男嫌いが祟ってパラダイスへ行く…幸か不幸か分からない夢想のパラダへ…（元未公開作品）
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです（BGMのみ）。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル：（仮）男嫌いが祟ってパラダイスへ行く…幸か不幸か分からない夢想のパラダへ…（元未公開作品）
1行要約：
男嫌いな女が恋愛に踏み切ろうとした結果の悲惨な末路
▼登場人物
●音芽ココロ（おとめ こころ）：女性。30歳。大の男嫌い。理想の男性ならOK。セクハラやモラハラの類は一切受け付けない。やや潔癖症。挿絵付きの小説好き。その挿絵に描かれた男のキャラクターが理想の人。
●背九原生：男性。55歳。ココロの上司。ココロが好きでセクハラもする。
●根甲斐 佳苗：女性。30歳。ココロの理想と欲望から生まれた生霊。
●正樹 守：男性。35歳。とても誠実で仕事は敏腕。ココロを好きになる。挿絵の男キャラに激似。
●八瀬井猛男：男性。31歳。ワイルド。根っからのプレイボーイ。
▼場所設定
●A商社：ココロが働いている。一般的な会社のイメージで。
●ココロの自宅：一般的なマンションのイメージで。
●バー「夢の春」：お洒落な感じだが少し薄暗い。佳苗の行き付け。
●ホテル：一般的なラブホテルのイメージで。
●スナック「Go」：一般的なスナックのイメージで。
▼アイテム
●ココロの愛読書：挿絵付きの小説。その挿絵の男性が理想。
●「万華鏡」：佳苗がココロに渡す香水。これを付けるとココロにとっていろいろと良い事が起きる。
NAは音芽ココロでよろしくお願いいたします。
オープニング～
魔女子ちゃん：ねぇぷちデビルくん、ぷちデビルくんって男嫌いの女性って今までに会った事ある？
ぷちデビルくん：男嫌いの女？んーねぇな。
魔女子ちゃん：今回のお話はね、大の男嫌いな女性にまつわるホラー譚…と言うか奇妙なお話でね、どっちかって言うと心理サスペンスを描いたストーリーなんだ。
ぷちデビルくん：ほう。
魔女子ちゃん：男嫌いな女性でも当然「恋愛への夢や希望」はあるわけよ。でも理想の男性がどうしても身の周りに現れないとなると、やっぱり出逢いの数も激減して、一生独身で過ごしちゃうって女性も多い訳よね。
ぷちデビルくん：ふむふむ。
魔女子ちゃん：で、今回のお話に登場する佳苗さんって不思議な女性がいるんだけど、その人が男嫌いを治す為に或るアイテムを渡して助言するの。
魔女子ちゃん：でも結果的には幸か不幸か分からない、複雑な結末が待ってたのよ。まぁちょっとじっくり見てみない？
（↑朗読動画の場合は無視して下さい↑）
メインシナリオ～
（メインシナリオのみ＝4499字）
ト書き〈A商社〉
NA）
私は音芽ココロ（30歳）。独身。
キャリアウーマンでここまでやって来た。
恋愛や結婚は今のところ考えてない。
でも理想の人が現れたら…なんて夢はある。
ココロ）「よしっと！」
NA）
書類作成を終え、コピー機に向かった時だった。
背九）「よぉ～ココロちゃぁん！」（お尻を触る）
ココロ）「きゃああ！」
NA）
私は思わず肘鉄。
背九）「ぐあっ！ゴホゴホッ！お…おい軽いスキンシップじゃないかぁ」
ココロ）「もう部長！何度言えば分かるんですか？！そんなのスキンシップでも何でもありません！唯のセクハラです！」
NA）
周りでは私の事を「男嫌い」「男性恐怖症」等と噂している。
でもそれは結果的にそう映るだけ。
理想の男性がもし現れてくれたら、男嫌いなんて一瞬で治ってしまう。
単にそういう出逢いが無いだけだ。
ト書き〈数日後、ココロの自宅〉
NA）
私には愛読している小説がある。
ココロ）「はぁ…。これに出て来るような男性が、現実にもいてくれたら…」
NA）
この小説には挿絵が付いている。
ライトノベルのようなもの。
その挿絵に描かれた男性キャラクターが、私の理想の人だった。
ト書き〈最寄りのバーへ飲みに行く〉
NA）
私はその夜、気晴らしに飲みに行った。
行き付けのバーへ向かう途中、全く知らないバーがあるのに気付いた。
ココロ）「ん？こんな所にバーなんてあったっけ？『夢の春』…」
NA）
私はつい店に入った。
ト書き〈バー「夢の春」〉
ココロ）「へぇ…お洒落な感じ」
NA）
中はシックでお洒落。
でもちょっと薄暗い。
はしゃぐ気分じゃなかったので、私はそこに腰を落ち着けた。
そしてカウンターでカクテルを飲んでいた時…
佳苗）「こんばんは。ご一緒してもいいかしら？」
ココロ）「え？」
NA）
急に1人の女性が声を掛けて来た。
ココロ）「あ、はい…どうぞ」
佳苗）「フフ。でもこんな時間に1人で来るなんて、何かお悩みでも？」
NA）
唐突に訊いて来た。
その女性は不思議な感覚を持っている。
ストレートに訊いてくれた事で、私の心は少し解きほぐされた。
佳苗）「なるほどね。男嫌いだけど、本当は理想の男性と恋に落ちたい。結婚もして、幸せな家庭も造りたい。子供も2～3人いて、ワイワイ楽しい生活を本当はしてみたい…そんな夢を心の奥底に抱えてらっしゃるんですね」
ココロ）「え…えぇ。…でも全然そんなふうには行かなくて。…理想の男性なんて、現実には現れてくれないんです。私の理想の人は、ここにいるだけ…」
NA）
そう言って私は、バッグの中からいつも読んでる小説を取り出した。
佳苗）「小説？」
ココロ）「えぇ。あたし、この中に登場する男性が理想なんです」
ト書き〈挿絵を見ながら〉
佳苗）「へぇ。ハンサムですね」
ココロ）「…ところであなたは？」
佳苗）「あ、申し遅れました。実は私こういうお仕事をしております」
NA）
女性は名刺を差し出した。
ココロ）「『愛の成就・森羅万象のスピリチュアルコーチ』…根甲斐 佳苗…？」
佳苗）「私はあなたのような心悩める女性の為にお仕事をしています。特に恋愛や結婚が上手く行かない方、また潔癖症や特殊な性癖等によって理想が叶わない方の為に、第2のステップをご用意させて頂きます」
佳苗）「お話をじっくり聞かせて頂きましたが、あなたはどうも、シンデレラコンプレックスをまだ心の奥底にお持ちのようですね」
ココロ）「シンデレラ…コンプレックス…？」
佳苗）「ええ。シンデレラコンプレックスと言うのは、普通、中学生に上がる頃には薄れるものですが、稀にその気質を強く持ち続けてしまう人もいるんです。そうなると理想だけが強烈に膨れてしまい、その傍らで理想以外の男性を嫌う結果になります」
佳苗）「女性には無い男性独特の野性感や野蛮性、狂暴性や不潔感といった所にまで敏感に神経を這わせてしまい、ほんの少しでもそういう臭いを漂わす男性を悉く嫌います。あなたにもそういう所、無かったですか？」
ココロ）「え…えぇ、そう言われれば…」
NA）
図星だ。
佳苗の言ってる事はまさに私のあり方そのものだった。
佳苗）「あなたには、これがピッタリでしょう」
NA）
そう言って佳苗は私に香水を差し出した。
ココロ）「『万華鏡』…？」
佳苗）「ええ。それは古来、西洋から伝わった秘伝薬の入った香水です。それを身に付けてみなさい。きっとあなたの未来は大きく変わるでしょう」
ココロ）「え、でも、こういうのって高いんじゃ…？」
佳苗）「フフ、無料で差し上げますわ」
佳苗）「但しココロさん。これだけはお約束して下さい。その香水が心を射止めるのは1人の男性です。その香水の効果によって男性とお付き合いした後は、決して別の男性とは付き合わないようにして下さい」
佳苗）「その香水は乙女心を持つ女性にのみ効果を発揮します。その乙女心を失った人が使ってしまうと、きっととんでもない事になってしまうでしょう」
ココロ）「は…はい、わかりました」
NA）
取り敢えず私は、翌日からその香水を身に付けた。
ト書き〈A商社〉
NA）
会社にいた時、1人の男性が商談に来た。
そして商談後、私は偶々その男性とロビーで鉢合わせした。
ココロ）「こんにちは（え…この人、あの挿絵の人にそっくり？！）」
NA）
正直、驚いた。
見るとその男性は、あの小説の挿絵の男そのものだった。
守）「あ、どうも。ん？何かいい香りがしますね…」
ココロ）「え？」
守）「これ、もしかして…あなたが付けてらっしゃる香水ですか」
ココロ）「あ…いやぁ…まぁ」
守）「僕、この匂いとっても好きなんですよ。昔、恋人が付けてた香水の香りとよく似ています。もうその彼女は他界しましたが…」
NA）
それから暫く喋った。
男性は正樹 守と言った。
とても誠実で優しい感じ。
私は一瞬で守に恋をした。
ト書き〈数日後〉
守）「ねぇココロさん…もし良かったら今夜、お食事でも…どうですか？」
ココロ）「あ…はい！」
ト書き〈デート〉
NA）
日が経つにつれ、私の心は益々ときめいた。
そしてデートを繰り返す内…
ト書き〈ホテル〉
守）「ココロ…。僕は君が本当に好きだ。愛してる。結婚してくれるかい？」
ココロ）「守さん…。喜んで…」
NA）
私は守と婚約した。
実は私、この日まで男性を知らなかったのだ。
守はそんな私を大事に思い、とても喜んでくれた。
しかし初めての営みを覚えた私。
その心の中にほんの少し、性的刺激への欲求が生まれていた。
ト書き〈数日後〉
ココロ）「ウフフ、あたしだって本当はモテるんだ！…それにしても愛の営みって、あんなに気持ち良いものだったのねぇ…」
ト書き〈スナック「Go」〉
NA）
今日は仕事も早く終わり、私は久し振りに1人でスナックへ来た。
そこでお馴染みの小説を読んでいると、1人の男性が声を掛けて来た。
猛男）「何だか良い匂いすんなぁ♬これもしかして、君のフレグランス？」
ココロ）「…は？」
NA）
その男性は八瀬井猛男（31歳）と言った。
あの手この手で私を口説いた。
そしてあろう事か、ホテルにまで誘ったのだ。
ココロ）「ちょっと困ります！やめて下さい！」
猛男）「いーじゃんよォ！何だか、その匂い嗅いでると堪んなくなって来るんだよォ！そんな匂いする香水付けて、俺みてぇな男、誘ってんじゃねぇの？」
NA）
私は必死に抵抗した。
でもこの時、少し猛男の体を見てしまった。
こんな刺激とずっと無縁だったから、私の欲望に火が付いたのだ。
ト書き〈ホテル〉
猛男）「ふぅ。おめぇ良かったぜ♬まぁちょくちょく愛し合おうや」
ココロ）「…」
NA）
やってしまった。
守と言う婚約者がいるにも関らず、私はなんて女。
私は酷く落ち込んだ。
ト書き〈会社〉
NA）
翌日。
私がいつものように会社にいる時、守がまた商談に来ていた。
ト書き〈階段で見付ける〉
守）「お♪あれはココロさんだな。ようし、ちょっとおどかしてやれ」
NA）
私がちょうど社内の階段を上り終えた時、いきなり守が私を背中から抱いた。
ココロ）「き…きゃあぁ！」
守）「おぅわ！」
NA）
私は背九部長だと勘違いし、思いきり守に肘鉄し、突き飛ばしてしまった。
守）「うわぁぁぁ！」
ココロ）「はっ！守さぁああん！」
NA）
守はそのまま階段の上から落下して、首の骨を折って死亡した。
その後すぐに警察が来て、私は事情聴取された。
結果、正当防衛が成立。
しかし私は守を失った。
ト書き〈自宅〉
NA）
その後は虚無の毎日。
ただ1度の過ちで、こんな運命が待っていたなんて。
ココロ）「…そう言えば、佳苗さんに言われてたっけ。1人の男を愛した後、別の男を愛するなって…。私が悪い！私が全部悪いんだわ！」
NA）
私は自分の愚かさを後悔し、激しく泣いた。
ココロ）「…現実での恋愛がこんなにツライなら、もう恋愛なんて要らない！もうダメ！結婚したって私、また同じ繰り返ししちゃうかも知れない…！」
ト書き〈小説の挿絵を見る〉
ココロ）「この絵、本当に守さんそっくり…。守さん…本当に…本当にごめんなさい…！あたし、もし今からでも許されるなら…あなたの所へ行きたい…」
NA）
私はつい自殺を覚悟した。
その時、急に部屋のドアが開き、なんと佳苗が入って来た。
ココロ）「か…佳苗…さん？ど、どうして…」
佳苗）「あなた、やっぱり私との約束、守れなかったようね…」
NA）
急に現れた佳苗に恐怖するのが普通だが、その時の私は失意のどん底。
そんな事はどうでも良い。
とにかく今の自分を救って欲しかった。
ココロ）「佳苗さん…。ご、ごめんなさい！あたしが全部悪かったんです！あたしのせいで守さんを死なせてしまって…それにあたし、今まで男っ気がまるで無かったからって、何かに憑かれたように肉欲に走ったんです！」
ココロ）「もうダメ…！きっと、この先も同じような事、繰り返しちゃう…」（遮るように佳苗が話す）
佳苗）「ココロさん。本当に反省してるんですね？」
ココロ）「は…」
佳苗）「もし本心から反省してるなら、もう1度だけ、守さんに会わせてあげましょう」
ココロ）「ほ…本当ですか…？あ、会わせて下さい！お願いします！会わせて下さい！何でもします！その為ならあたしどんな事でも！」
佳苗）「よろしい。では…」
NA）
そう言って佳苗は、指を1つパチンと弾いた。
その瞬間、私の意識は飛んだ。
私は部屋から消えてしまった。
ト書き〈読んでいた本が挿絵ページを開いたままソファに落ちる〉
ト書き〈挿絵の中に、男性キャラと並んで映るココロがいる〉
佳苗）「これであなたと守は永遠にページの中で一緒にいられる。もう離れたり、その扉から出て世間で浮気する、なんて事も無いでしょう」
佳苗）「私はココロの理想と夢から生まれた生霊。ココロの夢と欲望を叶える為に現れた。あの『万華鏡』には多少の媚薬効果も含まれてたのよ。女性の魅力を発散させる傍らで、男を性的に引き寄せる為にもね」
佳苗）「でもそれが仇となってしまった。乙女心とは言え、所詮は心変わりをする。この世では、不変の愛を誓い合うなんて夢の又夢…。それならあなたにとっては、永遠にその理想の世界だけで愛を育むほうが幸せでしょう？」
佳苗）「それにしても幸せそうね。あなたの夢は最期まで叶えてあげた。もう変な欲に惑わされず、今度こそ、守と変わらない愛を誓う事ね」
エンディング～
魔女子ちゃん：はぁ。何だか切ないわねぇ。結局、理想は本の挿絵の中でしか叶わなかったって言うんだからさ。
ぷちデビルくん：まぁ佳苗の言ってた事はホントだな。所詮、人間に永遠の愛を誓うなんて事ぁ出来ねぇのよ♪
魔女子ちゃん：でも全員が全員そうでもないでしょうに。
ぷちデビルくん：だから心の中の問題なんだよ。ホントに浮気とかしねぇでも、心ン中でちょっとでも浮気心起しちまえば、その瞬間、相手の事をもう裏切ってんじゃねぇかって事さ。
魔女子ちゃん：…そんな事、人間に出来る訳ないね。やっぱ、誰にだってこういう気持ちとか衝動、あるんだろうね。ただ表沙汰になってないだけで。
魔女子ちゃん：佳苗さんはココロの夢から生まれた生霊だったのよね。てことはもしかして、本の挿絵の中だけで理想を実現させるってのも、ココロの空想なのかも知れないね。
ぷちデビルくん：ん？
魔女子ちゃん：だからきっとココロは自分がしてしまった事に後悔して、もう2度と恋愛なんかしないって誓ったのよ。それで本の中だけで守と一緒にいる…みたいなね。
ぷちデビルくん：ふぅん。なんとも乙女心ってのはぁわからねぇな。
（↑朗読動画の場合は無視して下さい↑）
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
