表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

慶応3年11月17日

なるべく史実準拠で話は進みます。

 龍馬は天界の不思議な部屋に連れられて行った。

 不思議な形をした扉が3つ、そして椅子と机があるだけの真っ白い部屋。

 龍馬が扉の一つを開くと、中岡が倒れている。

「慎さん?大丈夫か?」

 龍馬が中岡に触れようとすると、見えないなにかにぶつかってしまう。


 寝ている中岡の周りには、陸援隊の香川敬二と田中顕助をはじめとした何名かがいた。中岡は

「わしはもうだめじゃ。岩倉卿に、王政復古はひとえに卿の助力にかかっていると伝言を…。」

と、言い残すと静かに目を閉じた。


 ーああ、やっぱりだめだったか。慎さんもこっちに呼べるかの?ー


 隣の部屋には、海援隊の面々はじめ、元新選組の伊藤甲子太郎らがいた。上座に布団がしいてあった。


 ーおっ、これはわしか。ー


「この鞘は、新選組の原田左之助のものに相違ない。」

 伊藤が、現場に落ちていた鞘を見て断言した。

「やはり、新選組のしわざか。」

「ゆるせん!」

「まあ。谷さんが、幕閣の永井さん所に行っているから、返事を待とう。」

「あっ、谷さん。」

 幕閣の永井尚志に抗議に行った谷干城が、不満そうに戻ってきた。

「近藤勇は知らぬと、いっておったそうだ。」

「何をとぼけたことを言っとるんじゃ。」

「こうなりゃ、殴り込みじゃ。」

「まてまて、なんか裏があるんじゃないか?」


 ーおっ、陽之助じゃ! そうそう、短慮はいかんぜよ。そんなことをしたら、土佐が薩長と幕府の内戦の原因になってしまうじゃないかー


「裏?」

「龍馬さんの居場所を知らせたやつ、龍馬さんに恨みを持つやつ。」

「隊長に恨みのありそうな人物ですか……。」

「紀州だな。」

「いや、おまえが紀州に恨みがあるからって」

「とにかく、犯人を探し出すんだ。」

「わたしも手伝わせてください。」

 事件の時、外に買い物に行って、難を免れた峰吉も言った。


 ーおお、峰吉は無事だったのか。鳥鍋食いたかったなぁー

 ーおい、陽さん。それは後でいいから、そのまえにまず、みんなを落ち着かせんと、本当に戦になってしまうぞ。谷さんにうまく言ってくれよー

 龍馬の声は、陽之助には聞こえないようだ。


 ーこれは、困ったのう。なんか伝える手はないもんかのう。ー

 龍馬は、陽之助の右肩に触れようと手を伸ばしたが、すり抜けるだけで、触ることができない。しかし、陽之助は、右肩に手を当て

「ん? 何だ?」

と、振り向いたが誰もいない。


 ーわしじゃ、陽之助!ー


「気のせいかな。」

と、陽之助は、

「とりあえず、紀州藩を探るんだ。峰吉頼むぞ。」

「もの売りにでもなって、探ってみます。」


 ーこれは、ちと、様子を見るしかなさそうじゃのー


隔日の更新を予定しています。

ここまでは史実の時間線です。


いいね、評価、感想をお待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ