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エピローグ

戦いの後。

 俺は天草に命令して取り込んだ人を全て取り出した。

 その数総勢十五人。

 その中にはアスリートや、ヤクザなどいろいろな奴がいた。

 明や潤や恵も全員に言える共通点があった。

 全員戦闘態勢を取ったり、許しを乞おうとしていたりしていた。

 自分達の中では吸い込まれた瞬間だったのだろう。

 解放された中に明の両親もいた。

 明はちょっと話してくると言って両親のもとに行った。

 その後の事は後で語るが、天草の能力が解除された後待っていたのは、リーダーと朱音の説教とげんこつだった。

 いまだに死にかけの状態の時に治してもらうよりも前に拳骨を食らった。マジで死ぬかと思った。

 その後、腕などの放っておいたら治せなくなるものだけ治し、痛みを残しつつ衆人環境で説教。

 あのときの怪我は一週間たった今でも痛む。これに関しては恵も直してくれない。

 まあ自分で自分をピンチにしたも同然だしな。

 天草は俺が自首させた。

 拉致監禁とかそんな感じの犯罪らしい。場所が異次元でも行けるんだなその法律……。久しぶりに日本の法律に感動したよ。

 俺達も警察に連れて行かれたが、正当防衛を立証して出てきた。

 この一週間天草財閥は忙しそうだ。

 天草 嗣郎が起こした事件のせいでニュースに取り上げられ続けている。

 この一週間も両親と話に行くと言ったきり一度も会っていない。

 そんなこんなで一週間が過ぎたのが今日だ。

 姉さんが今日は客が来るから片づけろという命令に従っていろいろなものを片づけている最中だった。

 久しぶりの休日も満喫できない。

「まったく。何で掃除なんかしなきゃいけないんだよ。オレ見なきゃいけないテレビあんのにさ~」

 潤がぼやきながら掃除をしている。

「お偉いさんじゃないか? じゃないと掃除なんて軽くしかやんないだろ。というか見たいテレビってどうせアニメだろ? しかもダビングしてるやつ」

「いや、オレはアニメはダビングもしてるけどやっぱリアルタイムで見なきゃな~」

「どうでも良くないかそれ?」

「重要だぞコレは! 他のやつに言ったら殺されるぞ!」

 俺と潤の二人は喋りながらリビングの掃除をしている。廊下などは恵がやっている。

 ちなみにリーダーはどっかに行っていて、朱音はさぼり。実質三人しか掃除をしていない。

「朱音もサボてないでやれよ。たまには俺達に押し付けないでやれ!」

「やだ。お前らで十分。あたしはお前らを信じてる!」

「いやその言葉今使うような奴じゃないから」

「うるさい。ちゃっちゃと働け。あたしの分まで」

 俺と潤のヒエラルキーは限りなく低い。とても悲しい事だけどな。

「恵もなんか言ってくれよ~。朱音に仕事やるようにさ~」

 潤が情けない声を出して恵にすがる。これが俺達の日常だ。本当にいつも通りの。

「潤。朱音はいも系の何かで釣らなきゃ動かないぞ。ちゃっちゃと手を動かせ」

「リョ―カイ」

 こうして俺達は掃除を終わらせた。

 その後俺は潤に聞いてみる。

「で、結局誰が来るんだ? 潤は聞いてないのか?」

 潤はおどけたように肩をすくめながら言う。

「来てからのお楽しみって事で。たぶんびっくりするぜ? オレもはじめて聞いた時めちゃくちゃ驚いたし」

「お前知ってたのかよ! なんで黙ってやがった!」

「だって朱音にも恵にもリーダーにも口止めされてたし」 

「また全員ぐるかよ! おい! 言えよ!」

「朱音頼む心冶から守ってくれよ!」

 潤が朱音に助けを求める。させるか!

「『逃げるな! 道化師 潤』」

「はっ! 潤は逃げるんじゃない。逃がしてもらうだけだ。問題無い」

 朱音が能力に対して注釈を入れて潤を背負いながら逃げる。

「てめっ待ちやがれ!」

「待たないよ! ついて来れるもんなら付いてきな!」

「そうだ! 朱音の能力は逃げるのに関しても最強なんだぞ!」

 朱音が潤を担いで玄関にむかう。朱音は俺の能力のルールからも逃げる猛者だ。

 いわば天敵。

 能力すらも危険とみなせば逃げられるという異能だからだ。

「逃げるなこの野郎!」

「野郎じゃねえよ~」

 俺も朱音達をを追って家を出ていく。

 朱音が玄関の扉を開けて外に出る。

 俺も外に出て朱音を追いかける。

 そして朱音達が右に曲がる。それを俺は追いかけて右に曲がる。

 ん? 朱音達が俺に捕まえられる寸前に横にずれる。なんでだ?

 次の瞬間それは理解する事になる。

 朱音が陰になって見えなかったところから人が出てくる。

 俺にこれを交わす手段は無い。

 そのまま衝突する。

「うわっ!」

「おうふ!?」

 ぶつかった人からも悲鳴が漏れる。

 うん。聞きおぼえがある。悲鳴しか聞いていなかったけどすぐに分かった。

 俺がぶつかった相手は――

 天草さんちの明さんだった。

 ただ一つのの救いは『絶対法律(マインズ・ルール)』のおかげで互いに怪我をしなかったことか。





 今この孤児院にはすごい人が来ている。

 天草 春三朗(しゅんざぶろう)

 天草 彩奈(あやな)

 天下の天草財閥のトップで、『MARS(マース)』に助けられた人間でもある。

 その重鎮はわが孤児院のリビングに座りお茶を微笑みながら飲んでいる。

 天草夫妻と明は並んで机に座っている。その正面にリーダー、姉さんが座り、後の人間は上にいる。俺は床で正座だ。

「あの……その子もイスに座ったらどうですか?」

「いや、馬鹿が前も見ないで走ったバツです。能力が無かったら大怪我ですよ?」

 明のお母さんが言ってくるが姉さんが断る。

「いや……それでも……」

 なおも食い下がってくるなんてありがたい人だ。

「お母様は黙っててください。座らせとけばいんです」

 明はキレながら答える。

 それにしてもこいつとはぶつかる縁でもあるのか?

「いいじゃないか明。許してあげなさいよ」

「天草夫妻は気にしなくていいですよ。で、ご用件は確か……」

 姉さんがバッサリ切って話を先に進める。これじゃ話しを戻しずらい。

「あ、っはい。とりあえず依頼料を待ってきたので受け取ってください」

「分かりました。ありがたくいただきます」

 そう言って封筒を受け取る。ずいぶんと分厚い封筒だな。

「それと、以前頼んだ事なんですが……お受けしてもらっていいですか?」

「はい、分かりました。お受けします」

 姉さんが答える。以前お受けした事って何だ?

「ではよろしいんですね? ここは依頼を受ける上で危険なこともありますが」

「本人が了解しているのです。長年放っておいた私達が文句言える事ではありません」

「そうですか。ではお受けします」

 姉さんは何を受けたんだ? 依頼って事は家にもしかして明が働きに来るのか?

「じゃあ明これから頑張るんだよ?」

「怪我に気をつけて」

 そう言って天草夫妻は立ち上がる。

「怪我は俺達が責任もって気をつけます! リーダーの俺が言うん名だから間違いありません!」

 ……リーダーってすごいよな。こんな偉い人にいつも通りの対応するなんて。

「では時間が空いたらまた顔を見せます。ではお願いしますね」

 そう言って天草夫妻は出て行った。それにリーダーと姉さんは出ていく。

「で、明は家で働くのか?」

「そうよ。これからよろしく」

 明は普通に言ってくる。

「よろしく。でもいいのか?」

「何が? 危険なのだったら承知してるわよ」

「なんでまた?」

「この家に住む限り働かないとだめらしいしね」

「ふーん。ならしょうが……はい!? 家に住む!?」

「そうよ。知らなかったの? 前に伝えてあるはずだけど?」

 知らねえよ! 心の底から一回も聞いてねえよ! 

「あいつら! とりあえずしばく!」

「いや、俺達は無罪だぜ? 隠せって言ったのは姉さんだ!」

 リーダーがいつの間にか戻ってきている。

「まあとりあえずお世話になります。リーダーさんと……」

「あねさんでもねえさんでもいい。漢字にすると一緒だからな」

「姉さん何言ってんの!?」

「まあよろしくお願いします。リーダーさん。姉さん。心冶」

「よろしく明ちゃん」

「こちらからも頼む。明って呼んでいいんだよな?」

「はい。お願いします」

「でさ、あんま関係無いんだけど、なんで俺だけ敬語じゃないの?」

「では荷物はどこに置いとけばいいですか?」

「ああ今から案内する」

「姉さんはいいよ。オレがいく」

「俺を無視して行くんじゃねー!」

 

 俺達の家に家族が一人増えた。

 こうして俺達の日常は過ぎていくのだろう。

 俺はヒーローを目指していく。

 

 この世界は平等ではない。

 善行を積んだ人が損をして、悪行を働いた人が得をする。

 健康に気をつけた人も、事故で死ぬし、不摂生をしてる人が長生きする場合もある。

 正義の代理を語った警察が我が身かわいさに子供を見捨てるし。

 生まれるところは選べずに、苦しい生活をする事もあるし。

 両親を事故で失うこともあれば、病気で親が死ぬこともある。

 それ以外にも天災で死ぬ場合もある。

 家が金持ちでとばっちりで不幸にもなって監禁されることもある。


 でも、神様はそれに立ち向かう力をくれた。

 そして立ち向かうだけの勇気をくれる仲間をくれた。それだけで十分だ。

 まあ、神様がくれた力で救われないことがあっても大丈夫だ。

 誰かが手を伸ばす限り、俺や仲間の手が届く限り。

 俺達はその手をつかみに行く。それが俺の目標だから。

 だからここでいってこうと思う。

 

 まあ、俺自身幽霊にビビってるような頼りない奴だし、頭もそれほど良くない。

 そんな情けない俺だけど――




 ――コレでも俺はヒーロー目指してます。


 








                    おわり

 これにて『コレでも俺はヒーロー目指してます。』は終わりを迎えます。

 こいつは私の処女作で、高校一年の時に書いたものです。

 今でも文章力は皆無ですが、このときはもっとひどい。

 そう思える作品です。

 ですが、こんな駄作品でも読んでくださった方もいますし、応援してくださった方もいます。

 その一つ一つが今の私になっていると思います。


 では、ここまで読んでくださった方々に感謝を込めて。


 本当にありがとうございましたっ!!!

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