~第4幕~
ドロップアウトとヘイ・カーティスそれからアメリカ24等々のドラマや映画の撮影が約1ヵ月で行われた。クリスタルエデンとID24の共同制作。そんなコラボレーションに世界が湧かないこともない。
最も日本から役者として海を渡ったのは伊達賢治とフェニックス大そして綺羅めくると山田エヴァ万桜とクリスタルエデン若手タレントの計6名だ。
ここに英語の喋れるムーンライトの奥沢芽生が来るのでは? なんていう噂もあったが、それは噂にしか過ぎなかった。
後々の事を考えると彼女が来る筈もないのは納得だ。ただ第3章の始めでその彼女が流暢な英語を披露し、彼女の演じる山崎がいかにも渡米に同行しそうだという雰囲気をだしたのはある種のファンサービスだったのかもしれない。
「彼氏から連絡きたよ?」
「彼氏じゃないです。ただの上司です」
クリスタルエデン本社の一室で国内の活動に留まる理亜奈と蔵馬。
「メジャーリーガーの俳優さんがいるよね? 彼と日本で撮影して貰ってもいいか? だってさ」
「えっ!?」
賢治は打つ手を全て打っていた。
理亜奈が置いてきぼりにならないように日本で何かコラボをできないか機会を持ったのだ。トッド・ステアーズが日米親善試合で来日する際にその撮影を行うということで彼女に知らせる。
「立派なアメリカ人とのコラボでもアンタは嫌なのかい?」
「いや、そんなことは……」
「アイツもアイツで色々考えているのさ。今度インタビューの仕事だろ? 変なことを答えるんじゃあないよ? アンタの演じるソラってある意味でこの物語の主人公なのだから」
「…………すいません」
「いいよ。謝るな」
「失礼いたします」
「あいよ」
ドロップアウトの撮影は無事に1カ月の期間内で終わった。クランクアップのその日、またも大きな会場で宴会が開かれる。
セラ・ローレンが歌唱したのちに派手な和太鼓の音が鳴り響く。
ステージ上に日本からやってきた役者達を中心にこのコラボレーションで活躍したタレントたちがあがり、タップダンスを踊りだす――
親睦会の余興でお披露目した賢治の肉体美はこの時も魅せてくれる。その彼はノリノリで彼同様にほぼ裸一貫で踊るレジー・タピアの横で踊る。
ダンスがキレキレッだったのは綺羅めくると山田エヴァ万桜。メクルは国民的アイドルの頂点と言われただけあるが、万桜のそのセンスは持って生まれたモノと言えよう。彼女たちは色鮮やかな着物でそのダンスをみせる。
フェニックス大も見事な踊りをしてみせていた。しかし、彼は現地のスタッフから引きずり降ろされる。その理由は未だに明らかになっていないが、それからしばらく彼は落ちこんでしまったらしい。
これはそもそも映像作品として後に活かしたいとイアン・ディクソンから提案されたものだ。
踊りの形は決まってなく自由にしていいとした。
だからその映像に映る誰もが笑顔に溢れていた。
『すごく情熱があったわ。元気を与えたいって想いがそこに集まって何かを生む。そんな空間をイアンもケンジも作りたいって想っているのよ。きっと。ドラマのほうは納得のいかないところも個人的にはあったけど(苦笑)、でも、最後の最後で全部サイコーって感じられたの。それってとても大事なことだと思わない?』
セラ・ローレンはその晩にあった「最高の打ち上げ」をこう述懐する。
この翌日に賢治たち日本勢一行は次々とアメリカを発った。
飛行機の窓から賢治は浮かぶ雲を眺める。
「酒を持ってないと寂しいっすか?」
隣の席に座っているのはフェニックス大。もうだいぶ元気になったらしい。
「大ちゃん、元気になったのだな」
「え? ずっと元気ですよ? 俺」
ああ、忘れてしまっているのか。
「いや、何でもないよ。結構飲んでいたね。酔いが醒めたのか?」
「え? そんなに飲んでいましたか?」
「うん。多分な。俺はいくら飲んでも記憶が飛ばないからな。羨ましいよ」
「どういうことです? 監督はそもそもいつも酔ってなんかないのでは?」
「酔ってはいる。でも、酔ってもない」
「どういうことですか?」
「それが芸能界っていう世界なんだよ」
「さっぱり分からないですよ……監督」
「まぁ酔っ払いの言葉を真に受けるな」
賢治のあたまの中で最後の余興がずっと残る。
雲のうえで踊っている自分たちが見える。
酔ってはない。酔ってなんか。
思いついた。彼はそのまま微笑んでみせる。
芸能人がつくりだす芸能界って「つくられたモノ」なんですよね。
しかも真実なんてその場にいた人たちにしか分からないし、想像して楽しむしかないっていう。
そう言う「芸能界」っていうカルチャーを僕なりに解釈したのが本作。
まぁアマチュア作家の戯言ですが(笑)お付き合いください(笑)
ご一読ありがとうございました♪♪♪




