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芸能界になろう!  作者: いでっち51号
~芸能界になろう~
6/12

~第5幕~

挿絵(By みてみん)



 国民的タレント中峰仁和氏の逮捕劇は凄まじいセンセーショナルな歴史を残す。逮捕の翌日、行方不明となっていた渡来波歌氏が記者会見を開く。彼女は番組で共演した中峰氏に彼の自宅へと誘われて無理やりに性交を求められたと涙を零しながら話す。そこで必死に抵抗し、服を破かれながらも彼の構える豪邸から逃げだした。



 翌日、この出来事を上司に報告するも「なかったことにしなさい」と口封じをされるようにして遮断。さらにその翌々日には突然の解雇通告を受けたと言う。また何者かにつけられていた事を察知した彼女は首都圏おろか海外へ一時避難。この警護に週刊誌記者の者たちが協力したと言うのだが、何とも驚くべき話だ。



 で、この一連の事件の背後にフジサンテレビの編成局長が絡んでいるのだとも言う。この局員は女性局員だが、人気男性タレントへ自社のアナウンサーや職員を裏アテンドしていた可能性があるとネットを中心に騒ぎ始める。



 渡来の会見でも中峰氏から大変気に入られているから一時的であっても、接待し続けるように言われ続けたと震える声をあげて糾弾。




 そして悲劇はまたしても起きた。




 この晩に渡来の直属上司と言われる編成局員の女性プロデューサーA氏が自宅で首吊り自殺してしまったのだ。自宅には遺書が残されており、そこには「私は女衒など一切しておりません。間違った報道が世に広まっている事がとても辛く耐えられない」と綴られていた。



 渦中の中峰氏は黙秘を続けるが、断罪されるのは間違いない。




 事態はこれで収束したかに思えた。



 当然そうはならない。



 一連の事件を生じさせたフジサンテレビは世間から問題視されだした。なんと90%以上のスポンサーが降板。アナウンサーをはじめ、職員が次々と退職する現象も生じた。詰まるところは会社幹部の一新。大株主による激怒の書類通達によりそれは強烈に要求された。



 フジサンテレビと言えば、約20年前にホリヒトこと実業家の堀尾文人(ほりおふみひと)による買収騒動があった。結果的にそれはホワイトナイトの登場により阻止されたが、伊達賢治の吉原買収騒動に匹敵する社会を騒がせたニュースにもなった。ゆえにホリヒトはフジサンテレビのグループ大ボスである稗田(ひえだ)会長に対し「失脚キボンヌ!」とヨウチューブなどで叫んで止まなかった。



 そもそも、その買収計画は順調に進んでいた。しかし自身の権力が弱体する事を酷く恐れた稗田は突然ホリヒトに反旗を翻す。ここでホリヒトの未成年と淫行に及んだスキャンダルが取沙汰され逮捕に至る。彼は「稗田による罠。未成年だという事が隠されていた」と今でも語り続けている。




 ここで意外な話をするなら、このホリヒトと賢治は接点があった。賢治がヨウチューブで活動展開するようになった時、ヨウチューブ上でコラボする事がちらほらあったのだ。



 するとこの中峰フジサンテレビ騒動でもコラボがあるのではないか?



 そう思われたが、全くそんな事はなかった。



 ホリヒトのヨウチューブ動画では元フジサンテレビのアナウンサーや職員等が登場して「フジサンテレビの闇」と題した番組を展開。



 クリスタルエデンは所属タレントがフジサンテレビのドラマやバラエティ番組などで活躍しており、その関係性から悪口が言えるものではなかった。



 そもそもドレイクやヨウチューブ中心としたネット配信に力を入れていこうとしている会社である。今回の騒動に関して言えば蚊帳の外と言っていい存在だ。



 なのに、この男は動いた。



『株? 当然買う事にする。ホリヒトさんとは多分目的が違うけど、株主総会で提案したい事はあるからなぁ』



 テレビカメラと記者をまえにウィスキーをグビグビ呑みながら伊達賢治は明言した――




 フジサンテレビの重役が集まる一室。



「こんな事で辞めてなるものか!!!」



 フジサンメディアグループ総帥の稗田は怒鳴り声を部屋中に響かせた。



 御年90にもなる老獪な男の気魄はその場にいた4人を凍りつかせる。



 そこへノックする音が。



「誰だ?」



 稗田は息を切らしながらも、専務の円藤に尋ねる。円藤は恐る恐る答える。



「清田かと?」



 社長辞任する南戸の替わりに新社長へ抜擢される男の名だ。



「開けろ」



 今度はずっと俯いたままの花音副社長へと命じた。彼は顔をあげることもないままドアをゆっくりと開ける。



挿絵(By みてみん)



「俺に(ひざまず)け。じじぃども」



 そこに立っていたのはウィスキー片手にニヤつく令和のエンタメ寵児。



 伊達賢治が清田を携えていた――




∀・)来週の月曜日の夜に更新される「ドロップアウト」とあわせて読むときっと楽しい!


∀・)そんな気がします(笑)次号(笑)

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― 新着の感想 ―
タイムリーなネタから、 懐かしいネタもてんこ盛りですね。 ネタにするには少々危険な気もしますが、 無責任な読み手としては楽しいです。
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