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芸能界になろう!  作者: いでっち51号
~芸能界になろう~
2/29

~第1幕~

挿絵(By みてみん)



 2025年4月1日、人気ドラマ「ドロップアウト」が放送開始。松薔薇太志との確執や流行歌「うっせぇよ」で名高い綺羅めくるを主演に抜擢。さらに男性人気アイドルとして国民的支持から世界的支持まで集めるジストペリドの如月湊も出演。さらに蒼月しずくや山田エヴァ万桜など様々な大物俳優をこれでもかと呼びこんでいる。俳優フェニックス大のブレイクにも大きく貢献した。



 ドラマの視聴率は数年前に放送されて記録した全沢尚樹を数パーセント上回る日本ドラマ史上最高の数値を記録した。ネット配信の主流とされるヨウチューブまたはドレイクで放送されるものを老若男女問わず観るようになったとするこの時代にまさかの快挙だ。その背景に伊達賢治という男の存在が浮かぶ。



 この原因を考察すれば、いくつか線になる点と点がある。彼はヨウチューブを主戦場にして自身の擁する芸能事務所・クリスタルエデンを切り盛りしていた。世間を圧倒的に騒がせた「松薔薇太志提言」に松薔薇死後からの「吉原買収騒動」といったアクションを起こしつつ。松薔薇なき芸能界のドンには自分がなるのだとまるで豪語しているかのように。ただ現実はそのとおりの事実を映す。



 思えばこのあたりから伊達賢治は表舞台に出なくなった。人気ドラマ『裏返りのリバス』や映画『番宣女優の実話怪談』での出演はあるも、バラエティ番組で彼の姿を見かける事はなかった。それはヨウチューブでもそうだ。それどころか自身の所有するチャンネルまでも消した。



 世間では色々騒がれているが、彼はメディアに映らないだけで()()()()()()()――



挿絵(By みてみん)



 伊達賢治の事を考察し始めると何をどうみたって謎に満ちている事ばかりだ。彼が表舞台から去ろうとした時が明らかにそう。



 バラエティ番組で妙な光景を目にすることがあった。彼はカメラに映ってないオフの時はウィスキーを常に手に持ち、チビリチビリと飲むという態度をどこの現場でもみせていたのだ。常識的な社会人の行動ではない。



 しかし彼はとうとうカメラに映っている時ですら、その呑み助ふりを隠さずに見せびらかすように。世間から当然のようにバッシングがあるも、不思議な事に彼はまったく酔ってないのだ。



 あるスポーツ番組にでてきた時も彼はウィスキーを手に持っていた。



 お酒を飲みながら球技をするスポーツ選手なんていない。しかし彼はまったくなんの違和感もなく運動神経の高さをテレビ画面に映してみせた。共演する男性アイドルや元スポーツ選手のタレントたちは唖然とした。



 ネットニュースでは伊達の持つウィスキーボトルのなかに入っているのはただの水でお酒ではないという噂をまことしやかにする。「伊達酒」なんて揶揄まで。



 この論議が交わされるにあたり、伊達賢治は自らのSNSで「何が本当なのか分からないから面白いのだろう?」と意味深なポストを残すまでした。



 彼の出自を調べれば尚更そのルーツが奇妙なところにある。



 彼は島根県の松山市にある孤児院で育ったとされる。つまり両親はいない。が、6歳までは出雲市で育ったとされる記録があると週刊誌の記者が突きとめた。



 この彼が6歳だったときに当時シングルマザーであった神宮愛子という女性が首吊り自殺をしたことがあった。その彼女の遺体の傍で幼い男児が浴びるようにして酒を飲んでいたという。神宮氏の自殺は遺書も残っており、自殺である事は間違いないようだ。しかし噂レベルではあるが、この神宮愛子という女性は元々放送作家をしていたキャリアがあると判明する。また野神愛という本名を東京へ上京した時に改名までしている。



 当の伊達賢治本人は「仮に本当にそうだったとしても、俺は覚えてなんかない」とSNSでコメント。だが、このことがネットで騒がれるにつれて彼はいよいよ酒飲みとしての自分をこれでもかと世間にみせるようになった。



 何が彼をそうさせたのか。この出自の事で騒ぐことに嫌気がさしたのか、遂に表舞台に顔をださなくなった。



 それから少しして衝撃のニュースが世間を揺るがす。



 人気ドラマ「ドロップアウト」を終了するとクリスタルエデン公式から声明をだしたのだ。



 これにはファンから動揺の声が。アンチは歓喜乱舞するものであったが、その理由も明かすことすらしなかった。



 話題となった「ドロップアウト~林萌香の生きる道~」の最終回は綺羅めくる演じる主人公で化け狸の林萌香と蒼月しずく演じる鷹山優が睨み合いをするのち鷹山が萌香の人間味と強さを認めて終わるという何とも味気ない最後だった。



 原作となる小説や漫画などは存在しない。



 完全に伊達賢治のオリジナルとされる物語。



 時代の寵児と騒がれ讃えられた男が放った筈の物語だ。




 ところがこの半年後に彼は再び世間を騒がす。ネット配信サービス。ドレイクにてバラエティ番組「メディア王に誰が笑う」をリリースする。



 これは有名人が特設ステージにあがって向き合い互いを罵り合うという大会の収録を配信するというものだ。ドレイクの登録者は映画観放題のメリットなどもあり、日に日に登録者を増していた。尚大会の模様はヨウチューブで生配信。



 令和のエンタメ寵児と言われた男。抜かりはなかった。



 大会は俳優の綺羅めくるが人気お笑いコンビ・もふもふ王国の二宮を破り優勝。栄冠を手にした。そこへウィスキーを携えた伊達賢治がやってくる。左には優勝トロフィーを両手で大事に持つ近藤勇美。さらに大会公認マスコットなる称号が与えられた宇良霧時世。



 トロフィーが綺羅めくるの手に渡り、涙ながらに「私の事を嫌わないでね!」と彼女がコメント。会場は爆笑に包まれる。



 宇良霧時世にもコメントが求められた。彼女は手話を通じ近藤を介する形にて応える。優勝者への祝福と同時に次回大会があれば自分が出場したいと言いだす。これには困った顔を一瞬みせた伊達賢治だが、すぐに彼も続く。



挿絵(By みてみん)



「この番組が放送されるドレイクで彼女が主演の映画の特別版を先行公開するよ。ああ、それはもうみんな、知っていたか。じゃあコレは知らないよな?」



 彼はウィスキーをまた一口。まるで勝ち誇ったように飲んでみせる。



 彼の眼はまっすぐにカメラを捉える。カメラも彼の力強い眼差しから離せない。



「ドロップアウト、このドレイクで放送開始します!」



 あまりにも見事なドラマ放送再開の一手をみせてくれた――




∀・)新連載はじまりました!ふたたび伊達賢治の物語がはじまります!



『メディア王に誰が笑う』

https://ncode.syosetu.com/n8999jw/



『メディア王に誰が鳴る』

https://ncode.syosetu.com/n3371iq/



∀・)こちら読まなくても大丈夫ですが(本作からでもついてゆけますので)、読んで貰えるとより深まると思います。またドロップアウトのほうも読まなくていいし読んでもいい。そんな作品ですね。いでっちが描く芸能界。楽しんでください☆☆☆彡

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