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道化師潤という男

 沖縄楽しかったぜ!


 夜騒ぎすぎて喉がつぶれたけどな!


 それにしても。


 活動報告に詳しく書くけど、出会って一夜で椅子って。


 どんな人生を過ごしたらそうなるんだろう?


 俺達のいる孤児院には男女で一部屋ずつ部屋が分かれていて、二部屋とも二階にある。その内一つを男性陣が使い、もう一つを女性陣が使っている。


 昨日明が泊ったのは後者だ。


 そして俺は男の部屋に入る。


 そこにはゲームやら漫画やらが散らかっている。


 しかも散らかしたのはこの部屋の俺ではない方の持ち主だ。


 今は男は俺入れて三人で、その内一人は家にいないので必然的に一人に絞られる。


 男の部屋は半分くらいが三段ベットで占められており、荷物はクローゼットの中に入ってる。


 そしてベットの上を五十冊以上のラノベや漫画やアニメグッズで埋め尽くされながらそいつは寝ていた。


 とりあえず俺はベットで寝てる奴をぶん殴った。


 だがそいつは起きない。


 ふ~やっぱ起きないか。


 俺も朱音に殴られた時はこうだったらしいからな。しょうがない。


 今度は能力を使って殴る。


 おさらいしておくと、俺の能力は、難しく言うと、『自分が与えたエネルギーの分だけ与えられたエネルギーに応じたルールを与えるもの』というちょっと分かりにくいものだ。


 簡単に言うと。


 殴ったり蹴ったり、武器を使って燃やしたりするとその分だけ相手を思い通りにできるというものだ。

 

しかし能力を発動した場合、殴った時の衝撃やらなんやらが全部能力使用のために使われるので痛くはない。


 これは弱点の一つでもある。殴っても髪の毛一本動かせないんだからな。


 それは置いといて俺は潤を殴る時に込めたルールは『起きる事』だ。


 これを使えば大抵の奴は起こせる。


 しかし潤は起きない。たぶん眠りが深すぎてまだ起きれないんだろう。


 ということでもう一発殴る。


 しかし起きない。


 さらに殴る。


 まだ起きない。


 一回対価で深い眠りについちゃった奴を起こす時もこれで聞いたのにな。


 あれ? なんかおかしいな?


 そう思って脈を測る。


 しかし脈の音はしない。もうピクリとも動かない。




 ……………………………………………………死んでる?




 はあ一回も出演しないで身内に絞殺されるってどんだけ? しかも殺された理由がポテチの到着を遅らせたからって。


 まあいっか。潤だし。


 潤。


 さよならだ。今までありがとう。あの世でも楽しく暮らせよ?


 冥福を祈りながら胸の前で十字を切る。俺は特にクリスチャンというわけは無いんだけどね。


 十字を切り終わった後窓を開ける。


 そしてその死体を持ち窓の外にに投げ捨てるために窓を開けて勢いをつける。


「ホントに捨てる気かよ! 死ぬわ! オレどころか大抵の人間は死ぬわ!」


 いきなりその死体が叫び始めた。


 はぁ~あ。もう少しで捨てられたのに。


「寝たふりしてる奴にちょうどいいと思って。それに馬鹿は死ななきゃ治らないって言うだろ? だから直してやろうとしたんだ」


 すると何が不満だったのかまた叫んでくる。


「治る代わりに死ぬけどな! 第一能力使ってまで起こしに来る時って大抵面倒事じゃねえか!」


 そんな理由で寝たふりこいてたのか。仕事の時もあるのに。


「今日は面倒事だけじゃねえよ。紹介したい奴がいるんだよ」


 あー。でもこいつ紹介すんの嫌になってきた。やっぱやめようかな紹介すんの…………。


 そんな俺の心境も構わず潤は暑苦しく聞いてくる。


「もしかして女か!? なら行くぞ! 何してんだ!」


 あ~。うぜえなこいつ。一発くらい殴ってルール作ってからいこうかな…………。もちろん込めるルールは『礼儀正しくしてろ』だな。


 しかし、潤はいきなり思案顔になって考え込む。何してんだこいつ?


「あー。そうだ心冶じゃ女の子なんて紹介できないか……………………。テンション上げて損した」


 そうかそうか。そんなこと考えていたのか。


 うん。やっぱ殴ろうこいつ。ついでに昨日のお返しもしておこう。


 俺は潤が布団の中にもう一度入ろうとしたところを見計らって後ろから頭を思いっきり殴る。


 しかし殴っても手ごたえは無い。空気を殴ったような感じだ。


「ちっ!! もう逃げたか!!」


 潤はいつも俺が仕事の手伝いを頼もうとすると逃げる。だけど自分の分の仕事だけはちゃんとやってるからみんな強く怒れない。


 たまに自分から手伝ってくれる時もあるがそれはあいつのトラウマに関係することだからここでは語るのを止めよう。


 俺は今日何も仕事ないし明をみんなに紹介するか。町も案内したいしな。


 俺は下にいる明に向けて大きな声で言う。


「おーい、明。今日他の奴紹介するから外に出る準備しろ~」


「なんで紹介するのに外に出なきゃいけないの? ここに住んでるなら夜でいいじゃない」


 と返事を返してきた。


 確かにそれはごもっともだけど、潤の場合逃げる可能性があるんだよ。しかも明後日くらいまで帰らない可能性すらな。たぶん潤は仕事場に行ってるだろうから能力も分かるだろうし一石二鳥か。


 それに外に出て行っちまってる天然娘も丁度いいから紹介しちまおう。あ、そうだついでに朱音もつれて行こっと。


「なあ、朱音も潤とあの天然娘探し手伝ってくんない?」


 まあポテチでもおごるって言えばたぶんついてくるか。財布に金少し入れとかなきゃなあ。


「……いいぞ。あたしも今は仕事ないしな」


 朱音は予想以上に考え込んだ後いつもよりテンションが低い声で言ってきた。


 確かにいつも潤見たく高いわけじゃあないんだけどなあ。


 まあいいか、機嫌が悪い日くらい誰にでもあるか。


 そう思いながら明になんで外に行くかを説明しに行った。


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