~第5幕~
ドロップアウト第3章「アメリカ編」は喫茶店ドロップアウトのCMを米国で流すというものだ。アメリカ編におけるキーマンのイーサンがそれを眺め微笑む。それで終わると言う話になる筈だった。
「みんなで踊る?」
「ああ。いかにもアメリカって曲でリアたんに歌って貰ってさ」
「急にそんな企画を持ちだされても……向こうの方も困るだろ」
「イアンやセラ、トッドにレジーそれとイーサン役やカレン役のコには連絡済みだ。関係者にも当然な。勿論快く承諾してくれた」
「えぇっ!? いつの間にぃ!?」
「問題は曲だよな。あと物語の上でそれをどう転ばすか」
「いや、アンタ、急な思いつきも甚だしいよ!? アタシャ、都合よく動くAIでもないのだからねっ!?」
「俺はAIなんかよりも蔵馬さんのほうが頼りになると思っているよ?」
「こ、このヤロオォ~」
「頬がピンクだよ? 俺に惚れちゃ怪我するだけだぞ?」
そう言って賢治は蔵馬に背を向ける。
この男には逆らえない。
彼女はそれをよく分かっていた。
追加の撮影は日本へ帰国して数日後に行われた。賢治はいち早く動き回る。
『お電話です。クリスタルエデンの社長から。出られますか?』
「あら。何の用からしらね?」
ヴィベックス社長の華崎鮎美は本社社長室で賢治からの電話を受けた。
「もしもし。何の御用でしょうか?」
『ドロップアウトでオタクのアイドルの何だっけなぁ……ドリフジーだっけ? ドルフジーだっけ? 今はやっている彼らの曲を借りたい』
「ドリフジーもドリブルジーも弊社のアーティストじゃありませんが?」
『意地悪だなぁ。あ! 思いだした! GGGだよ! GGG!』
華崎は溜息をつく。
ヴィベックスの稼ぎ頭であるGGGはカリスマ的メンバーであるビッキー脱退より解散の危機を迎えていた。しかもそのビッキーはとんでもないスキャンダルを抱えている。
これを知らないのだろうか?
いや、知らなくても無理はないか。彼は海の向こうに数日前までいたのだから。
『お~い! アユミさん! 聴こえていますかぁ?』
「はい。聴こえています。貴方は彼ら彼女たちがどんな状況にあるのか知ってはいないの? 私の管轄内で答えられる案件でございません。では」
『マテマテマテッ! 彼らの公式HPとかみたけど、もうここ数カ月活動すらもしていない状況じゃないか。どうやって俺に彼らと交渉しろと?』
「色々言えない事があるの。残念だけど諦めなさい。じゃ」
『わかったぁ! じゃ勝手に使うから彼らに宜しくツタ――』
華崎はその電話を切ることにした。
それから数か月後に彼女は目を丸くしてそのダンス動画を観ることになる。
GGGの「カモン・ベイベ・アメリカ」を倉木理亜奈の歌唱とダンス。そしてバックダンサーとして伊達賢治、綺羅めくる、山田エヴァ万桜、フェニックス大がGGG顔負けのダンスをしてみせる。その動画タイトルも「カモン・ベイベ・アメリカを歌ってみた&踊ってみた」だ。動画の最後では賢治が「ビッキー!! GGGの再結成を待っているぜぇ!!」とウィスキー片手にシャウトしてみせる。
GGGを脱退し、ヴィベックスも退社したビッキーこと疋田天王もその動画を観た。明らかに柄の悪そうな仲間を引き連れて。
「フッフッフ!! アーハッハッハ!!!」
彼は大笑いをしてみせる。タレント業から去った彼は裏の世界で力をつけんとしていた。新たな物語の狼煙はこうして確かにあがった――
GGGの「カモン・ベイベ・アメリカ」はダ・パ〇プさんのあの曲のイメージで大丈夫です(笑)
そしてGGGはエイベックスさんのあの人気グループのイメージでも(笑)全然違うけどね(笑)
本作は本作で文学的というよりも少年漫画的なんだよな。そう言う楽しみ方をして貰えたら。
ご一読ありがとうございます♪♪♪




