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PROLOGUE:芸能界になろう
少年はソファーに腰掛けてドーンタウンの番組を観ていた。
離れたところで床に胡坐をかいて座る子供たちはゲラゲラ笑い転げているが、彼は笑っていない。顎に手を添えてジッとその番組を真顔でみる。
「面白い?」
彼の横にこの孤児院の職員が座る。寡黙な性格ゆえに周囲と馴染めなく無口の男子に他ならなかった彼を心配する女性職員だ。
彼は彼女の問いに小さくコクリと頷く。「へぇ。伊達君も面白いってみているの」と彼女はその関心を示す。
「君は面白いコだね。面白いことを教えてあげようか?」
急に何を言い出すのかと彼は彼女のほうを振りむく。
そこで唇を奪われた。
何がおきたのか分からない。
でも、そこから全てが始まった。日本の芸能界を揺るがす男、伊達賢治。その物語は奇妙な運命に誘われていた――