なんでだろう?
分りにくかったら文句言ってください!
俺の朝は今日は特別早かった。
いつも休みの日は飯が七時で片付けが八時から九時、掃除、洗濯を分担してやるのが九時から十時なのだが、明がいるせいで俺だけスケジュールを詰められてしまった。
結果的に片付け、掃除、洗濯が三十分ずつ短くなって、九時には俺はすべて終わらして置かなければいけなくなった。
今家にいる奴らは俺と明を抜いて二人しかいないが、潤はいまだ回復していないので、朱音だけ掃除やら洗濯やらしている。
まあ、とりあえずは超能力の基礎知識についてだけでも教えとかないとまずいしな。
一階のリビングにある椅子に座りながら俺は明と話し始める。ややこしくなるので、朱音と他の奴らは呼んでいない。
「とりあえずコーヒーかなんか飲むか?」
「あ、ありがとう。もらうわ」
コーヒーを渡すと普通にすすり始める。
「そういえば明って元金持ちだよな? そんな安物のコーヒーとかでいいのか?」
すると少しあきれたような顔をして溜息をつきがら言ってくる。
「金持ちだからって贅沢に暮らさないといけないわけじゃないでしょ?」
「そりゃそうか。じゃあそこまで贅沢には暮らしてなかったのか?」
「そうよ。だから学校も共学だし、家も普通より少し大きいくらいで、贅沢は旅行くらいかしらね」
なかなか庶民的なお嬢様だな。
しかも明の両親は無駄使いはあまりしない人だったらしい。
「あれ? でも昨日はめちゃくちゃお金使ってそうな格好してなかったか?」
するとまた何かいやなことでも思い出したかのように溜息をつきながら話し出す。
「叔父のほうは無駄使い好きなのよ。だからなんか知んないけど監禁されてた時に何回かパーティーがあって無駄に着飾らされて出席してたのよ。で、昨日逃げ出せそうだってから逃げてきたのよ」
で、今に至ると。とりあえず叔父さんは自己顕示欲と物欲が強いらしいな。
「あ、そういや足は治ったのか?」
「大丈夫よ。ちょっと挫いただけだから。一日もすれば治るわよ」
「なら平気か」
「なぁ、明は超能力についての知識はどれくらいある?」
「どれくらいって、物理法則を破れるって事ぐらいしか知らないわよ」
ふむ。本当に初めから教えなければならないみたいだな。
「まあいろいろ省いて話すぞ。じゃあ一九九九年、何があったか知っているか?」
「いや、特には。ノストラダムスの大予言があったくらいじゃないの? あれで全財産使った人もいるらしいけどね」
さらりと豆知識を披露する。だけど問題はそこじゃない。
「いや、そのノストラダムスの大予言が問題なんだよ」
「は? あれってなにも起こらなかったんでしょ?」
「実際は落ちてきていたんだよ」
「何がよ。なにも起こってないじゃない。第一能力者に関係ないじゃない。能力者が出てきたのは二千年に入って半年ぐらい経つてからだし」
確かにニュースを超能力者が騒がせるようになったのは明の言った通りらへんだ。
「関係あるんだよ。ノストラダムスの大予言は、何がやってくるのを予言してたか知っているか?」
「えーと。 確か恐怖の大王だっけ?」
「そうだよ。恐怖の大王、アンゴル・モアが落ちてくるっていう予言だ」
「でも何も起きてないわよ?」
「表ざたにはなってないけどな。だが世界中のお偉いさんと、超能力者達の間には恐怖の大王本人から話された。で、隠されていたんだけどな」
「は?」
まぁ、そうなるよなぁ。こんな荒唐無稽の話ぱっと信じれたら逆に驚くよ。
「続けるぞ? 恐怖の大王が言った事をまとめると。恐怖の大王は弱者を守るために降ってきて弱者に能力を与えた。これによって心に傷というか、結構なトラウマを持っている奴と、努力して報われなかった奴とかは、全員超能力が使えるようになったんだよ。それぞれに関係する能力をな」
「なによ、そんな話初めて聞いたわ。恐怖の大王って全然怖くないじゃない」
そこ? 今突っ込むところそこ? 怖さって問題か? もっと信じられないような場所もっとあっただろ?
分からない、こいつの考えていることとか、目の付けどころとか、感性とかがまったく理解できないな……………………。
「何でいきなり黙ったのよ。でもまあ信じるわ。文字も出てこないしね」
明が話し出してからようやく頭が行動を再開する。文字とはおそらく嘘を見破る能力のことだろう。
「ああ、脳味噌ちょっとフリーズしてた。というかそこで信じてたのか。まあ、あっさり信じてくれて、こっちは助かるけどな。とりあえずお前の話聞くと、たぶんきっかけは叔父さんに財産とられてさらに監禁されたことから来てるな。能力を見るとたぶんそうだろ」
嘘を見破ったりする能力者の場合人に裏切られたり騙されたりした人が多いいからな。
「ふーん。それでこんな力が手に入ったのね。ならあなたの能力は何よ?」
軽く受け流しているし前向きなのか、どうなのか分かんないな。まあいいけどな。
「説明するのめんどいから簡略化するけど、殴った相手に殴った強さに応じて、ルールを与える能力だよ。細かいところはおいおい話していくよ」
「それってこれをしないように! とかこれをしなさい! とかに使えるの?」
「元々俺の能力はそういうところからきてるんだ。使えなかったら意味無いだろ」
「つまりそれ以外にも使えると。便利な能力じゃない。問題が片付いたらうちの叔父さんにもやっちゃってよ。ばしーっと。もう悪さができないようにと自首するように」
叔父さんにやっぱ復讐したいっぽいな。力強くいってるし。
「元からそのつもりだよ。そのための能力だ。監禁するような奴を野放しにしたくないしな。ちなみに能力名は『絶対法律』だ。名前はみんなが考えてくれた」
「ヘ~。じゃあ私のも後で考えてもらおうっと」
「いいんじゃないか? あっそうだ。うちの他の連中も能力は持っているけど、過去についてはだけは聞かないでやってくれないか?」
俺だって聞かれたら嫌だし一応釘をさしておく。
「分かってるわよ。孤児院に入ってることもそうだし、全員トラウマから能力手に入れてるんでしょ?」
こいつ何気に呑み込み早いな。さすがお嬢様。
「でも俺達は全員親がいないって事以外にトラウマ持ってるんだ」
「へー。そうなんだ。てことは心冶も?」
「そうだよ。だからみんなには聞くなよ?」
「分かってるわよ」
ああそうだ言い忘れてた。
「対価については知ってるか?」
「対価なんてあるの? それじゃおいそれと使えないじゃない」
理不尽をなくすための能力とは言っても対価はあるんだよな。さすがに無償じゃ能力も動かないっぽい
「まあ対価っつても、結果的に出来るものに比べてだいぶ甘いもんだけどな」
「ハガ○ンとかみたいにすごい対価はないのね?」
「片足失ったりするなら俺は能力なんか使わない」
片足やら腕やら無くなるなんて怖すぎる。
「つまりもしそんな対価だったらビビって使えないと」
「うっ。怖くて使えないんじゃなっ無くて、不便になるから嫌なんだ!!」
そういうと胸のあたりから黒い文字が出てきた。
「うんうん。あんたがビビりってのは分かってるから別に隠さなくてもいいわよ。第一今のは能力使わなくても分かったし」
いや、男として少しぐらい強がっとかなくちゃ駄目な時があるんだよ。
そこは置いといて明の気をそらすために本題に戻す。
「本題に戻すぞ? まあ人それぞれ対価は違うし簡単には言えないけどあんまり重い対価は無いんだ」
俺の知る限りはだけどな。
「いつの間に寿命減ってたとか嫌よ?」
「それはないよ。対価は払うときには大抵分かるし」
「え? 私そんなの感じたた事無いわよ」
「明の場合対価は相手が払ってる。俺も嘘ついた時なんか出てった感じしたし」
というとまた明は昨日のことを思い出したのか顔をそむけた。
「まあ俺の能力で言うと『相手に運動エネルギーを与えること』だな」
「ふーん。殴れば殴るほど強く相手にルールを与えられるとかそういう感じ?」
「そういうこと。対価についてはこれくらいだけど他に質問はあるか?」
「あ、そうそう能力って変わる事あんの? 強くなったり無くなったり」
「基本的には無くならないぞ。変化することはよくあるけどな」
俺は変化したいい例だしな。
その後少し明が考え込むしぐさを見せる。
「他になんか質問でもあんのか? あるんだったら聞くぞ?」
分かりにくいとこでもあったのかな? 割と分かりやすくしたつもりだったのにな。
すると明は言いにくそうに聞いてきた。
「……ねえ。あんたなんで助けてくれたの?」
「ああ、そういや言ってなかったけど俺達孤児院の仲間で超能力使ってお助け屋やってんだ」
割と大事なこと話し忘れてたな。
流石に明も驚いて目を目を丸くしている。
「…………何よそれ? 胡散臭すぎなんだけど」
「ニュースにも何回か出てるんだぜ?名前は『MARS』だ。ちょっとガキっぽいネーミングセンスだがリーダーがガキっぽいからだからな?」
「『MARS』って……………………ああ! 見たことある! 一回ヤクザグループ全員刑務所と病院に送り込んでたあの!?」
「そうだよ。懐かしいなぁ。あの後くらいからなんだよな。ちゃんと依頼が定期的に来るようになったの」
あれ潤の実家だったんだよな~。もう潤から聞かされる恨みとかもあってみんな歯止め効かなかったんだよな。
「あんた何気に凄かったんだ…………。ただのビビりじゃないとは思ってたけど」
「おい! いままでただのビビりだと思ってたのかよ!」
明は心底驚いていた。
「そうだけど?」
即答で、さも当然だと言わんばかりに言ってきた。
「何で俺は助けたんだろう?」
「それはいいとして依頼料なんて持ってないわよ? 無一文で来ちゃったし」
軽く流されましたね。はい。
「ああロハでやってやるよ。こっちから口出したことに金払えとは言わねえよ」
「…………ありがと」
それっきりまた明は考え込む。そしてまたもじもじし始める。
こいつの癖か? このもじもじするの?
「なんか言いたい事あるのか? あるんなら言えよ」
「じゃあ聞くけど……………………」
まだ言いずらそうだったけど言お決した様子で言い始める。
「どうして助けてくれたの? 仕事だったら分かるけど、ただ働きなんでしょ?」
「う、ああ気まぐれだ。つまり昨日はそんな気分だったから助けたんだよ」
そういうとまた黒い文字が胸のあたりから這い出てきた。
「……………………………………………………」
「……………………………………………………」
「嘘よ「お願いしますやめてください」
嘘に隠された本音を見ようと言霊を唱えるが俺はそれをかき消すように嘆願する。
こいつの能力でっ見られたあら隠したところで元も子もない。
「条件次第ね」
悪魔か! こいつは悪魔か! 人の弱み握ってるからって!
「駅前においしいケーキを出す喫茶店があるからそこのケーキでお願いします」
これで間違いなく千五百円は飛ぶ。…………今日何日だ?
俺はカレンダーを見る。そこには七月十五日と書かれている。
小遣い日(孤児院には小遣いなど無いので給料日は自分で働いた金からいろいろ引いたもので大体月五千円くらい)は二十五日だから、後十日か。財布の中身は今野口さんが二枚と五百円玉が一枚と三円か。あ、そういや来週みんなでカラオケ行くっつてたから千円はまず飛ぶな。…………あれ残りが無いよ? 最悪の場合はだれかから借りるしかないか。トイチで利子とられる…………。
「…………なんでいきなり無茶苦茶深く考え込んでるのよ。第一まだそれでいいなんて言ってないし」
なん…………だと?
これ以上俺の財布にダメージを与える気か!
来月欲しい本あったのにな…………。さよなら俺の本達。
「今度はなんでそんな達観したような顔になってるのよ…………」
誰だってなるさ。一度しか無い高二の夏休みを極貧状態で過ごさなきゃいけないんだぜ?
「すいませんこれ以上高いのは勘弁して下さい。他なら何でもいいんで」
俺がそういうと明は少し考え込む。
そして何かを思いついたかのように目を輝かせて言う。
「じゃあ召使にでもなって。私の問題が解決するまででいいから」
…………召使になれと?
この人?
こいつ昨日会ったばっかだよな?
なんでこんな無茶ブリしてんの?
「あれぇ? さっき何でもするって言ってなかったっけ?」
困惑する俺を置いて明が追い打ちをかけてくる。しかも勝ち誇ったようににやにや笑っている。
「………………………………」
「(にやにや)」
「………………………………」
「(にやにや)」
「この仕事の代金としては?」
「しないわよ。さっきロハでやるって言ったじゃない。第一私が能力発動用の言葉を唱えればすぐにあなたの知られたくない部分が私にばれるということは忘れないでね?」
すごく丁寧に解説してくれてありがとう。俺はもう一度今の状況を整理するが明の言った通り逃げ道なんてない。
ああ! くそ! 最悪の状況じゃねえかよ!
おそらくこいつが抱えている問題は最悪一カ月以上かかる。一か月は召使かよ。
「………………分かったよ召使になればいいんだろ!!」
俺はヤケになって叫ぶように言う。しかし明は満面の笑みで笑っている。
「よっしゃあ召使ゲット~! ラッキ~!」
…………ここに悪魔がいた。
「で、何すればいいんだ?」
「基本的にはジュースとか取ってもらったりとか私が動くのがめんどくさかったときに動いてもらうくらいだから安心して。あと、買い物したときに荷物もちとか、この辺の案内とか」
「まあそれくらいなら問題ないけど、条件がある」
「お金が関係する事とか約束がある時はそっち優先でいいかとかならいいわよ」
すでに読まれていたか。話が早くて助かる。
俺が感心していると明が続けていて来る。
「あ、さっきの事は問い詰めないけど、話していい範囲でいいから私を助けた理由は教えてね? じゃないと信用しきれないし」
…………うーんほとんど話したくないんだけどなあ。あんまり効かれたい話じゃないし。
俺の能力に係わる話だしな…………。
「…………どうしても知りたい?」
「うーん。どうしても言いたくないなら良いけど」
明がすごい聞きたそうにこっちを見て言ってくる。好奇心が手に取るように分かる。
…………顔に出すぎだろ。
「しょうがない、俺の能力にちょっと関係あるんだ。なんで能力を手に入れたか以外話してやるよ」
そういうと明は少し安堵した顔でこっちを見てくる。なんで助けてくれたのか分からなくて不安だったのか?
ま、あんま話したくないけど話すか。
「明を助けた理由を一言で表すと、理不尽が許せなかったからだな」
「自分の身を危険にさらしてまで?」
本当に疑問に思っているようだ。元大金持ちだったてことは裏のどろどろしたところでも見せられたのだろうか? それとも監禁生活でそう思ったのだろうか?
「ここを詳しく話そうとするとたぶん長くなるぞ?」
「別にいいわよ。こっちから聞くんだし」
「理不尽に自分が傷つくってのは、想像以上に辛いものがあるだろ? それはお前も経験してると思う」
明は真面目な顔でうなずいている。これは絶対監禁のことを思い出しているな。
「俺もどれだけ辛いか身にしみてわかる。だが理不尽なことは永遠に無くならないだろ? だったら俺がほんの少しでも減らしてやりたいんだ」
「そうだけど…………。なんでそんなに理不尽にこだわるの?」
真面目な顔で聞いてくる。なあこの話が始まってからずっと真面目だったけど。
「俺が身近にいる奴だけでも病気や、海難事故とかみたいに人の意志では避けられない事と----」
少し明を見ると、言葉を飲み込むように微かにうなずいている。やっぱちゃんと聞いてくれるっていいなぁ…………。俺の周りにいる奴は基本的に俺の話きかないしな…………。
少し哀しい事を思ってしまったけどとりあえず本題に戻そう。
「----暴力を振るわれる、麻薬を無理やりやらされたり、飲酒運転の車の交通事故や、戦争など人間が『防げるのに防がない』ことにより受けることがあるのは分かるだろ?」
「分かるわよ。流石にこんな変なとこで躓かないわよ……………………」
明はそうあきれながら言う。あきれてる所悪いが。
…………いたんだよここで躓いた奴。
そういや言ってなかったっけ? あの天然娘の事は。
「まあいたんだけどそれは置いといて今のところ質問ある?」
「いたんだ! ここには変人しかいないの!? 今のところビビりと傍若無人そうな人と今話に聞いた重度な天然な人しかいないんだけど!?」
当たり前のように俺はビビリか。
「いや後二人いるぜ? 一人は超重度のオタクで、一人は俺達のリーダー」
「何そのラインナップ!? まともそうなのリーダーだけじゃない」
「もうビビり認定は諦めるけど、言っとくがその変人達のリーダーだぞ? まともだと思うか?」
何を甘い幻想を抱いているんだ。
…………自分で行ってて悲しくなってきた気がする。自分で変人だって認めてる事になるんだからなぁ。
もう慣れれたけど。
「…………こんな運命の自分を呪いたくなるわね…………。お父様達がいてくれたらこんなことには…………。お父様達を恨んじゃいそう」
そこまで嫌かよ。なれると楽しいぞ? 変人しかいないから飽きないだろうし。慣れるまでが大変だろうけど。
「まあその分腕はいいぞ? 受けた依頼の成功率はかなり高いしな。テレビ番組で特集組まれたくらいには」
「そんながっつりテレビに出てたんだ…………。思ったよりすごいわね…………」
こいつは俺達のことをどう思ってたんだ。変人組織か?
「朱音さん以外の人はどこにいるの?」
「一人は昨日病院に行ってて泊って来るっつてたからいなかったし、もう一人は他人に買い物頼んどいて自分はさっさと寝てやがった(寝かせられてた)けどな。後の一人ははどっかぶらぶらほっつき歩いて仕事してる」
「ふーん。とりあえず二番目の人が潤て人?」
「そうだよ。昨日話しに出た奴だよ」
あ、そうだ。みごとに話がずれたな。
「本題に戻すぞ? 聞きたくないならいいけど」
「ああごめんごめん。聞きたくないわけじゃないわよ」
軽い感じで本題に戻ろうとする。
「ここから一気に話すぞ? それと一度しか言わないぞ、こっちだってくさい事言うってわかるし」
ホントにくさい事だから言いたくないんだよな…………。
「分かったわ。口出さないわよ」
「じゃあ始めるぞ?
監禁もさっき言った話で言う後者に含まれるだろう? 監禁の事実を知ってる人が防げるのに防がない、しかも我が身かわいさでだ。こんな理不尽なことは許せない。
俺も昔、辛い目にあっているんだ。これでもな? その辛さを知っているのなら、俺も理不尽を見て見ぬふりしてたら『防げるのに防がなかった』奴らと一緒になってしまうだろ?
それだけはダメだ。
俺はそれだけは許さない。
こんな防げる理不尽なら俺は絶対に俺が何とかしてやる。
全てを俺一人でこの世の全部を防ぐことは出来ないが、目の前で起きることぐらいなら救ってやる。
ちっちゃいころそう決めたんだ」
自分でもくさいセリフだと思ってる。でも間違ったことではないと思うんだ。でもはずかしいから一気に言う。
「なるほど。それで助けてくれたんだ。お化け怖いからとかじゃなくて」
そんなこと考えてたのか? こいつ……………………。
「今それを蒸し返すな!」
「うるさいわねビビりの癖に」
「ビビりなのは認めるけど次言ったら助けてやんねえぞ!」
「あんた小さい男ね。助けてやらないとか小学生みたい」
やばい。キレそうだ。これ明の自業自得だから理不尽じゃないよね?
何とか自分をなだめていると明が話題を変えてきた。
「いま誰か挨拶出来る人いないの?」
ああ忘れてた。潤は昨日は無理だったからな。
「ああ、一人今紹介する。後二人は今日の夜には帰ってくると思うからその時に紹介する」
あの二人はの孤児院の稼ぎ頭だしわざわざ呼ぶわけにもいかないしな。
「あ、そうそう。そういやうちの能力者って基本的に全員戦えるけどさぁ。俺は荒事担当だから仕事はボディーガードとか警察から回ってくる犯罪防止の奴しかないぞ」
あんまし自慢にはならないけどな。基本的に日常的には使えないってことなんだからなあ。
「じゃあ他の人は戦うようの能力じゃない人もいるの?」
「うちの孤児院の五人の内三人が日常でも稼げる能力。俺と朱音以外は荒事以外にも日常的に使えるからそっちの方で基本的に仕事してる」
俺は荒事しかできないからたまに羨ましく感じるんだよなあ。
明がそんな俺の心境を無視して聞いてくる。
「今から会うのはどんな人?」
「一言で表すと顔は悪くないだろうけどチャラいオタクだからモテない奴」
「……………………はぁ? ん~分かったわ。取りあえずこれだけはやっちゃいけないって事ある?」
たぶん明は分かんないということが分かったんだろう。
「特にないと思うよ。でもあんまりオタク系の話はしないでくれ。ものすごい喋り出すから」
「そんなに喋るの? でも自分の好きなものを語れるってすごいと思わない?」
「ちょっとなら分かるけどなぁ。そのまま聞いてたら一つの話題で三時間話してたんだぜあいつ」
「そんなに話せるんだ。今度語り合いたいわね」
新事実発覚、明はオタクみたいだ。
「お前元お嬢様なのにオタクなのか?」
「金持ちに対する偏見ね。私がオタクじゃ悪い?」
以外過ぎる! そういやもっとおーほっほとか喋るキャラ想像してたけど違うみたいだしな。
そんなことを考えていると何か嫌なオーラを感じたのか明がちょっと睨んでくる。
「そういや明って何気に庶民的だよな。昨日の服装以外」
昨日は豪華だったが今日は朱音の服を借りているので普通の格好だ。
今はジーパンを裾をめくってはいて(朱音は背が高くて足が長いので明は裾が余るから)、上はTシャツの上に一枚はおっているだけだ。
「昨日のはパーティーやってるときに逃げてきたからよ。それぐらいしか逃げるチャンスなかったし」
ああだから逃げれたのか疑問に思ってたんだよな。やっと疑問が一つ解けた。
「うちの家族って一般人と同じ目線から見ないと駄目だって思ってたらしくて大体は普通の人といっしょよ」
へーえ。だからこんな口調が砕けてるのか。
「学校とかもお嬢様学校とかじゃなかったのか?」
「そうよ。それなりに勉強はさせられたけどね。そういえば一月学校言ってないなぁ……………………」
明はちょっと懐かしそうに言ってくる。なんか地雷踏んじゃったみたいだな。
しばらく黙った後明はなつかしむのは後にしたらしく聞いてくる。
「そういえば一人紹介すんじゃなかったの? 呼んでくらなら待ってるわよ」
そういえば忘れてたな。あいつは朝飯の時にもまだ気絶してたから明とは会ってないんだよな。
「そこで待っててくれ。んじゃあもうそろそろ呼んでくる」
そういって俺はリビングを出た。
あいつを紹介するってなんか気が重いな……………………。




