表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/28

プロローグ ― 起 ―

前作の主人公は引きずっての続編となります。

すでに大体書き終えているのですが、現在全25話とボリュームが

足りないときています。ずるずると投稿せずに放置化しそうなんで

読んでもらって批評をバンバン入れてもらいたいです。

それで展開は変わりませんけどね。シリアスで後味の悪い暗い展開を

一部混ぜ込むのが今回の試みです。

基本毎日更新です。

 2013年 ― 春 ―


『るーるー るーるー るるーーるー るるーるー

 るるーるー るるーるー るるーるー るるーるーー

 るーるー るーるー るるーーるー るるーるー

 るるーるー るるーるー るるーるー るるーるーー......』






 夕闇の中に堕ちていく校舎の中、真新しい制服に身を包んだ少女がひとり、

歌を口ずさんでいる。歌詞はないのか、はたまた知らないのか同じメロディー

をただ繰り返し繰り返し口ずさむだけだった。


 部活動を終え、仲の良い先輩後輩や友達同士で連れ添って、次々と家路へと

向かうこの学校の生徒たちを4階にある美術室から、只々、愉しそうに、

何処となく、羨ましそうに眺めているだけだった。


 少女の制服は、この学校のものであるので、ここの生徒であるのだろう。

だが、少女は夕日が闇にその身を委ねようとしている今でさえ、帰ろうと

する素振りを見せない。まるで、その必要がないかのように。


 少女から受ける印象は、真面目で気の弱そうな普通の子、どのクラスにも

ひとりはいそうな娘だ。肩まで伸びた黒い髪、目の上で切り揃えられた前髪、

可愛い色のフレームの眼鏡、膝にかかる程度の深緑のチェックのスカートに

白いハイソックス。下ろしたてのベージュのブレザーにパリッとした白い

シャツと赤いタイがよく似合うちょっと背の低めでぽっちゃりした、どこと

なくまだ幼い娘だ。新入生なのではないだろうか。


 いよいよ夕日は西の山々の中に消えようとしている。


 少女はまだ歌っている。


 ただ歌っている。


 歌っている。


 歌っている......


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ