表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/20

だるいなあ……これだから近頃のわるいもんは……

英雄の箱庭生活のねたが出来ない……


 とりあえずこっちでお茶を濁す……

 とりあえず明は公園の出口の方に行ってたな。


 ……………………あいつ狙われてるって自覚あんのかよ。ま、そこはいまさら言っても仕方ないか。


 俺は明の行った方向にリヤカーを引いていく。遠くに言ってないといいんだけどな。


 その後俺は三分くらい歩くと明を見つけた。出入り口の外でだ。


 しかし見付けたはいいが最悪としか思えない状況だ。


 明を昨日追いかけて他っぽい服装の奴らが押さえつけてたからだ。









 とりあえず状況を見るために出入り口から十メーターくらい離れたところの大きな木の陰に隠れる。


 その時リヤカーの転がす音で気づかれないようにひっくり返しておく。二人ほどリヤカーの中でうめき声をあげていたがそんな事を気にしている場合ではない。


「オラ! さっさと来い! 今日は能力使おうが関係ねえぞ! こっちも能力者つれて着てんだからな!」


「いやよ! 早く離しなさい!」


 明を追ってきたであろう黒服のうちの一人がわめくように言っている声と明の切羽詰まった声が聞こえてきた。


 …………二。…………四。…………六人。黒服の奴は六人か。これくらいなら平気か。


 とりあえず問題なのはあの軽薄そうな男だな。


 みんな黒いスーツ着てんのに、あいつだけアロハに短パンにネックレスにピアスに、あとアクセサリーが何個かつけてるな。しかも黒服の後ろの方で余裕たっぷりににやにやしてる。おそらく偉い立場の奴何度ろうな。


 しかもさっきの黒服の言葉を信じるとあいつ能力か。


 少し状況を見ているとジジッと音がしてリヤカーが消える。潤はショックを受けてただけだから寝てなかったようで、明の悲鳴のあたりから状況がまずい事くらいは理解していたらしく何も言ってこない。……………………潤一人はな。


 もう一人のリヤカーに乗っていた朱音は獲物を狩る虎のような殺気を放っている。


 …………俺と潤に向けて。


 気持ちは分らなくもないが…………気持ちよく寝てたところをたたき落とされたんだからな。


「………………………………あたしにこんな事して無事とでも思ってんの?」


 今はまだ声が穏やかなだけましだが殺気だけは消えていない。


 ちなみに横で潤は小刻みに震えている。


 ……………………しょうがない事だろう。俺も震えてるくらいだし。膝なんて大爆笑している。笑いすぎだ。


 もしこのまま朱音の機嫌を取り損ねることは死とイコールで結ばれているのとほぼ同義だ。しかし状況が状況だけに納得させなければならない。


「無事だなんて思ってないけど話を聞いてくれ! 今明がピンチなんだ」


 そういうと朱音はは明の方向に目を向ける。


「ふーん。そういうことな。あたしが助けてやるよ。そしたらそのあと説教な」


 朱音が助けてやると言ったからには確実に助かる。目の届く範囲の人間なら確実にどんな状況からも助けられるのが朱音の能力だからだ。


 だけど代わりに俺がヒドイ事になる。説教という名の拷問によって。


「なあ朱音。オレまた気づいたら二日たってたらいやなんで、ポテチ五袋で勘弁してくんない? ポテチ一番でっかいの買うからさ」


 潤がポテチで説教を回避しようとしている。まあいつものことだし気にしなくていいか。


「じゃあいつも通り俺が雑魚をかたずけるから潤はあの能力者っぽいの片づけて。それと朱音は明の救出頼んだ」


 俺は潤と朱音に確認をとる。すると潤はめんどくさそうに、朱音は準備運動をしながら息ぴったりでうなずいた。


「さあ行くぞ。とりあえず明を救出してきてくれ朱音。で、潤は俺が雑魚をに三人殴って操って道開けとくからそっからあの軽薄そうな奴を片づけてこい」


「んじゃ。あたしもう言ってくるわ。今車に乗せられそうになってるし今行かないとまずいしね」


 そう言って車に押し込められているのを抵抗している明をみながら言っている。


 そして朱音が能力を使う。


 次の瞬間朱音は明を連れて俺達の隠れている所まで戻ってきていた。


 かかった時間は一秒足らずだろう。


 黒服達はおそらく朱音の影くらいしか見えなかったと思う。気づいたら影が来て明が消えていた感覚だろうな。まあ朱音の能力についての説明は後でしよう。


「嫌! 離しなさいっ!」


 潤と俺は、なれていたが、明は全くついていけて無いだろう。テレポートみたいな早さなんだ。そして明は何も知らないまま抵抗していた時に放とうとしていた蹴りが、潤の顔面に決まる。


 ……………………こいつの場合いつもなんだけどなんでこんなクリーンヒットする位置にいるんだ潤。


「へ? え? 何ここ? てなんでさっきの化け物蹴ってるの? え? 夢?」


 まだ混乱してるみたいだ。そして潤はナチュラルに化け物扱いだ。


「お帰り明。とりあえず顔から足どかしてやれよ」


「へ? えっええ。分かったわ」


 そう言って明は足をどかす。


「……………………オレなんかしたっけ? しかも化け物って」


 潤がとても悲しそうな声を出す。それを必死に明が弁解する。


「ごめんなさい! とっ、とりあえずどこ? ここ」


「あそこっから十メーターくらい離れたとこらへん」


 そして俺は明に大まかな状況を説明する。弁解と言うか話変えただけだけど。


「ふ~ん理解したわ。とりあえずここにいればいいの?」 


「ああ。ここにいればあたしが守ってやるよ明。その間にそこの下僕どもがあいつらかたしてくれるさ」


「へえ。朱音さんって強いんだ。なんかすごいわね」


「いやあたしは確かに弱くはないけどあいつらのが攻撃力は高いぜ?」


「朱音ってどんな能力なの?」


「それは後でのお楽しみで」


 朱音と明の中がすごいよくなっている。悪い事じゃないけどさあ。

 ……………………………………当たり前のように潤と俺は下僕扱いだし、なんか入り込めない雰囲気出してるし俺と潤(俺たち)邪魔じゃね? というか早く行けよオーラを朱音と明(女たち)が出しまくっている。


 耐えきれなくなって仕方なく俺達は黒服達の前に出る。


「なあ心冶」


「なんだ?」


「オレ達の扱いひどくね?」


「何をいまさら」


「確かに」


「「はあー」」


 俺と潤はため息をつきあう。しかし獲物に逃げられた黒服さん達はそれすら気に入らないらしく襲いかかってくる。


「オラ! 死にやがれ、余裕ぶりやがって!」


「戦ってる最中に喋るなよ。舌噛むぞー。それと潤は後ろの方にいる奴を抑えててくれ。こっちが終わったら加勢する」


「オッケー。んじゃ行くぞ~! 『英雄道化師ミスキャスト・サーカス』の公演開始だ。今日の観客はそこにいる全員だ! みんなステージに上がってもらうぜ!」


 そう言ってさっき潤がスプラッタ・サーカスをやっていた時の観客席が無く、円形のステージだけ残ったような形の空間が出現する。


「あ、そうだ。心冶って明ちゃんにオレの能力のこと話してないんだろ?」


「そういえばしてないな。直接見た方が楽しめるだろうし一切話してないぞ」


「んじゃ外の二人も呼ぶか。----観客の入場だ観客席を開けろ『英雄道化師ミスキャスト・サーカス』」


 潤は能力発動の文言を唱えた。するとステージを上から見渡せる一くらいの高さに二つだけ観客席ができた。


 そしてそこにはまた驚いたのか、後ろに下がろうとして椅子につまづいて倒れこむようにいる明の姿が見える。…………何やってるんだあいつ。朱音の方は慣れた様子で普通に椅子に座っている。


 これで明達のほうに他の奴がいくことは無いか。他にいたとしても朱音がいるから心配ないだろう。


「おいテメーラとりあえずあいつらぶっ飛ばしてこい! あいつらこ殺しはしねーみてーだから安心して突っ込んでこいよ。倒した奴にはボーナスやるぞ。ひゃはは」


 そう言ってアロハシャツの男が六人いる黒服どもに命令する。


 黒服達は金に目がくらんだのかやる気が出たようで各々言葉を叫びながら突っ込んでくる。潤はアロハの男が今は攻撃してこないのを知ると俺の後ろの方に下がった。


「オラ! ぶっ飛ばしてやる!」


 こういう奴らって大声で叫びながら襲いかかってくるのはなんでなんだろうなあ。


 俺はそいつの大振りすぎて隙だらけな右フックをよけながら、がら空きになった右のわき腹に蹴りを叩きこむ。


 これだけで俺の能力----『絶対法律(マインズ・ルール)』は発動条件は満たされた。その能力の主な使い方は人体操作とその伝染だ。


「『俺の手足として動かし続けろ。『絶対法律(マインズ・ルール)』』」


 俺は一定以上のダメージを与えると、そいつを意のままに操る事が出来るようになる能力だ。一定以下のダメージだと一回限りの命令になったり、すぐに破られたりしてしまうので強い奴には一瞬隙をううみだすくらいにしか使えない。


 『一定』の判断基準としては、相手の精神力の強さに比例する。ヤクザ見たいに自分さえよければそれでいいみたいなクズなら俺は一発殴るだけで操れる。


 なので能力者には効きにくい。辛いトラウマから能力を得ているにしろ、努力が報われなかった奴にしろ精神が強くなっているので能力者には効きにくい。


 だが、俺の支配下にある奴が行った攻撃も俺が運動エネルギーを相手に対して与えられたと判断されるらしい。


 つまり将棋みたいなもんだ。取った駒を使えるというだけの能力ではないが一対多数の場合は、いつの間にか複数対複数に持ち込めるし数の絶対的有利をとれる能力だ。


 こういう状況だと非常に役に立つ。


 だから俺は基本的に仕事ではみんなで戦う時になると雑魚を片づける係になっている。他の奴の能力だと殺しちゃうかもしれないしな。


「オラァ! 死ねガキ!」


 俺が最初に殴り倒した奴のすぐ後ろにいた奴が、俺めがけて特殊警棒を振りおろしてくる。


「やだよ! 誰が死ぬか」


 俺はそれを交わし、殴って俺の手駒にした奴を使って殴る。するともう一人俺の手駒になる。


「くそっ! 相手は一人だぞ! 何やってんだ!」


 黒服のうち一人があせったような声を上げて拳銃を取り出す。


 後ろの方で拳銃を取り出してくる馬鹿がこっちに向けて撃とうとしてくるが、さっき配下にした駒が持っていた特殊警棒を投げさせて軌道を変える。


 そしてそいつを他の二人を使って殴り倒す。


 これで俺の駒が俺含め四で相手の数が三でこっちが有利かか。


 俺は拳銃を持ってた奴から拳銃を奪い取る。そして後ろでへっぴり腰になっている奴が二人いたので頭めがけて打つ。


 ちなみに飛び道具を使っても俺の能力は適応される。


 俺が行ったことが原因誰かが傷つくと、俺の能力は自動で発動。


 そして傷ついた人の中に傷つく代わりに俺がいつでも操れるエネルギーとしてストックされる。なので俺は基本的にどんな無茶をしても人を傷つけることは無い。


 そして銃弾を眉間に受けたへっぴり腰二人を駒に加える。これで六対一だ。


 そして最後に残った奴はへっぴり腰より前にいたのでへっぴり腰二人組に捕まえさせる。そして俺は拳銃の引き金を最後の奴の眉間めがけて引く。


「チェックメイト」


 これで全員掌握完了だ。


 黒服の奴を全員片づけ終わるとぱちぱちと拍手の音が聞こえた。


 拍手をしている奴――アロハシャツの男のほうに俺達は注目している。


「ひゃはは。すげーなお前ら。あの人数を一人でかしかもこの早さって。三分たってねーぞ! ひゃはは! 流石天下の能力者集団『MARS(マルス)』だな」


 アロハの男は俺達の事を知ってるみたいだ。


「だがなあ! 俺の能力には勝てねえよ! あんな程度の能力で俺に楯ついた事を後悔させてやる!」


 中二病っぽい発言してるなあ。第一、死亡フラグ立てすぎでしょ。あれ。


「とりあえず潤任せたぞ」


「オッケー。明ちゃん達も見ててね~」 


 ゆるく潤が答える。


「ひゃははっ! 俺とやるのは道化師サンか! いいぜいいぜ! 遊びに付き合ってやるよ! お前らのオママゴトによ!」


 なんだこいつ? なんでいきなりテンションあがってんだ? 黒服襲わせてる時は静かだったのに。


 しかし潤と朱音の顔が曇る。何かあんのか?


「心冶。さがってろよ~。ちょっとあいつ倒してくるからさ。んじゃいくぞ!」


 そう言って潤は戦い始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ