真実のはじまりーⅥ
「来ないで!」
ミホが制止する。瓦礫は彼女の左半身に当たったようで、肩から腕にかけて防護服が破れていた。しかし、血が流れている様子はない。
ただ、皮膚がめくれ上がり、そこには金属の骨格と無数の配線が見えていた。
機械…、ロボット!?
アタッカーだけではなく、人間の姿をしたロボット…、突然、色々なことが起こりすぎて、思考がついていかない。
僕はノロノロと立ち上がりながら、信じられない気持ちでミホという少女を眺めていた。
「あなたは私を騙して、不要になったら平気で捨てた! 私はあなたを許さない!」
ミホはアマノさんと距離を取るように後ずさりながら言った。足元がふらついている。
「違う! そんなつもりはなかったの! 話しを聞いて」
アマノさんが叫んだ。
ミホの顔が憎しみと怒りの表情で歪む。
「あなた達は信用できない! 絶対に滅ぼしてやるから!」
ミホがそう言うと、アタッカーのアームが伸びて、ドーム状の強化プラスチックで彼女をそっと包み込んだ。
アタッカーも攻撃により、少し損傷は受けていたが歩行には問題がないようで、進撃してきた道程を戻り、煙幕のように水蒸気を上げながら海に消えていった。
僕はその光景に言葉を発することも出来ず、呆然と見ていることしか出来なかった。