶやいたのか、はたまた無意識中に俺がつぶやいていたのか……。
強い衝撃と共に、壁にひびが入る。俺が作った壁は、少しずつ、しかし確実に崩壊へと近づいていた。
──まずい。
このままだと、数百もの魔物の軍勢に押しつぶされてしまう。
「横川くん! このままじゃ崩れちゃう!」
「こうなったら────ッ!」
どうせ壊れるのなら、無理して維持せず壊してしまえばいい。それも敵を巻き込んで。
魔力を込め、念じると壁は少しずつ魔物の軍勢の方へと傾いていく。
そこで、魔物の波をせき止めていた壁は決壊した。
支えがなくなった物体は、重力になされるまま落ちていく。その壁は、勢いを増して魔物へと襲いかかった。
ズドォォンとい大きく低い音をたて、空気を震わせながら壁は地面へと直撃した。
断末魔なのか、魔物の悲鳴も聞こえる。
これで大抵は倒しただろう。そう思った。
慢心でも油断ではないが、そうであって欲しいと信じ込んでいたのかもしれない。
「なっ!?」
──だから、いきなりの攻撃に反応できなかった。
砂埃の中から無数の閃光が走る。気づいたときにはもう遅く、全身に激痛が走った。
突然のことに反応できず、モロに喰らってしまう。
数メートル吹っ飛び、背中から地面に落ちる。
「なんなんだよ……」
速水がそう呟いた。
この魔法はおそらく……いや確実に『雷魔法』──笠島のスキルだ。
くそッ、警戒を怠ったか。
しかし、幸いながら傷はそこまで深くない。まだ戦え────!?
「う、ごけない……?」
すぐに立ち上がって応戦しようとするが、体が動かない。ヒリヒリと痺れるのを感じ、麻痺にかかったことを理解する。
「ふぅ、魔物の軍勢を倒すまでは計算済みだたケド、これはちょっと期待はずれかなぁ」
「かさ、じま……」
速水が顔を歪めながら呟く。それもそうだろう。速水と笠島は親友だったからだ。
学校ではよく一緒に遊び、心を許していた仲らしい。いつだったか笠島の豹変ぶりが信じられないと言っていた。
その笠島が、裏切ったのだ。追い出されただけならまだしも、ここまでされると速水がこうなるのは当然だった。
「まぁ、期待はずれなゴミはさっさと処理しちゃおうか」
考えろ、俺が、じゃない。全員が生き残る方法を……。
──だったら、これしかねぇじゃねぇか。
「……まて、笠島」
「なんだい?」
笠島もこの状況は退屈だったのか、興味だけは持ってくれたみたいだ。
興味を持ってくれただけでも、交渉の成功率は大分変わってくる。これはいい傾向かもしれない。
「俺を連れてけ。仲間にでもなんでもなってやる」
「……へぇ」
世話になったゴウイさんたちを脅威に晒すのは気がひける。それに、街だって壊滅すればすむ場所がなくなる。このまま戦って大損害をだして勝つか、俺がおとなしく投降するか、リスクを天秤にかければ俺が投稿する方が何百倍もいい。
「なっ、なんで……なんでだよ横川!」
「……速水……。まあ、なんだ? 簡単なことさ。俺は昔からお前のことが嫌いだったんだよ」
「っ!?」
速水が……いや、藤井も風見も驚愕の表情をする。
「藤井も風見も同じだ。俺みたいな底辺に付き合っているってのがもう、俺を嘲笑ってるようで気に入らなかったんだよ!」
違う。嘘だ。
自分の言っている言葉は、自分の胸を締め付け、心なしか息苦しく感じる。
「お前らみたいなどんな人にでも好かれて、なにをやっても成功できて、誰に対しても優しくて、そんな強者が俺は一番嫌いなんだ!」
「テルアキさん……」
速水たちは、目を見開く。俺の言葉が信じられないみたいだ。
無関係のカエデとゴウイさんも、何かを察したのか悲痛に顔を歪めていた。
「もう少し利用させてもらうつもりだったが、予定がくるったな。だから──」
この先は言ってはいけないような気がした。
いえば何もかも壊れてしまう、そう確信した。だけど、止めるわけにはいかない。
「お前らとの友情ごっこはもう終わりだ」
──言ってしまった。
これで、この関係も終わり。なくなったも当然。
いや、もとからなかったようなものだ。俺は元々ぼっち。それが元に戻っただけだ。
関係のリセット。本来なかったはずの関わりを絶っただけ。
……そもそも俺みたいな最低な野郎が関わっていいような関係ではなかった。
だから、これが成功したらあとはこいつらとは無関係に生きていくだけ。
「……君は本当、想像以上に最低だ」
「……興味が失せたか?」
「いや、ますます気に入った。歓迎するよ、横川クン」
笠島がそう言うと同時に、体の麻痺は止まった。どうやら本当に歓迎してくれたらしい。
どうせこいつのことだ。俺の内心を理解した上で言っているのだろう。
ケタケタと笑いながらこちらに近づいてくる。
「……笠島。こいつらは俺が殺しとこうか?」
「!?」
「ん〜、新しい仲間の歓迎会しないとだから、今度でもいいかナ。取り敢えず捕まりなよ」
「了解」
……本当なら速水たちを殺す役目を受け持って、笠島を帰した後逃がす算段だったが、それは必要ないみたいだ。
この状況を楽しんでいるようにも思える。本当にイラつくやつだ。
こちらを親の仇のように睨んでくる速水たちを無理やり視界から外し、側近のモンスターなのか、転移しようとしている笠島の肩を掴む。
転移先は、廃墟だった。
笠島について行き、廃墟の仲へと入る。
「あ、そうそう。横川クン」
「……なんだ?」
「君、本心から仲間になろうと思ったわけじゃないよね?」
やはり、バレてたか。
だけど、俺を連れてきた意味がわからない。バレているのなら、あの場で全員殺しとけばいいはずなのだ。
「なんで連れてきたのかって顔だね。簡単な話さ。僕は遊ぶのが好きなだけだヨ」
遊ぶのが好きなだけ。笠島の行動全てが遊びだというのなら、数十人もの人間を巻き込んだのも遊びなのだろうか。
背筋がゾッと震えた。
「俺からも質問がある」
「なんだい?」
できるだけそれを悟られないように平静を装う。
──俺からの質問はただ一つ。
「笠島……いや、笠島竜太郎の皮を被ったお前は一体何者なんだ?」
「…………」
俺の質問に、奴は少し驚いたような顔を見せ、そして獰猛な笑みを見せた。
さてさて、今回も斜め下、いや、もう斜めどころじゃなく真下な賭けをしたい輝明ですが、今後どうなっていくのでしょうか。これは俺にもわかりません!
……無能作者でごめんなさい。次からしっかり計画立てて書いていきますので……
次回もよろしくお願いします!