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5話 異世界で初めての邂逅!

「す、すまない!驚かすつもりはなかったんだ!!」


「えぇ…?」


「あ、あぁ、先に自己紹介だよな、そうだよな、うん。俺の名前はホーキンスだ。イサンドで冒険者をやっていてランクは白銀級だ歳は今回の月の巡りで26になる」


「ツッコミたい事が多いんだけど……それで?その冒険者さんが俺になんの用ですか?生憎、金目の物なら何もないんですけど?」


ホーキンスと名乗る男は茶髪で顔が整っていて、やせ型、身長は170後半くらいという感じだ

革の防具らしき物と胸のあたりに鉄の胸当てらしきものを身に着け、腰には剣のような物を鞘に納めたいかにも冒険者!という風貌をしていた


「あ、いや、そういう訳ではないというか…その、なんと言えばいいのか…」


(なんだこの少女漫画に出てきそうなイケメンは!どうみても野盗とかには見えないし冒険者って言ってたけど…え?ほんとに何の用?もしかしてここ野営禁止とか?)


「そうだな、うん、単刀直入に言おう!君が作っていたそちらの料理を俺にも食べさせてくれないか?もちろん!料金は払うし出来る限りの礼もさせてもらう!」


「あぁ、そういうことか…」


「だ、ダメだろうか…?」


(うーん、正直料理はいくらでも作れるし別に困る事もないんだけど…うーん…どうすっかなー…うん?)


どうしようか考えていると、先ほどのホーキンスの会話を思い出し引っかかる点を見つける


「ホーキンスさんでしたっけ?俺が料理するのいつから見てたんです?」


「あぁ、君が口ずさみながら何かを刻んでいる所から見ていたよ」


「ほぼ最初からじゃねーか!!!!」


「す、すまない!なにやら不思議な道具を使って何かしていたから気になってしまって…!悪気はなかったんだ!本当にすまない!」


(いやなにも考えずに料理してた俺も悪いんだけど…!最初から見てたってことは、スキルを使う所も見られているだろうし…はぁ…どうすっかなー…)


この状況を丸く収める方法を未来は探したが、元々そんなに思考に長けてはいないので楽観的に考える事にした


(逆に考えれば原住民と知り合えるチャンスだよな?スキルで調べるのと実際に見るのとで違うこともあるだろうし…話している感じ悪い人じゃなさそうだし、よし!)


「わかりました。料理振る舞いましょう、その代わり後でお願いがあります」


「おぉ!!有難い!!俺にできることがあれば何でも申し付けて頂きたい!」


(どんだけ食いたいんだよこの人…)


未来はスキルでキャンプ用の椅子を出しホーキンス用の席を用意する


「じゃあ、こっちに座ってください」


「おぉ、すごいな…何も無いところから椅子が出てきた…これは君のスキルなのだろうか?そちらのなんとも言えない生き物も気になるのだが…」


「食べ終わった後で追々話しますよ。一食分しかないので先に食べて下さい」


「あぁ、手間を取らせてしまってすまない…」


「いいですよ。その代わり料理が口に合わなくても文句言わないでくださいねっと!」


ホーキンスの前に鍋敷きを敷いてスキレットを持ってくる

弱火で火をつけていたのでまだグツグツと煮立っている


「おぉ…こ、これはすごい香りだ…遠くからでも匂いはしていたが近くに来るとより一層だな…嗅いだことのない匂いだが…なんともお腹を刺激するような香りだ…たまらないな…」


「どうぞ、召し上がってください。あ、その入ってる容器はかなり熱いんで気を付けてくださいね」


「有難う、気を付けるよ。ところで申し訳ないのだが、これはどう食べるのが正解だい?」


「そのバケットに具をたっぷりと載せてそれごと食べる料理ですよ」


「なるほど…確かに先程そうしていたな」


「そうそう………あっ!!さっき食べようと思ってよそったやつの事忘れてた!!!冷めちゃったよなぁ…」


「すまない…もし良ければそれはこちらで頂きたい」


「え?冷めてますよ?」


「かまわない。こちらで頂こう」


「まぁ、いいですけど…」


未来が先ほど食べようとしていたバケットを皿ごとホーキンスに渡す


「では…神々よ今日も生きる糧を下さり感謝します…」


ホーキンスが祈りの言葉らしきものを述べた後に恐る恐る冷めているアヒージョの載ったバケットにかぶりついた


「ンンッ!!!!」


唸り声をあげると同時に後ろに仰け反った


「え?」


「き、君…こ、これは…」


「あぁ、俺の自己紹介まだでしたね。俺は未来って言います」


「有難うミライ殿。いや、そうではなく…」


「え?」


「み、ミライ殿。こちらの食べ物はか、神々が召し上がる物ではないのですか!?」


「はい?いや、近い近い!!顔近い!!!」


興奮したホーキンスが鼻先まで顔を寄せてきた


(まつ毛長っ!!いやニンニク入れてるから寄らんで!!!男とキスしとうない!!!)


「でないと、この美味しさはありえないと思うのだ!!!ミライ殿!!!」


「なにいってんだこいつ」


未来は顔をホーキンスとは逆の位置に仰け反らせながら呆れるような顔で言う


「私は今まで食にそこまでの拘りが無く!口に入れば皆同じだと思っていたのだ…!」


「なんか語りだした」


「だけども、それは違った!!私はこの料理に出会うために生をこの地に降ろしたのだと!!」


両手を天に捧げるように広げ、恍惚とした表情をしている


「愛の告白みたいだな…アヒージョに向けてじゃなければだけど…」


(というか興奮し過ぎて一人称変わってないか?この人)


「よくわかんないけど、口に合ったようでなによりだよ…冷めちゃうから早く食べちゃって。俺は自分の分作るから」


「あ、あぁ、取り乱してすまない…では、続きを頂くとしよう」


未来が自分の分を作ろうとスキルから材料を出し人参などを刻んでいるとなにやら席の方からすすり泣く音が聞こえてきたので「は?」とまな板から顔を上げてホーキンスの方を見てみると


ホーキンスが物凄い笑顔で涙を流しながらアヒージョを食べていた


「どんだけだよ……まぁ、幸せそうだし、いいか」


と考え料理に戻り様々な工程を終え、オリーブオイルがグツグツ煮立ち後はマッシュルーム入れて味を整えるだけになった頃に未来は気づく


(あれ?すすり泣く声聞こえなくね…?)


未来が恐る恐るホーキンスの方を見ると

空になったスキレットを眺め、絶望に打ちひしがれているホーキンスの姿があった


(あぁ…食べ終わったのね…そんで足りなかったのね…だからってそんな最愛の人を殺されて復讐の為に悪魔と契約する前の人みたいな表情しなくても…アヒージョ食い終わっただけでしょ…はぁ、仕方ない!もう一食分作りますか!)


「ホーキンスさん!」


「ハイ…?」


「いや、声ちっちゃ!!!足りてなかったらおかわり作るけど!どうする!?」


未来がホーキンスにそう伝えるとまるで神が目の前に現れたかの様に両手を合わせて祈り始めた


「おぉ…神よ…」


「神じゃねーよ!あんな横暴適当女神と一緒にすんな!!」

















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