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プロローグ ― 堕 ―

 2014年 ー 夏 - 


 岐阜県白山スカイライン。


 山奥ではあれども、脇を流れる大きな川のお陰で、曲がりくねったような道

ではなく、スカイラインの名が示す通り、車で走っても快適、車窓から

広がる景色も素晴らしいところである。もっとも、当の彼は車に乗って

ドライブしている最中なわけでもなく、本来、人が入り込まない道路の下に

流れる川のそばに立っていた。何かを調べているようである。


 誰が見ても木や草、岩と土、勢いよく流れる水しかないように見えるのだが、

彼には何かが『ミエテイル』ようだ。確かに2週間前までなら崖崩れに巻き込

まれ川へと転落した観光バスの残骸とその事故調査の警察関係者、それを取材

するマスコミと大賑わいだったのだが、今は時折訪れるタブロイド誌の記者か

野次馬観光客以外は、道路からここまで降りてこないので、今は彼ひとりで

ある。


 その身長は2メートル近く、体重も100キロを軽く超えている。しかし、

長身のスポーツ選手のように細身でもなく、相撲取りのような太った体型では

ない。似ている者がいるとすればフリークライマーが近いであろうか?まあ、

彼から受ける第一印象は、痩せた熊といったところではあるが......




「微かに残る魔力...しかし、地球に存在する魔力とは違う?...」


 彼はズボンの後ろポケットからタバコを取りだし火を付けて、深く吸い

込む。タバコの銘柄はマルボロのブラックメンソール1mg、知り合いから

は、そんな軽いのでいいなら止めればいいのにとよくからかわれている。


「なんで、こっちで受けた仕事なのに『パンゲア』に繋がってんだかなあ」


吐き出したのは、大きなため息交じりのタバコの煙だった。


 彼の名は工藤 剛。異世界の創造神たる女神たちの番犬である。


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