表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/20

蛇をつかさどる神

 三日前くらいに完結しているはずだったのに……


 まあ、今日完成させますけどね!


 また達成できなかったらすみません……

 五章 『トラウマ』とむきあう深夜


 俺達は明の叔父さんの城に突入した。

 作戦はリーダーが各々の敵の元に送り届けた後にリーダーが雑魚をテレポートで無力化。

 その後各自能力者を倒す。という流れだ。

 潤は能力者のうち一人を。

 朱音、恵も能力者を一人。

 俺は三人倒す。

 俺の負担は大きいが、他の奴も終わったら手伝いに来てくれる。

 今俺が送られてきたのは地下の一室。

 とはいっても体育館ぐらいの広さはある。

 そこには一人の女が体育座りしてうつむいている。髪は金髪。スレンダーな体。いつもは無駄に偉そうな態度は今では見る影もない。

 真っ暗な部屋にはそぐわない人物。

 ――そこには明がいた。

「よう。元気なさそうだな」

 びっくりして顔を上げる明。ホントに目がまんまるだな。

「あんたもう関わんないんじゃなかったの?」

「仲間に活入れられてな。動かざるを得なかったんだよ。というか絵にかいたような落ち込み方だな」

「……うるさいわね。早く帰りなさいよ。もう私なら大丈夫だから関わんないで」

 こっちを座ったまま何かに脅えるように、にらんでくる明。

 いや、帰ったらそれこそ俺はみんなに殺されちゃうんだよ。みんな俺に期待してるってわかったしな。

「そういえば何でうちの孤児院から逃げ出したんだ? 何も理由なんてないだろ?」

「私がいると迷惑だからよ。あの時テレパシーで叔父さんから連絡が着て私があのまま居るとおじさんが来ちゃうしね。あんたももう知ってるでしょ? 私の叔父さんが能力者だって事」

「ああ知ってるさ。俺達なら大丈夫だよ。一人の能力者に負けることなんかない。俺って実は最強なんだぞ?」

「昔の話じゃないの? もう無くなったって……」

 驚いたように明が言う。

「まあ使わないでも最強だぞ?」

「……どうでもいいわよ。早く帰って」

 せっかく助けに来たのにひどい言い草だな。

「無理だけど? お前の事は関係なくお前の叔父さんはうちの家族達と潰す。さっき潤達に聞いて聞いて分かったけどよ。ヤクザとのつながりはあるし、お抱えで能力者が五人いてそのうち一人は麻薬を作り出せる能力者でその麻薬を横流し。お前の事が無くてもほっとけねえよ」

 そういうと明はあきれたような顔をしてまっすぐにこっちをにらんでくる。

「叔父さんがやろうとしてる事分かって無いわね。……なんで私は監禁されてたと思う?」

「逃がさないためだろ。親殺したのが自分だって世間にばらされないように」

 あきれたように首を振る明。どうやら間違っているようだ。

「それなら私を殺した方が早いでしょ。私の能力ってもう聞いてるんでしょ?」

 確かに監禁するくらいなら殺した方が早い。なんで明の叔父さんはわざわざ監禁にしたんだ?

 しかもそれに明の能力が関係してるのか。

「『蛇神(メリューサ)』だっけ? いろんな蛇の能力を使えるらしいじゃん」

「三十点。物語上のも使えるし実際の蛇の力も使える。後は自分が蛇になったり、蛇を召喚したりもできるわ。ここまで分かってて八十点」

 忌々しげに明が言う。

 すごい応用性がありそうな能力だな。それの何が悪いんだろうな?

「じゃあ後のに二十点はなんだ? 想像できないんだけど」

「ウロボロスって知ってる?」

 ウロボロスとはどこの神話かは忘れたけど尻尾を自分で食べてる、不滅の象徴とされてる蛇だ。

「知ってるよ。つまりウロボロスの能力を使えるということか?」

「そうよ。私はウロボロスを利用して自分を不死に出来る。条件はあるけどね」

「自分を不死身の能力者なんて珍しいものを見せるために監禁してたのか」

「叔父さんの遊びで何回死んだか分からないわよ。その内人間を信用できなくもなったし、途中で死にたいとも思ったけど耐えた! お父様達を助けるために我慢してた!」

 明はの声はだんだんと叫ぶようなものになっていく。

 何度も殺されて、裏切られて人間を信じれなくなってそれでもがんばってきた。

 それで今の明があるんだろう。無駄に偉そうな態度は自分で困難に立ち向かってきた事に対する自信なのかもしれない。

「監禁してた理由が分からないって言ってたのも嘘だったんだな。全部知ってんじゃねえか。まったく、嘘を見破る能力者が嘘をつくなんてなぁ。嘘を見破る能力者は嘘が嫌いな奴が多いいから騙されたぜ」

「騙して悪かったわね。心冶達の家族でもうちの叔父さんには勝てないわよ。だから帰って」

 毅然と言い放ってくる。聞く耳を持つ気は無いけどな。

「勝てるかどうかじゃない。そんなもん二の次だ。俺達は正しいか正しくないかが優先順位の一番上にあるんだよ」

「かっこつけてもかっこよくないわよ」

「これはかっこつけじゃねえよ。どうなんだ? お前は助けらたいのか? 助けられたくないのか? 助けられたいんだったら叔父さん倒すついでに助けてやるよ」

 覚悟を決めた顔で聞き返してくる。自分の運命を試すように。

「ねえ、心冶ならお父様たちの事を助けられる? 苦しいときに助けてくれなかったような人達だけど親だからね」

 さっきまでの悲しみを押し殺した声とも、怒りに任せて叫ぶ声とも違う。覚悟を決めた凛々しい声だった。

 その質問に対して俺の答えは決まっている。

「あたりまえだ! 俺は世界でただ一人の心すら操る能力者だぜ? 叔父さんから無理やりにでも取り返すさ」

「心操る能力者って……世界で一人しかいないの?」

 明は驚いたように聞いてくる。

 そうだよなあ。自分でも世界で一人とか言われてもピンとこないもんな。

「俺も驚いたよ。テレビに出た時はじめて聞かされてびっくりしたよ」

「なら、心冶を信じる事にするわ。でも私に勝てない人が叔父さんに勝てると思わないでね?」

 そういって明は立ち上がる。そこには迷いなんて一片も無いまっすぐな瞳がある。

「明が試すのか? いいぜ。即ぶった押して勝ってやるよ」

「口は達者ね? 行くわよ。――出なさい。ヤマタノオロチ!」

 空間に裂け目ができる。ぴしぴしといまでも広がりつずける。

 広がり続ける裂け目の中は真っ暗だ。

 裂け目はどんどん広がっていき体育館のような部屋いっぱいに広がる。

 そして裂け目の中から八匹の蛇の頭――いや、八個の頭を持った生物が出てくる。

 これがヤマタノオロチか。思ったよりは小さいな。おそらく最大まで首を伸ばしても三十メートルくらいしかない。十分な大きさだけど伝説で効いてた奴に比べると少し小さく感じる。

「まだ私じゃこれぐらいが限界だけど、試すのには十分でしょ?」

「十分すぎるよ。なんだこの怪物。ウルトラマンにでも出とけよ」

 そう言って俺は駆け出す。もう肉体のリミッターは外してある。

 だけどあれにどれだけダメージがあるかなあ。

「押しつぶしなさい。ヤマタノオロチ」

 明の命令とともに八本の首が俺にむかって振り下ろされる。この体育館いっぱいに首は届く。

 後ろに下がっても横に飛びのいても逃げ場は無い。

「どんだけだよ! 逃げ場もねえじゃねえか!」

「恵さんがいれば死ぬことも無いでしょ? まあ大怪我はするかもしれないけどね?」

 首が迫ってくる。そこで俺は思いつく。

「ここだ!」

 そうって俺は首の横の部分に手をついて首の勢いを利用して駆け上がる。

 ここなら攻撃が当たる事も無い。そこで俺はリミッターを解除して威力が跳ね上がった足で首を蹴る。

 いまいち効果が薄いように思える。

 まあいいや。元から俺の能力じゃそんなにダメージは大きくないんだし。

 しかも俺の能力は望んでない事をやらせるにはそれなりにエネルギー(たいか)がいるが、望んでいる事を助長させるくらいなら少ないダメージでもいい。

 例えば俺を攻撃すると言う意思であふれている時に俺を攻撃しろとかな。だから――

「――『俺を攻撃して来い。ヤマタノオロチ』」

 ヤマタノオロチにルールを与える。

 それと同時に俺の乗っている首以外の七本が俺に襲いかかってくる。

「おっと! 自分で命令したのに当たるかよ!」

 俺が飛びのいたことで七本の首が俺の乗っていた首に衝突する。

 これで少しはダメージを稼げる。実際完全に支配する少し手前くらいまでエネルギー(たいか)をためられた。

「心冶って身体能力強化なんて能力も持ってるのね」

「持ってねえよ! 『絶対法律(マインズ・ルール)』の応用だよ!」

 首がもう一度襲いかかって来る。

 それをもう一度かわすが真上から迫ってきていた奴以外は俺の乗っている首に当たることはなく通り過ぎていく。

  完全に操るにはまだ対価であるエネルギー(たいか)が足りないらしい。

「化け物じみてるな!」

「だって化け物だしね」

 即ツッコミが入った。まあヤマタノオロチは化け物だしな。

 実際の化け物と戦うのは初めてだから混乱したんだろう。そう信じたい。

「確かにそうだったな。じゃあこれはどうだ?」

 俺は走り回って目的の場所を目指す。

 巨体のヤマタノオロチの弱点は胴体だろう。だから俺はそこを目指す。

 そもそもコンクリートの地面にバンバン叩きつけていてダメージを追った様子がない首に攻撃しても威力が低いのは道理か。

「――『俺を全力で攻撃して来い。ヤマタノオロチ』」

 今までためた分の対価を少しだけ使う。その瞬間使った事を後悔した。

 正確に言うと、『全力で』と入れた事に後悔した。

 ヤマタノオロチは全ての頭を俺のいる方向に向けて、火炎放射なんかめじゃないような爆炎を放ってくる。爆弾並みの威力だ。

 八方を炎で囲まれ手逃げ場が無い。

 炎を出したヤマタノオロチの口が熱に耐え切れずに溶けだし、体育館ほどの広さの部屋が、炎が生み出す光で塗りつぶされて何も見れなくなるくらいのバカでかい炎。

 確かにこれを抜け出せば俺の勝ちだ。しかし抜け出せなかったら相討ちにしかならない。

 ――そして俺に抜け出す方法は無い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ