~第6幕~
アメリカ編が放送されだして「ドロップアウト」を巡る妙な都市伝説が世間に広まる。それはネットを介して。SNSを介して。
「おつかれー」
「オッツゥー」
「めくる、最近調子良さそうだね?」
「リアたんも。センターメンバーで」
「ま、でも、歌ってみただからねぇ。借りモノのアイドルだよ」
「ねぇ? アレって著作権とかはどうなっているのだろうね?」
「さぁ。あぁ~それよりもめくるは『クリスチャン』って知っている?」
「あぁ! 知ってる! 知ってる! ディスマンみたいな話だよね!」
「ね。黒人のカーティスって役で出ている男がクリスチャンって白人の男で出ているように見える人達がいるって話でしょ。何でそんな話がでてきたのだろうって」
「でも、意外だなぁ。リアたんってそういうオカルトとかホラーとか苦手そうな感じなのに」
「苦手だよ。でも、コレはスッキリしないと本当に怖くて。ねぇ、めくるはそのクリスチャンって男を見たりしなかったの?」
「見てないよ。いや、そりゃあクリスチャンとかジョンソンって名前の男の人はいたと思うよ? でも、ネットにでているあんな感じの男はいなかった。たぶん誰かが悪ふざけで作った作り話じゃないかな?」
「そうだよね……普通はそう考えるよね」
「でも、リアたんは気にしなくて大丈夫。アメリカに来たワケじゃないからさ。呪われるとかないよ。あっはっは」
「いや……こういう話を聞くとスッキリしなくてずっと気持ち悪くって。だから私はこういうのを見ないようにしているのよ。でも、ドロップアウトの関係の話だとさ、目に入らないワケないでしょ」
「ん~余計にリアたんを怖がらせちゃ何だけど。リアたん、隕石が頭に直撃する確率と宝くじに当たる確率ってどっちが高いと思う?」
「え? 宝くじに当たる可能性?」
「ブー! 隕石に当る可能性がほんの少し上なのだって!」
「えぇ! こわっ!」
「そんな話をするカフェ店員の男がいるの」
「えぇ? めくるの彼氏?」
「違うよ。私行きつけの店のコで。それですごくオススメしたいからリアたんもどう? というお話」
「え、行きたい。でも、何だか目立ったりしないかな」
「大丈夫。首都圏内だから。有名人もよく目にするよ」
「じゃ行きたいな!」
「ねぇ」
「何?」
「今の話でクリスチャンがどうって話はどうでもよくなってない?」
「えっ……そう言われてみれば」
「噂なんてそんなもの。話題なんてそんなもの。本当の事なんて当事者でなきゃ知らないの。でも、知らないことほど人って知りたがるものなの」
「なんか今日のめくるって哲学者みたい」
「私はいつだって賢いよ。じゃなきゃあスピーチヒーローも優勝しないし、メディア王に誰が笑うだって優勝しない」
「そうだね……めくるは凄いよ」
「そんな私でも最近になって気になる事がある」
「何?」
「最近さ、同じ事務所に入った古本君っているでしょ? すごく仲良しみたいで。お友達になったの?」
「えっ? あーうん、お友達よ? まっすぐでいい人」
「ソレ、お友達を紹介する時に使う言葉じゃないよ?」
「えっ? いやだなぁ。やめてよ。めくるったら」
「何で嬉しそうなんだよ?」
「そ、そんな感じにみえるかなぁ……」
「レインダンスって店だよ」
「えっ?」
「さっき私が紹介したお店。今度行こうね? じゃ後でラインする」
「待ってよ! スッキリしないでしょうが!」
クリスタルエデン本社の夜景がよく見える屋上。
「ハックション!」
そこに立っている男は思わずクシャミをした。
「オヤジ、夜景は綺麗だけど何も見えないよ……はぁ……」
芸能界は今の世も尚面白い物語を紡ぎ続ける――
第3章完結!多くは語りません!
ご一読ありがとうございました!
よいお年を(*´ω`*)




