勇者召喚
この調子で投稿し続けると元の話が短いので、
やばくなることに気がつきました。
あと、魔法少女はでませんよ?あれは詐欺行為ですからw
日本だけでも年間に行方不明になる人は数万に及ぶ。仕事・恋愛・
家庭での悩みからの失踪。海・山・川などでの遭難。ボケ老人の迷子
から、小さい子供の誘拐に至るまで多岐に渡る。当然、ほとんどの
事例は後なり先なり行方不明とされる要因が確認される。
しかし、中には、所謂『神隠し』としか考えられない事例もあるの
は確かだ。目を離した僅かなした内に『消えた』という事例である。
この日本でいう『神隠し』、『異世界』側からすると『勇者召喚』が
含まれている。
数年前から、日本で『異世界召喚物』のライトノベルが流行り
出した。呼応するように、多くの『異世界』からの『勇者召喚』が
多発し始めた。日本で流行りだした『異世界召喚物』のライトノベル
の影響を『異世界』の創造神たちが受けたのか、逆に日本人の若者
たちが『異世界』からの影響を受けたのかは定かではないが、何かの
因果関係はあるのだろう。神が信仰を造るのか人の信仰が神を造る
のかといったところか。
問題なのは、その事例数の増加ではなく内容の変化だ。
本来、『勇者召喚』とは『異世界』より高位次元である『地球』から
人的資源をルールに基づいて拝借するものとして設定されていた。
召喚される勇者となるものが召喚を承諾した場合や、地球での死を
迎えた者、死を目前に迎えている者などしか基本的には召喚できない
ようになっていた。例外は、偶然に迷い込んだ者たちぐらいであろう。
しかし、ここ数年の召還は、召喚される者の意志を無視した強制的で
ランダムな召喚が散見される。ちょっとアレな創造神がやらかしたり、
その意志を受けた各『異世界』の管理者『神』やその世界に住むもの
たちがやらかしたことである。とどのつまりは、その『異世界』の
創造神の許可なくして召喚・転生はできない。
でもこの程度のことは、工藤にとっては『ふーん』といった程度の
ことである。最初は熱い正義感から対応していたのだが、あまりにも
発生数が多すぎて正直対応できずに諦めてしまった。召喚された者
たちが、実はゲーム感覚で適応して楽しんでいることや周辺の神々が
対応してくれるようになったこともある。最近では、直接関わった
時に、やらかした創造神や『異世界』の管理者である『神』や召喚
した王族なんかをドつきに行くぐらいだった。
とは言え、もともと『おじいちゃん』からの依頼内容であるので、
手放しであるわけではない。数多の事件が起こる中で気になった
『異世界』に限定してだが調査している。今現在、関わっている
異世界『パンドラ』では、その創造神も世界の管理者である現地の
神も召喚を許可していないのに、その世界に住む者たちが、
直接召喚を可能にしている。
その召喚を神々たちが妨害しようにも、召喚の度に方式がアップ
デートされていて対応が後手に回ってしまっている。『勇者召喚』の
システム自体を停止させることしか現状は手段がないのだが、
『勇者召喚』自体が『地球』と数多の『異世界』を繋ぐ転生システム
に組み込まれているため、止めるわけにもいかない。
よって今は、創造神と神の協力を仰ぎながら工藤が逐次対応して
いる。
実際の召喚は、このパンドラにおいてのみで言えば、定期的に発生
はするが、神々や現地民の協力を得てはいるが、工藤ひとりで対応
できていると言えよう。それは、ここで発生している『勇者召喚』が
定期的であるからだ。そう、この異世界パンドラで発生している
『勇者召喚』は、パンドラに存在する多数の国家で発生しているのに
全体でみると定期的で計画的に発生しているのだ。
何者かが、国を誑かし『勇者召喚』させている。『実験』として。
現地の神である管理者どころか創造神ですら阻止できない
『勇者召喚』。人の手によるものではないと考えるのが当然だろう。
パンドラ全体で見れば計画的に行われている『実験』なのだ。
国単位が集まった程度では、規模的にも技術的にも不可能である。
おまけにこの『勇者召喚』、発生するごとに進化していっている
のだ。前回の『勇者召喚』のデータを回収してアップデートして
いるようにしかみえない。そして『実験』が匂わす存在、工藤と
『駄女神』フィオナが追いかける『大元のクソ虫』の影が
ちらついているように感じられる。
多くの『異世界』が存在し、多くの創造神が存在している。
なかには駄女神のようなへっぽこもいるのだが、まっとうに
『異世界』を運営している方々がほとんどだ。皆さんの性格は地球の
多神教のように様々であったりもする。はっきりいって人間性に
溢れている。となると、こそこそと隠れて悪さをしているヤツが
いるようで、工藤が『大元のクソ虫』と呼んでいる存在もそれだ。
こいつを追いかけ、正体や『実験』の目的を探りつつ、フィオナを
鍛え上げる。そして、フィオナのあの『異世界』を復活させ、
仲間たちのもとに会いに行く。それが2人の宿願なのである。
そのために工藤は、異世界パンドラで活動しているのである。